ストレスと独り身とホテル暮らしとーサードシーズン【第5回・群馬県伊香保温泉《前編》】
「お前はまだグンマを知らない」
ーそんな事を言われた気がするので、初めての群馬に足を踏み込んでみた。2022年7月18日の午前中、日本各地で線状降水帯が蔓延り、大雨警報が出て川が決壊して街が濁流に沈む中、私は快晴の中を旅行している始末。
グンマは日本の気候から隔離されているのか?
高崎駅で乗り換え、渋川駅で降り、路線バスにのって約20分。そこは小高い山の上。裾野に広がる群馬の社会的エリア(?)を眺める私……そう、ここが『伊香保温泉』。
ホテルに電話すれば送迎車を出してくれるのだが、そのサービスはチェックインの30分前から。温泉街を散策するのに荷物が邪魔になるので、仕方なく徒歩で目的の愛人を探しているとー
唐突な下ネタ(小並感)。なんとも時代を感じさせる車両だ。
『石段とうどんと温泉』……昭和の歌謡曲かな? 愛人の隣には個人の美術館と、ついでに設置しとくか……みたいなやっつけ的な足湯が。
さあ、やってきました。
本日の愛人『旅館さくらい』である💕
なかなか情緒のある良い玄関口。その脇には…………ん? 正直なところ、個人的にはこういう遊びは嫌いじゃない。ただ、趣き的なコラボを考えると……。
荷物をフロントの専用エリア(おそらく昔は電話ボックスだった所)に放り込み、メディアに出まくる事で有名な『石段街』に向かって歩く。
その途中で民家の前に謎のオブジェを発見したり、温泉地には何故かよくある坂シリーズ。そして、その坂の先にはー
有名な温泉地には必ず多少はある放置された廃墟。バブル期には栄華を
誇ったホテルだったのだろうが、温泉地の弱肉強食に負けると、埋葬されずに野晒しとなるのだ。
看板だけが残った昭和のピンク文化。旅館の宴会場に出張したりしていたのだろうが、とんでもない物件が現れた時はチェンジできるのだろうか?
365段の石段を上る。天気が良いし政府は行動制限解除しちゃってるしで、平日なのに観光客が老若男女の区別なく湧き出してる。
それにしても……なかなか情緒溢れる店の並び。
石段の左右に建ち並ぶ店舗には何故か射的屋が多い。特に欲しいと思うアイテムも無く、現場特有の雰囲気に呑まれた者がライフルを装備するのだろう。
石段の左右には幾つもの脇道があり、その脇道に並ぶのは盛者必衰の理だ。観光客も無限に金を落としていくワケではない。資本力の低い者はこうして遺骸をさらしたままとなる。
どうやらこの石段の下は温泉が流れているようで、石段の途中に設けられた覗き窓から、大量の温泉がとめどなく流れているのがよく見える。
うおッ、怖ッ!? 神社の境内みたいな所が黄色い侵略者に埋め尽くされていた。
…………出たよ、ここにも侵略者だよ。いつもの『温泉むすめ』がゴリ押し気味に登場だ。申し訳ないが、今の所私が気に入るようなキャラデザのむすめは出没していない。
そして、不意に現れた目立つマンホールの蓋ー
ホモだこりゃ! ホモだこりゃ!
(by空耳アワー)
いっぱい散策してそろそろイイ時間になったので、チェックイン。今回は夕食・朝食を客室で頂くプラン、じゃらんのポイント利用で¥15330(入湯税込み)。
土間の脇に置かれた大雑把な靴ベラと、やたらと大きい多肉植物(イミテーション)。ハンドル式だが、受け皿が大きくて使いやすい洗面所。そして、襖を開けた先にはー
今宵はここまで。
後編に続くー