夢の中の世界。no.1 階段をおりたら
土でできた階段。
つめたくはない。
目から、足から、つたわってくる。
温度感。うごいている。
ここを降りたら何があるんだろう。
なにか旅がはじまるだろうか。
それとも何てことない、日常の景色か。
見たことのない構造の町がそこにはあって、
人々がその中で互いに働き合って、うまく回っているだろうか。
わたしも仲間にいれてもらいたいと感じるだろうか。
ひとけはない。
だけど、さみしくはない。
階段と同じように、ぬるさの残る大地が広がっていて、
みわたすかぎり地と少々の草しかないのに、
地平線をこえた先が気になるだろうか。
怪しいランプがそこら中にともっていて、
もやがかった頭のままにどこかにひきこまれて、
そこで自分がこの先どのように進めばよいか悟るきっかけが降ってくるだろうか。
だけど、未知なる世界を期待するけれど、
どこかで見たことのあるような人ばかりが、
ただ急ぎ足で歩いていたり、
何も考えていない・考えることができない面持ちで腰かけていて、
あまりにもいつも通りで
がっくりくるのだろうか。
でも、それでもわたしは、何かが違うのだと思って、目を凝らしてあたりを凝視しつづけるのだろう。
進みたい。
進みたい。
そしてそこでなにかがあってほしい。
なにかをずっと見つけたい。