売人へ
私がスカウトマンになり3ヶ月程が立った。
正月は実家に帰り
仕事の事は適当に誤魔化し
楽しく頑張ってると伝えた。
ちゃんと育ててもらったので心配はかけたく無い。
そんな心情だった。
この頃の私はスカウトマンとして8人の女性を
紹介をしていて
変動はあったが月40万ほど
案内所で月8万、喫茶で10万、運び屋で10万
年齢的にも稼いでいたと思う。
家も引越し、欲しい物も買えた。
周りの信頼も出てきて充実もしていた。
この日は運び屋の仕事が3件。
そのうちの一人はさきだった。
さきとは、たまに連絡を取り合い
スカウトの報告等をしたりする中だった。
喫茶の仕事は休まされ
葛城さんと昼から会う約束だった。
いつもは夜が多く、昼からとは珍しかった。
指定されたアメリカ村の
端っこにあるパーキングに着くと
葛城さんの姿が見えた。
慌てて走って行き挨拶をした。
葛城「行こか」
それだけ言われ後ろを付いて歩く。
ゲームセンターの中に入り店員に手を上げ
店員が慌てて駆け寄った。
店員「お疲れ様です」
店員は腰にジャラジャラと付けた鍵の中から
一本取り出しエレベーターのボタンにある
鍵にさした。
エレベーターのドアが開き中に乗り込んだ。
この瞬間、嫌な予感しかしなかったが
戻ることなんて出来る筈も無かった。
エレベーターは2階で止まった。
扉が開くと
ゲーム機が並んでいた。
奥にはスロットの機械。
ただ雰囲気はただのゲームセンターでは無かった。
目が血走ってる…
なんだ…?
それを横目に奥へと進んだ。
黒服のスーツの男が鍵で扉を開いた。
ただの倉庫だった。
ダンボールとダンボールの間に
事務所机があり机を動かせと指示され動かした。
葛城さんはしゃがみこみ
床にマイナスドライバーの様な物を突き刺した。
引っ掛けれる様に持ち上げると
床の一枚が簡単に持ち上がった。
覗き込むと…
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