賢木⑱”愛ってなーに? 小学生の夫
🌷愛ってなーに?
🤪ねえねえ! 愛ってなーに?
😀えーーーーーっ!!!
🤔源氏君は、12歳で元服。数えで12だから、令和なら、どうしたって小学生よ。小学生で成人式。
🤔それでその成人式の日に、16歳の葵上と御結婚。12歳の花婿よ。
🤔葵上も数え齢だから、まあ中学生のお齢よね。
🤔小学生の時から妻なり添臥なりと正式な共寝が始まって、自邸の二条院にも左大臣邸にも多分内裏にも、召人というのか、いつでも性関係に応じるお気に入りの女性が常にごろごろいる人生なんでしょ?
😮えーーーーーっ!!!
🤔性に餓えたことのない人が恋をするのかしら。
😮えーーーーーっ!!!
🤔恋うるって、切ないぐらいに欲しがることかもしれないものね。
😮えーーーーーっ!!!
😮恋ってなーに?
🫢以前には、『特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態』って書いてある国語辞典が有名だったみたいね。ちなみに、恋愛イコール異性愛だった時代の国語辞典ね。
🤔あらま、源氏君は、小学生の時からずっと『出来るなら合体したいという気持ち』が常にかなえられちゃってるのよね?
🤔えーと …成り成りて成り余れる処を …汝が身の成り合はざる処にさし塞ぎて、的なこと …を言ってる?
🫣…えーと。。
🫢餓えることが恋うることなら…
😮…源氏君って
😮…恋を知らない?
😀😀😀…かも?
😮😮😮…えーーーーーっ!!!
🤔恋してないなら、丁重な素敵なお手紙書くけど、心は全然動いてない、っていうこともあるのかもしれないわね。
😮『情けなからず うち返りごちたまひて 御心には 深う染まざるべし』っていうところね。
🤔朧月夜の君は恋人というより楽しいセ🔴レかもしれない…?
😀でも、プレゼントのラッピングみたいなことって、してるだけで気分が華やいでくることもあるじゃない?
🤔紙や筆を、特別のキャビネットから選りに選って、何となく艶な雰囲気なんかも漂わせつつ、お手紙書くって、そんな感じに少し似てるかもしれないわねえ。
🤔『唐の紙ども入れさせたまへる御厨子 開けさせたまひて なべてならぬを 選り出でつつ 筆なども 心ことに ひきつくろひたまへるけしき 艶なるを』ね。
🤔あながち心が1ミリも動かないということでもない、かもしれなくもなくない?
🤔段取りが先にあって、心はそれに合わせて動いて行く、みたいな?
😮えーーーーーっ!!! でも、それじゃあ、それは恋と何が違うの?
😧切なくはなさそうじゃない?
😧少なくとも源氏君の方は。
🤔褥を共にする相手に不自由していなくても、特別な人というのは別にいて、紙や筆を選んで、丁寧なお文を送るのかしら。
🤔でも、愛してはいないんでしょ?
🤔いつでも言うことを聞いてくれる特別な女房とか召人とかいう人と恋人は、何が違うの?
🤔身分?
🤔身分のない女房には人格がないから、二人の間に『関係』と呼べるようなものは何もないのと同じ、ということなのかしら。
🤔風俗はしょうがない、みたいなこと?
😮えーーーーーっ!!!
🤔雨夜の品定めの後、紀伊守邸に方違えに行く前にね、左大臣邸のお気に入りの女房たちが、源氏君をうっとり眺めているところがあったわよね。
😀ああ!『中納言の君、中務などやうの おしなべたらぬ若人どもに 戯れ言などのたまひつつ 暑さに乱れたまへる御ありさまを 見るかひありと思ひきこえたり』
😀女房たちの中でも中納言の君や中務みたいな特に綺麗で才もある若い女房たちに冗談を言いかけるんだけど、源氏君ったら部屋着をしどけなく着崩している姿もとっても美しくて色っぽいので女房たちも見惚れてうっとりしちゃう、っていうところね!
🤔いかにもモテそうな女房たちも、それはそれとして、源氏君に誘われたら、全然断らなそうな感じがするわ。
😥時代も意識も全然違うんだから、裁くことなんかはできないけれど。
😮ただ、へえーっ!とは、すごく思うわよね。
🤔紀伊守邸にお出掛けの前には、『女遠き旅寝は、もの恐ろしき心地すべきを』っておっしゃってたわよ?
🤔旅寝で女が側にいないのは心細い、って?
😀旅寝じゃない、二条院でも左大臣邸でも内裏の桐壺でも、必ず側に女が寝てるっておっしゃってる?
🤪それでその気になったら手を出して、それでも文句言う女はいない、みたいなこと?
😮わあーーー!!!
眞斗通つぐ美
⬅️前段
つづく➡️