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2025.3.1椿屋四重奏2025 椿屋酔夢譚

椿屋四重奏2025ツアー、熊本Be.9参加してきました。
今回のツアーは、私がうつ病治療中ということもあり、ひとりでの参加に不安もあったのですが、どうしてもまた椿屋四重奏の曲を聴きたいと思い勇気を出して行ってきました。
椿屋四重奏は2011年に解散を発表したバンドで、ボーカルギターの中田裕二とベースの永田貴樹が熊本出身ということもあり、アルバムのツアーには毎回熊本が入っていたので、当時熊本の大学に通っていた私は椿屋の演奏を見る機会に恵まれていました。
実質ラストツアーになった公演の時には、大学を卒業し地元鹿児島に戻っていたので、鹿児島でライブに参加しましたが、それが鹿児島で椿屋が初めてソールドアウトしたライブでした。そのため、私は椿屋四重奏はこれから更に勢いづいていくのだろうと勝手に頼もしく思い、年明け解散が発表された時には到底受け入れられず、悔し涙を流しました。

それでも中田裕二の作る歌が大好きだったので、彼がソロになってからすぐのライブも熊本まで足を運びました。そうやって、ソロの活動を応援するうちに、解散した椿屋四重奏のことばかり好きだと言うのは、彼の活動に対して失礼ではないか、彼に重荷を負わせてしまうのではないかと考えるようになりました。一人椿屋の曲を聴くことはあれど、周りに発信することは無くなりました。それでも時々椿屋を知っている方に会うとやはり嬉しく、彼らの活動はちゃんと届く人には届いていたのだと慰められる思いでした。

今回のツアーが発表されたときは、嬉しかったのはもちろんですが戸惑いもありました。
中田さんがどのような思いで椿屋の曲を再演することになったのか計りかねたままでした。また、当時と違う五重奏での演奏に、不安と期待半々の思いでした。

しかし、ライブ会場についてまず驚いたのが客層の広さで、老若男女という言葉通り、様々な年齢のお客さんがいて、さらに現役の頃には少数だった男性の姿も多くありました。こんなに椿屋のことが好きなお客さんが居るんだ、と胸が熱くなりました。
そしてライブが始まります。懐かしくも色あせない曲がどんどん演奏されていきます。中田さんが曲名を告げると毎回悲鳴が上がって、私も声にならない声を上げていました。演奏は当時よりもさらに洗練され、そしてなにより演者の皆さんがとても楽しそうに演奏される様子に心動かされました。中田さんがこんなに楽しそうに椿屋の曲を歌う姿が見られるなんて思っていませんでした。
途中のМCで、中田さんが「椿屋好きだって言っていいんだよ、みんな胸に秘めちゃうの」と話されていたのが、ああそうか、椿屋四重奏は中田さんにとって本当に大切なバンドだったんだ、私は今も椿屋が好きだと言って良いんだ、と思えて、とても嬉しかったです。

アンコールでの1曲に、音楽業界を引退された永田さんが参加してくださったのも嬉しいサプライズでした。永田さんは当時と変わらず、大きな体で色気のあるベースを奏で、ドラムの小寺良太さんと中田さんと息の合った演奏を聴かせてくれました。小寺さんと中田さんの嬉しそうな笑顔!3人が話し始めると、楽曲の印象とは対照的にフンワリした空気が漂って、当時もこのギャップが好きだったなと思い出しました。
アンコールの最後2曲は五重奏に戻っての演奏。幸せな空気に包まれた会場では、演奏終了後もなりやまない拍手が続き、観客の皆さんにも笑顔が溢れていました。

椿屋四重奏の曲が色あせないことを確信したライブでした。
たとえ解散した後でも、名曲はずっと聴き続けられ、歌い続けられるものだと思いました。
解散した後に椿屋を知ったであろうお若い方々の存在がそれを証明していたと思います。
好きなものを、時代の流れとは関係なく、好きだと思い続け言い続けることのしなやかな強さが、今回の夢のようなライブツアーを実現させたのだと思います。
これから椿屋四重奏の曲に出会う方々もきっと居る。
まだ本日の福岡公演以降もライブは続きます。参加を迷われている方には是非参加されることをお薦めします。
椿屋四重奏2025の演者の皆さん、素晴らしい時間をありがとうございました。

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小さなゾウ
読んでいただき、ありがとうございます。いただいたチップは、大好きなコーヒー代に充てたいと思います。これからも記事を書いていきますので、よろしかったら見てみてください。