Du Vert au Violet|架空のアブサン酒専門店OPEN!
Text|KIRI to RIBBON
本イベントより、霧とリボン・コラボレーションレーベル百貨店「モダン・モーヴ・フラッパー」内に、架空のアブサン酒専門店《Du Vert au Violet|ドゥ・ヴェール・オ・ヴィオレ》がオープンしました。(*本物のお酒ではありません。)
「架空のアブサン酒」とは、実際のリキュールに様々な薬草が調合されているように、文学・アート・モードを調合したコンセプト作品のこと。アブサンの頽廃世界を追求すべく、気鋭のアーティスト達と共に、多彩な手法で作品を発表してゆきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
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ヴェルレーヌら19世紀の詩人たちが愛した魅惑のリキュール「アブサン」——角砂糖を乗せたアブサンスプーンをグラスに置き、氷水を垂らして飲むスタイルも詩的です。
上映像|霧とリボンが運営する「菫色連盟」サロンでのアブサン・ファウンテンの風景(菫色レースグラス|keino glass)
霧とリボンではかねてより、アブサンが持つ幻想的な世界観に着目。アブサン・ファウンテンを楽しむサロンを開催したり、2019年にはアブサンをテーマにした展覧会《菫色の実験室vol.4〜菫色×アブサン》を企画、アブサンの世界観を押し拡げる活動をしてきました。また、美しいグリーンの諧調を「アブサン色」と名付け、菫色との美しい配色も様々提案しています。
そして2021年、「アブサン宣言」を掲げて本イベント《アブサンの文法》を開催、多彩なアーティスト達と共に、六日間に渡り新しいアブサンの世界をお届けしています。
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最初に「架空のアブサン酒」を発表したのは2020年。オンライン開催したフランスガム個展《Nostalgie》でのこと。フランスガム様がジャケットワークを手掛けた音楽ユニットthequro様の1st Album発売記念も兼ねた展覧会では、収録曲《アブサンワルツ》の頽廃の調べもお披露目されました。
緑のリキュールの同志が集った《Nostalgie》展にて、初の「架空のアブサン酒」シリーズを発表できたこと、そして皆様にご好評を頂きましたこと、素晴らしい思い出です。
フランスガム様の瀟洒な世界観、そしてthequro様のエキゾチックな調べ煌めくアーカイヴがございますので、ぜひご高覧下さい。
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店名《Du Vert au Violet|ドゥ・ヴェール・オ・ヴィオレ》は、ベル・エポックの巴里に生きた詩人ルネ・ヴィヴィアンの同名散文詩集から。邦題は『緑色から菫色へ』——大好きなルネ・ヴィヴィアンの詩集の中にこの二色を見つけた時から、「緑色(アブサン色)」と「菫色」の存在がいっそう大きくなってゆきました。
この二色が霧とリボンの基調色であること、アブサンはじめ、頽廃と清冽が交差する世界にこの二色を見ていることはルネ・ヴィヴィアンに由来します。また、そこにジャスミン色(白)を加えると、サフラジェット・カラーになることも大きな喜びです。
店名のロゴは、「Vert|緑色」と「Violet|菫色」のふたつの頭文字「V」を縦に重ねて、アブサンが注がれたグラスをイメージ。
両脇にニガヨモギとスミレ花をあしらいました。オリジナルのシーリングスタンプも制作。メゾンの印として各作品にスタンプしています。
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今回は、ルネ・ヴィヴィアン散文詩集『緑色から菫色へ』収録《死の虹〜緑色・橙色・菫色》と、ヴァージニア・ウルフの散文《青色と緑色》を題材に、架空のアブサン酒を制作致しました。
いずれも色名がタイトル、二人の女性作家の色彩の文学がテーマ。《死の虹》は嶋田青磁さまによる本邦初訳、《青色と緑色》は維月 楓さまによる新訳でお披露目します。二人の現代詩人による頽廃的かつ瑞々しい翻訳にどうぞご期待下さい。
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本イベントでお披露目する架空のアブサン酒は、以下の3シリーズになります。パッケージ違いの多彩なラインナップには全て、題材となった《死の虹》《青色と緑色》の原文・訳文と霧とリボン オリジナル・ポプリが封入されます。
画家・永井健一さまの直筆絵画が封印された、贅沢な1点物シリーズ。全9種の発表となります。
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リボンとオリジナル封蝋タッセルで装飾された小壜に、天然原料のみを調合、一ヶ月以上熟成したポプリを封入したシリーズ。特製ボックス入り、マット銀箔押しペーパードイリー付属、巾着付き、全5種の発表となります。(*ポプリ熟成の都合上、初回限定生産となりますが、定期的に再販します。再販時期は未定。)
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霧とリボン オリジナル・ペーパーサシェにポプリを封入したシリーズは、画家・金田アツ子さまの植物画を配したラベル2種と、モダンラベル3種の発表です。ミニカードも付属します。(*ポプリ熟成の都合上、初回限定生産となりますが、定期的に再販します。再販時期は未定。)
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封入されるポプリの香りについて、オンライン開催のため、実際に香りをお試し頂くことはできません。そこで、オンラインならではの試香方法として、香りの印象を綴った「ムエット・エッセイ」をお届け致します。香り選びのご参考にして頂けましたら幸いです。
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美しい春のお部屋時間、「架空のアブサン酒」で五感を研ぎ澄ますひとときを過ごすのはいかがでしょう?
ぜひお気に入りをみつけて、あなただけの一滴を味わって下さいませね。
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