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賢木⑯’ 暗雲 紫上の嫉妬と不安の芽生え


🌷朝顔『宮』とは?

  🤔朝顔宮って、宮の姫君だから、身位は女王でいらっしゃるのではないの?
  😮ほんとだ!って皇女だけの御尊称よね。
  😮ほんとねえ、なんで朝顔宮とお呼ばれなのかしら。
  🤔時代によっても、宮の範囲が多少変わってるかもしれないけれど。
  😦皇女のなさる加茂の斎院をお務めだし、皇女に準ずる方だって、世間みんなが思ってるぐらい高貴な位置にいらっしゃるということなんでしょうね。

🌷朝顔と源氏の過去の関係

  🗓️源氏17歳
  😦『帚木の巻』で、紀伊守邸の女房たちが、源氏君との噂話をしてるの。「式部卿宮の姫君に朝顔を差し上げた時の歌なんかをちょっと間違った風に噂してる」って。「📜式部卿宮の姫君に 朝顔奉りたまひし歌などを すこしほほゆがめて語るも聞こゆ

式部卿宮の姫君に 朝顔奉りたまひし歌


  🗓️源氏22歳
  😦『葵の巻』では、あの方の甘い言葉にふらふら靡いて六条御息所みたいな惨めな立場に陥るのは絶対にいや!御返事なんかしない!って決意を新たになさってたわ。『かかることを聞きたまふにも 朝顔の姫君は いかで 人に似じ と深う思せば はかなきさまなりし御返りなども をさをさなし

いかで 人に似じ

  🤔でも、その辺の浮気男とは違うリスペクトは感じるから邪険にもできないとも思ってらしたのよね。『さりとて 人憎く はしたなくはもてなしたまはぬ御けしきを 君も なほことなり と思しわたる

御返りなども をさをさなし

  😮ねえねえ!古くからのお付き合いがある高貴な姫君で、源氏君に敬意ある誘いを受けながらも、靡いた挙句棄てられる屈辱には堪えられないと思う、という場面だけ何度もある気がするんだけど、実際に逢う場面って、あった?
  😮ないかも!
  😧だから、紫上が、すごく意識してらっしゃることにびっくりしちゃわない? え?なんで?そんなに恋の場面、あった? なんて思ったりして。

🌷朝顔

朝顔 は桃園式部卿の姫君である。桃園は格式の高い地であり、式部卿もまた、親王として筆頭の職責である。
母君は不明だが、父式部卿宮亡き後に屋敷を伝領しており、世間の尊敬を受けている人である。正妻の子かもしれない。格の高い扱いを受けている。
要職である式部卿の姫君であり、また、斎院に卜定されるとは皇女に準ずるということでもあり、朝顔とも呼ばれる。
容貌が桐壺更衣や藤壺中宮に似ているという記述はない。

🌷紫

紫上 兵部卿宮(後に式部卿宮)の姫君である。
母君は兵部卿宮のである。
源氏邸で正妻格に扱われてはいるが、結婚の経緯は有耶無耶で、父宮も事後承諾であった。
身位は朝顔女王と等しく見えるが、宮と呼ばれることはない
容貌は桐壺更衣に似るという藤壺中宮によく似ている

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一の院系の女王 朝顔     先帝系の庶子女王 紫の君                  

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≪ 紫 と 朝顔 の対比 ≫

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🌷紫の上の不安 『薄雲の巻』『朝顔の巻』

薄雲の巻』で、藤壺中宮崩御の後、
朝顔の巻』で、源氏の朝顔への求愛は、繁く執拗になり、紫上の耳にも入る。
紫上の目にも源氏がどこか上の空でいることが明らかである。

先帝と后宮の皇女であられる藤壺中宮の御身分は最上である。
源氏が藤壺中宮の形代として求めるのは容貌だけではないのかもしれない。
身分声望で優っているかもしれない朝顔に対して紫の上は不安を募らせる。
(夫の、藤壺中宮への道ならぬ恋慕にも気付いていたのかもしれない)

紫の上は、心憂く、
「同じ宮の姫の身分ではあるが、あちら(朝顔)は世間から声望の高い方で、あちらの方がすぐれていると夫は思うかもしれない。

同じ筋にはものしたまへど おぼえことに 昔よりやむごとなく聞こえたまふを
御心など移りなば はしたなくもあべいかな
年ごろの御もてなしなどは 立ち並ぶ方なく さすがにならひて 人に押し消たれむこと

夫の心変わりで棄てられるようなことがあれば、自分は世間に対してひどくみっともないことになろう。軽い目移りなどはあっても並ぶ者のない随一の妻として尊重されることに慣れてきたのが、今度は自分が押しのけられる側になろうとは」
などと思っている。

源氏が女童を庭に降ろし、雪まろばしをさせる。
雪玉が大きくなるにつれて、女童たちでは動かせなくなってしまう。(運命のように??)

雪まろばし 月は隈なくさし出でて ひとつ色に見え渡されたるに しをれたる前栽の蔭 心苦しう
遣水も いといたうむせびて 池の氷もえもいはずすごきに 童女下ろして 雪まろばしせさせたまふ
≪ 朝顔の巻 ≫

源氏は、藤壺院のこと、朝顔宮のこと、朧月夜尚侍のこと、明石君のこと、花散里のことなど、批評めいた言訳を連ねる。

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(『薄雲の巻』、『朝顔の巻』では、源氏32歳、紫の上24歳、朝顔30歳、明石の君23歳、明石の姫君4歳)
(現在は、『賢木の巻』で、源氏24歳、藤壺中宮29歳、春宮6歳、朝顔22歳、紫の君16歳)
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                        眞斗通つぐ美

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