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Photo by
msy03
50女の美意識と不安
美しい女であり続けたい。
伸ばした黒髪と肌の手入れは欠かさない。
体重は10代からほとんど変わらない。
ウエストのくびれも。
手入れが楽だからと言う理由で髪を短くしたり、目立ってきた生え際の白髪や品のない赤茶毛たカラーと傷んだ髪なんてゴメンだ。
ウエストがゴムのボトムスしか履けなくなり、中途半端なチュニックでお腹のぜい肉を隠したり、振袖になった二の腕を出せないからノースリーブは着れないだとかいう醜い体型になるのはゴメンだ。
彼の肩に顔を埋めるとき、柔らかいこの黒髪が、彼の胸元に触れる。
腰に回される彼の腕にウエストラインがスマートに重なる。
だから私は女であり続けることを諦めない。
もうあと何年このままでいられるかもわからないから。
油断すれば、鏡の中に映る私は、疲れた顔した50女だ。
私はあと何年、抗い続けることができるだろうか。