
Photo by
air_mezzanine
チョコプリン【ショートショート】
いつもすごくめんどくさがりで、話すことも稀な友達からチョコをもらった。
紙コップに入って、ラップをかけられたチョコプリン。
まず最初に考えるのは、これが要冷蔵かどうかだ。もらった時点で、ひんやりとしている。何なら保冷袋から出てきた。要冷蔵確定。
消費期限も多分短そうだ。よって、もらったその時に食べるのが吉だろう。
ということで、朝ごはんを食べた1時間後に、チョコプリンを食べることになった。
使い捨てのスプーンなどもちろんないので、昼食用の箸でいただく。
箸を入れると、「ジャクッ」という音がした。
……とてもとても嫌な予感がする。
そっと箸を入れて半分に割る。
2層を形成するチョコプリンは、上層に明らかに白い粒が集合していた。
うーん、ゼラチンじゃね?
溶けてないのであろうそこは食感が何とも言えない…というか、はっきり言えばとてもジャリジャリしてて不味い…そんな感じだった。
味は美味しいのに、食感で損をしすぎている。
一応全部食べきったが、そのあとしばらくすると腹が痛み始めた。
まあ、でも、あの子が一生懸命作ってくれた菓子なので、やはり嬉しいものは嬉しい。
不平不満は言ったが、嬉しくはあった。
しかし、流石にちょっと来年もチョコプリンを作られると困るので、指摘だけはしておいた。
そしたらあいつ、いけしゃあしゃあとこう宣ったのである。
「知ってた。ゼラチン入れすぎたんだよね」
やっぱ1発くらい殴っておけば良かった。
あとがき
やっぱ殴っておけば良かった。まじでお腹痛い。