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空蝉への恋…夜伽接待、召人、稚児(2) ~帚木の巻より
(1)の続きです。
🔷は源氏、🔹は紀伊守、🌼は空蝉、🍒は小君、 です。
🌷空蝉の嘆き
唯一の肉親として心配も信頼もしていた弟に、あんな関係を知られてしまっていることも、男の手先のようになっていることも、ショックで、空蝉は涙が溢れて来てしまって、手紙で顔を隠すの。
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長い手紙で、最後に、
🔷『夢みたいだったあの夜以来、眠れない日が続いて、夢さえ見ることができない』 なんて書いてあるの。
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🍈源氏は本気なのか? それとも、口から出まかせ、適当に言えるタイプなのか?
多情というのか多感というのか知らないけど、その都度都度にはいちいち本気になるタイプなのかしらね。
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12歳で結婚して、家にも職場にも綺麗な使用人がいっぱいいてチヤホヤされ続けた貴族の性生活や恋愛感情のことはわからないけど、
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1000年前でも、17歳は17歳ということはあるのかしらねー。
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🍈空蝉は源氏が嫌いなのか?
空蝉も輝かしい人の求愛に心が揺さぶられているけど、不義を畏れる気持ちが強いんでしょうね。
決して人の口の端に登るようなことはしてくれるなと、狼藉の後に懇願してるし。
🍈1000年前の人の噂って、
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🍈今で言えばネットの炎上ぐらいダメージなのか?バレなきゃいいということなのか?
さあねえ。
中納言の娘なんだから、召人扱いすんなよという誇り高さなのかもしれないしね。
🍈めしうどー?
貴人に仕える女房の中で、主人と男女関係にあるけれど、妻の身分は与えられてないような人たちがいたらしいのよね。
愛人というより『お手付き』みたいなニュアンスなのかな。
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🍈お手付きー?いきなりカルタの話か?
えーと、後ろ盾になる強い実家とかがなくて、敬意のない扱いをされることなんじゃないかな。
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誇り高い空蝉も、憎からず思ってる相手からの熱烈なラブレターだから、どうしようもない気持ちになって、涙が溢れるの。
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眩いような美しい筆跡も涙で霞んで見えなくなって、人妻である我が身の運命が嘆かれて、倒れ込んでしまうの。
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🌷空蝉の拒否
🍒明日お召しの時にお返事を持って来るように言われてるんだ。
🌼人違いよ。うちにはこんなお手紙を頂く女はおりませんとおっしゃい
🍒絶対に間違わないように、よく説明していただいたのに、そんなこと言えるわけないじゃないか。
空蝉はそれを聞いて、自分の不名誉を弟に話してしまわれたのかと、恨めしくて辛くてたまらなくなるの。
🌼ませた口をきくんじゃないの。そんなこと言うなら、もうあの方の所にお伺いするのはおやめなさい。
🍒そんなこと言ったって、お召しがあるんだもの。
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🌷源氏の嘘
小君は源氏に親しく扱われて有頂天だし、紀伊守は空蝉に野心があるのでポイントを稼ぐつもりで小君を連れ歩くしで、
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空蝉の気持ちとは裏腹に、小君は、召されるままに源氏の側近くに上がるの。そうしたら、
🔷昨日はお前のことを一日中待っていたのに、私の一方的な片思いだったのか?
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なんて、源氏は言うの。
🍈えー?どういうこと?小君が源氏に愛の告白されてるのか?えーと、、源氏はLGBT的な人ということなのか?
そういうことではないんじゃないのかしら。
そもそも日本では、日本書紀から、男性が男性を寵愛した話なんかがいっぱい載ってるって聞いたことがあるわよ。褒められた話として書かれてるわけでもないらしいけど。
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婚外のいろんなことは、正式な結婚とは世界の違うイベントだったのかしらね。そんな背景があって、女の召人と同じように、男の子にも、「稚児」と呼ばれて性関係を求められている存在があったようなのね。
小君の方も、源氏から恨み言のようなことを言われて、顔を赤くするの。
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それで、寵童にしていただけるのかと思ってドキドキしてたのに、源氏は、空蝉の返事をもらってきてないと聞くと、
🔷口ほどにもない子だ。
と言ってまた手紙を書いて渡すの。
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小君に野心があるというわけではなさそうね。
🔷お前は知るまいが、私は伊予の老人よりも先に、姉さんの恋人だったのだ。
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🔷それなのに、私のことを首も細い若者と侮ってあんな夫を見せつけているのだろう。
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🔷お前だけは私の味方でいてくれよ。伊予介は老い先短いのだから、将来の為に私を頼りにせよ。
そんな出鱈目を言ってるのに、小君が気の毒がるので、源氏は、やっぱり可愛い子だなあと思うの。
それで、どこに行くにも連れ歩いて、衣装も作らせて、親みたいに世話してやることになるの。
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動画はこちらです。
眞斗通つぐ美