人は夢を二度見る、くぼしたが夢を見るまでの物語___

 みなさんこんにちは。私は乃木坂46が好きなのですが、その中で一番好きな曲である
『人は夢を二度見る』について自分の考察をまとめたいと思います。

  『人は夢を二度見る』、2023年3月29日に発売された乃木坂46の32枚目シングルです。

 センターは私の推しメンの3期生の山下美月ちゃん。そして同じく3期生の久保史緒里ちゃんのWセンターです。

 もう一度夢を追う事をテーマにした曲です。

 この曲は乃木坂46を初期から支えてここまで繋げてきた1.2期生が全員卒業し、後輩である3.4.5期生のみで構成された新体制の乃木坂46初の楽曲になります。つまり乃木坂46の新章、第二章の始まりの曲です。

 また、この曲は聞いた人やファンへのエールでもありますが、歌っている彼女達本人へのエールでもあるし、"これから"の乃木坂46の意思表示の曲、誓いの曲でもあります。

 山下美月と久保史緒里のWセンターですが、曲のタイトルと歌詞とこの2人のセンターを見た時、過去のある曲との繋がりを感じました。それは2017年にリリースされたシングルのカップリング曲である『不眠症』です。

 どちらも山下美月と久保史緒里のWセンター、しかし曲名と歌詞、内容は対比関係になっています。乃木坂46の楽曲の中にはアンサーソングの関係になる楽曲がありますが、これらの二曲もそうでしょう。

 「眠ることができない」事を表している『不眠症』、それに対して『人は夢を二度見る』の「夢」は眠ることができるから見ることができます。

 更に前者がリリースされた2017年。乃木坂46にとっての2017年という年は、1.2期生が大活躍した年です。東京ドームや初のレコード大賞などがありました。

 この曲の歌詞に
 「ふかふかのベッドではもう夢なんか見られない、環境が恵まれすぎてる」とあります。

 「ふかふかのベッド」とはこれまでの乃木坂46の地盤を作ってきた1.2期生の比喩でしょう。

 『不眠症』という曲は「新しい目標や夢を叶えるには、力のある先輩達という恵まれた環境には頼ってはいられない。先輩達やその環境に頼らず頑張りたい。」という意味が込められた曲でしょう。

 それに対して、後者の曲は2023年にリリースされました。

 2023年という年は、その1.2期生が全員卒業して、後輩である3.4.5期生のみとなった年、つまり乃木坂46の新章が始まる年です。

 その新章において、今度は自分たちが最年長の先輩になって、あの時力強い先輩達とその環境という"ふかふかのベッド"によって不眠で眠れず見ることのできなかった夢を見に行くのです。夢を見る誓いの曲です。

 それを表した歌詞が、
「今ならちゃんと夢を見られる」なのでしょう。

 偉大な先輩達という恵まれた環境にいる故に「夢なんか見られない」に対しての、今ではその先輩達は居ないけど自分たちが成長して今度は自分達自身で「夢を見られる」のです。

 この二曲の関係は、
 2017年、あの頃はまだ先輩に頼っていて、まだ未熟(不眠)だったくぼした達が、6年間で成長して、2023年(先輩達が全員卒業して後輩達だけになった年)に今度は自分たちが先頭に立って夢を叶えに行く(眠れるようになって夢を見られる)という流れの関係になっています。

不眠→寝れるようになって夢を見られる。
一番後輩→先輩になって先頭に立つ。
未熟→成長

のような対比と流れになっているように思えます。

 この六年間は乃木坂46の成長の年でもありますが、同時にくぼしたが成長によって不眠から眠れるようになって夢を見られるようになった六年間とも言えます。
 この六年間はくぼしたが夢を見るまでの物語です。


 ところで二度目の夢とはなんでしょうか?

 まず一度目の夢を探してみました。

 2017年にリリースされた3枚目のアルバムのタイトルが『生まれてから初めて見た夢』です。

 2017年は上でも書いたように、初の東京ドームやレコード大賞といった乃木坂46にとって大きな出来事があった年です。これが一度目の夢でしょうか。
 2023年はそれらを成し遂げた1.2期生が全員卒業して後輩達だけの新体制となった年です。

 2017年の夢は"初めて"の夢。
 2023年の夢は"二度目"の夢です。

 乃木坂46にとっての"初めての夢"が東京ドームやレコード大賞なら、それに対して"二度目の夢"は今度は3.4.5期生で成し遂げる東京ドームやレコード大賞、もしくはそれ以上の大きな成果でしょうか。

 また、2017年は上でも書いたように『不眠症』がリリースされた年でもあります。

 1.2期生の先輩達が乃木坂46としての初めての夢を咲かせるこの年に、次の二度目の夢を咲かすための種がこのタイミングで撒かれてたということでしょうか。


 『人は夢を二度見る』を"これから"の乃木坂46の誓いの曲と上で書きましたが、この曲を
 「齋藤飛鳥のもう一つの卒業曲」と解釈してる人がいました。

 2023年の5月に行われた齋藤飛鳥の卒業コンサートのセトリは、彼女本人が組んだセトリですが、私は彼女が「乃木坂46の"これから"」を意識してセトリを組んでるように思えました。

 そのセトリの中に『人は夢を二度見る』があります。彼女はこの曲の一つ前のシングルで卒業しているので、本来この曲には参加していません。

 しかし、セトリに組み込んで彼女自身もこの曲に参加しました。

 自分がもういない乃木坂46のこの曲に、乃木坂46の未来の誓いであるこの曲に、本来いないはずの卒業した彼女が参加するというのはとても深い意味があるように感じました。

 『人は夢を二度見る』
 =乃木坂46の"これから"の曲。

  飛鳥卒コンのセトリ
 =乃木坂46の"これから"を願ったセトリ
 
 という等式を仮定すれば、
『人は夢を二度見る』=飛鳥の卒業曲でしょう。

 もちろん、齋藤飛鳥の卒業曲は周知の通り『ここにはないもの』ですが、0から乃木坂46を作って見守って、次の世代に乃木坂46を繋げた齋藤飛鳥にとって『人は夢を二度見る』は「もう一つの卒業曲」と言えるに相応しい曲だと思います。


 2022年に行われた10th Birthday liveで山下と久保のWセンターで『今、話したい誰かがいる』を披露しました。その中で2人が
「諦めるなら1人でいいけど、夢を見るなら君と一緒がいい」という歌詞を歌いました。

 寝ることができず、夢を見ることができなかった2人が、「夢を見るなら君と一緒がいい」という歌詞を歌って、約一年後に2人で夢を歌った『人は夢を二度見る』で再びWセンターになるというのは、神様が書いたシナリオと思わざるを得ません。

 神が書いていなかったとしても、天才の秋元康のことですから数年をかけてアンサーソングという関係で伏線を張っていてもおかしくはありません。

 しかし、漫画や小説の伏線とその回収は思い通りにできますが、ここは現実世界ですし芸能界という厳しい世界です。仮に伏線とその回収という流れの構成があらかじめ練っていたとしてもそれを必ず実行できる訳ではありません。

 この流れができたのは山下と久保、そして他のメンバーの努力があってのことです。彼女達の努力があって初めてできる物語です。


 乃木坂46は私たちにどんな夢を見させてくれるのでしょうか、とても楽しみです。

いいなと思ったら応援しよう!