不登校に悩む人々にたくさんの選択肢を届けるはぐ
現在、日本の不登校者数は年々増加傾向にあります。しかし、不登校支援の活動をしている方は多くいますが、不登校支援の情報は探さなければ見つかりにくいことから行き届きにくいという課題を抱えています。そんな中で不登校に悩む人々の選択肢を広げるため、不登校支援に関する情報を発信している団体があります。
「西条市の不登校支援を考える会〜はぐ〜」は、西条市内で不登校支援活動を行っている団体を支援し、その情報を広く発信している団体です。メンバーが各々で、不登校支援や学校教育支援に携わる活動をしています。
今回は、代表の川崎さんに活動内容とZENmessengerを利用しての感想をお伺いしました。
西条で繋がった不登校支援の連合
ー具体的にどんなことをやってらっしゃるんですか
はぐは、大きなイベントなどを行う団体ではなく、共通した情報発信を行う団体です。メンバーは全員で7人ですが、はぐとしてではなく各々で不登校支援に関わる活動を行っています。はぐとして何か1つのことを行うのではなく、それぞれがフリースクールの経営者、お子さんと親御さんが一緒に遊べる場を作る団体の方、親御さんが相談できる場所を作る方、スクールカウンセラーの先生など様々な活動をしていらっしゃいます。私自身は、西条eスポ倶楽部というゲームを通じての居場所作りを行っています。
なので、それぞれが不登校に悩む方にこれからの選択肢を、提案することができます。同じ情報を共有できる仲間ですね。
はぐとしては、公式lineとinstagramで不登校に関する情報を発信しています。 例えば、学校や先生との繋がりに悩む方は、はぐからスクールカウンセラーをしている方に繋がることができます。
他にも、同じ立場の経験者の親御さんと会って話したいという方も、親の会がいつ・どこで開催されているかの情報を知ることができます。 不登校支援の情報をはぐの全員が共有し、 西条市で子育てしている方々に発信していくことで様々な団体に繋がることが重要です。
公式lineとinstagramの他には、チラシの作成をしています。行政の方に活動をアピールして、講演会を実施することもありますね。
ーなぜこのような活動を始めたのですか
自分自身が過去に辛かった経験が1番糧になってます。居場所や、相談できる場所は今と10年前では、全然違いました。昔はそれらの団体を知る情報源もありませんし、もしあったとしてもなかなかそれを探すエネルギーがありませんでした。今となっては、あっけらかんと話せますが、10年前の今頃は、ほんとにしんどかったです。そういう時に、すっと目に入って、欲しい情報が受け取れるようになってほしいと思ってました。
なので、今ないなら自分が作ればいいと思い活動を始めました。今はsnsを通じて気軽に情報を知ることができますしね。今10年前の私と同じように子育てで悩んでるお母さんたちに少しでも多くの選択肢を増やしたいと思っています。もちろん、発信することはそれをしないといけないというわけでなく、様々な活動している団体の情報から選ぶことができるということを知ってほしい、という思いが一番です。
ーいろんな団体の人が集まっていると思うのですが、どうやって集まったのですか
私は子育て世代なので、子供をきっかけに私自身が動くことで始まった繋がりが多いです。例えば、私が子供の相談をしたくて行った、親の会などです。私が起点になって繋がってる人が多いですね。それぞれ活動していたので、始まった時期もやっている年数も違いますが、はぐという一つの団体があったほうが物事がすんなりいくことがあるというアドバイスのもと、私が声をかけて集まりました。
ー団体というよりも、連合なんですね
そうですね。西条で居場所支援をしている団体が集まりました。そのことを真似したいと言ってくれている人たちが増えてきて、隣の今治市や、新浜市、四国中央市にはぐと似た団体ができています。
私たちの地域は、結束が強いです。今治、新浜、四国中央、大体の団体さんとお互いに情報共有ができてます。こうやって結束を強めていくことで、さらに選択肢を増やすことができるんです。
一人で始めることは緊張しますが、仲間がいると前に進みやすいです。そんな風に、すこしずつ、 みんなから勇気をもらって活動をしてます。
ー活動を続けている理由は何ですか
一番は自分自身の子供のためです。私は子育てをしているので活動自体が子供の助けになっていますし、大変でも求められているならやっていきたいと考えています。給料があるわけではないので、善意ですね。それこそ、もう子育てを終えて、お子さんがが自立した方達もメンバーのなかにたくさんいます。給料があるわけでもないのに、そうやって活動していける方達を本当に尊敬しています。
ー達成したい理想はありますか
私は子供を育てる上で、当たり前のように自分自身が過去に経験してきたことを重ねていました。なので、自分自身が子供の頃に経験していない不登校という出来事に自身の子供が見舞われた時に、どんな選択があるのかわかりませんでした。
そうなった時に、「学校だけじゃない、大丈夫」と言ってくれる人達と出会うことはとても大変です。私はこういった活動をしてるので、そんな人達や居場所に出会い、元気に過ごすことができています。しかし、繋がれない人は辛い子育てになってしまいます。なので、 その人達にも、たくさんの選択肢を見つけて、選べる自由を知ってほしいと思っています。それだけではなく、周りの人にも活動やそれに参加する人達のことを知っていてほしいです。
ーこれからの目標は何ですか
今の状態をできるだけ維持することが目標ですね。活動できていることが当たり前ではないので、当たり前ではない今この状況を維持していきたいと思います。
いつまで続けることができるのかわからないことは私たちも重々承知しています。なので、知りたいと思ってくれる人が1人でも、西条に増えれば、 もっと暮らしやすい町になると思っています。
ZENに支えられて活動を続けていく。
ー登録したきっかけはなんですか
活動する資金を効率よく集められること、大きな手続きもないというお話を聞いて登録しました。最初は仕組みをしっかりと理解していたわけではありませんが、いいねがお金が変わるならありがたいと考えていましたね。
ーZENで得たお金を何に使用していますか
最初の使用目的はチラシの印刷ですね。一覧で相談できるハグの各メンバーの団体を載せたa4のチラシを作ってます。その印刷を1000、2000部すると、3000、4000円かかります。
私たちは財団やNPOではなく、本当にボランティアでやっているので活動資金が0です。このお金をどこか出そうかっていう時に、 ZENにお話いただいて、その寄付によってチラシを作ることができたんです。今はチラシの作成を中心に親子の居場所のための場所代として使っています。
他の団体さんのなかには、入口に貯金箱みたいなものを置いてお気持ちをいただいたり、社会福祉協議会などの助成金に申請していると聞きました。しかし、助成金の場合貰える金額は少なく、使える場面も限られているので大変です。
市長さんと年に一度ほどお話できる機会があるのでその時に幾度となく活動費用などの補助金について話しますが、長い長い道のりが必要なのでなかなか実現に至りません。なるべくは、参加する人たちにはあまりお金を使ってほしくないという思いがありますね。
それ以外にも講演会をする際に、講演する先生に対する謝礼などにも使用しています。もうZENなくしては、私たちの活動は成り立たないくらいの存在になっております。本当にありがたいので、もっともっといろんな人ZENを知ってもらいたいですね。
ー団体の人はZENをどんなふうにおもっていますか
ZENのおかげでできていることがたくさんあるので、本当にありがたいです。
隣町にいくとZENのことは知られてないし、登録団体さんもいないので、どうやって資金集めているのかをよく聞かれます。なので、ZENについて説明するのですが、入ろうという流れにあまりならないですね。
応援しているので、できる限りチラシとかをおいたり、自分自身が説明したいなとは思っています。今度の講演会の時にも、少し説明タイムを作ろうかなと考えてます。
さいごにーお話を聞いて感じたこと
私は不登校支援に対して詳しくなかったのですが、実際に活動をされている方のお話を聞いて、自分の想像以上に多くの選択肢が存在していることを知ることができました。実際に支援する活動だけでなく、情報を発信することで選択肢を広げるための活動をしていることがとても素敵だと思いました。
ZENを積極的に使っていると何度もおっしゃっていて、ZENが実際に団体の力になっていることが感じられてとても嬉しかったです。同じようにZENが力になれる団体がもっと増えてほしいと思います。