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賢木⑬ 三条宮に 藤壺を 襲う 一夜目



🌷動画『三条宮に藤壺を襲う』

🌷藤壺中宮は里邸に

藤壺中宮は、
右大臣家の幅を利かせるようになった今の内裏は敷居が高く、参内もままならず、里邸の三条の宮にいらっしゃる。

≪ 藤壺の三条宮 源氏の二条院 ≫

内裏に独りお残ししている春宮の御世話ができないことが御気掛かりである。
御自身も先帝皇女であられるので、頼りになる有力貴族の男兄弟がおられないが、皇族は政に参加できない世の中である。
先帝の皇子であられる兄君は兵部卿宮で、
桐壺帝の御弟皇子であられる桃園式部卿宮の後塵を拝しておられる。

頼りはただ源氏だけである。

🌷止まらない源氏の懸想

それなのに、童形の時代から見知っているこの若者の懸想は今も止まない。

主上も限りなき 御思ひどちにて
「な疎みたまひそ」「あやしく よそへきこえつべき心地なむする」「なめしと思さで らうたくしたまへ」「つらつき まみなどは いとよう似たりしゆゑ かよひて見えたまふも 似げなからずなむ」
など聞こえつけたまへれば

中宮は、亡き桐壺帝がこの関係に少しもお気付きにならなかったことを思うのも恐ろしい。

≪ 春宮の出生の秘密 ≫

もしも、今更に噂でも立てば、我が身はともかくも、春宮が破滅あそばすと恐ろしくてたまらないので、
源氏の恋心を滅しようとあらゆる思案を尽くし、祈祷までさせて、情炎から逃れて来られた。

🌷🌙侵入

しかし、どうしたことか、ある夜、思いもかけず、褥近くまで源氏が忍び入って来た。

いかなる折にかありけむ あさましうて 近づき参りたまへり

慎重に内密に計画したようで、事前に知っている者もいず、現実のこととも思われなかった。

心深く たばかりたまひけむことを 知る人なかりければ 夢のやうにぞありける

🌷中宮 突然の発作

源氏が 筆舌にも尽くし難い巧みな言葉を連ねて搔き口説くのを、
中宮この上なく冷静にあしらっておられたが、
俄かに御胸の激しい痛みに襲われて呻吟あそばす。

果て果ては 御胸をいたう悩みたまへば

目立たぬように物陰に控えていた王命婦乳母子の弁が驚いて介抱する。

🌷🌞夜明け 塗籠に押し込まれる源氏

源氏は中宮の拒否に目の前が真っ暗になって、病悩の中宮の傍らで為す術もなく茫然と腑抜けたようになってしまっている。
すっかり夜も明けているのに、ぼんやりと御寝所にとどまっている。

御病気に気付いて女房達も集まって来て、しきりに出入りする。
源氏は茫然自失のまま塗籠に押し込まれてしまう。
脱ぎ乱れた上衣を隠し持って来る者は気が気でない。

人びと近う参りて しげうまがへば
我にもあらで 塗籠に 押し入れられて おはす  御衣ども 隠し持たる人の心地ども いとむつかし

   😮あらま!既に上衣脱いじゃってるの❓❗❗
   😮上衣脱いで口説いてた、、ということは御帳台なり御几帳なりの内側❓❗❗
   😮お寝間着のところに、上衣を脱いだ男が迫って来るとか、
   😮国母ともなろうという中宮にしてこの警備の緩さ…。
   😮建築構造上❓❗❗

中宮はとても辛くお思いになって、更に眩暈までせられ一層お苦しみになる。

宮は ものをいとわびしと思しけるに 御気上がりて なほ悩ましうせさせたまふ

🌷一日中 騒がしい閨室 塗籠に籠り続ける源氏

兄君の 兵部卿宮 中宮大夫 も参上して、「僧を呼べ」「御祈祷を」と騒がしい。

兵部卿宮 大夫など参りて 僧召せ など騒ぐを

源氏は塗籠の中で、為す術もなくひどく苦しい思いで室内の喧騒を聞いている。

大将 いとわびしう 聞きおはす

🎞️藤壺中宮への執着。母恋い。

動画です。


🎞️皇女が国母となるということ。

動画です。


📋資料

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この時
源氏24歳
藤壺中宮29歳
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兵部卿宮と藤壺宮の血縁

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先帝系としての兵部卿宮

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兵部卿宮の行末

                        眞斗通つぐ美



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