【詩】信じないという平安
地獄を見たあの日から、私に一つ諦めがついた。
もしこの世界の心理を詳細に著述するような人がいて、それがいかにも理にかなっているように思えて、私が感動したとき。
でももしかしたら、騙されてる可能性だってあるよね。
そういうときに思う。
別にこの人がいてもいなくても、もとの私の人生に戻るだけではないか。
騙される前の世界も案外いいよね。
そうなると騙されないんだなこれが。
じゃあ帰結するね、騙されるのは、変わらない世界がいやだと思ってる人たちだ。
もとの私の人生がいやだと思っている人たちだ。
別にこの人がいないところで、
私には私の、この何ともならない、けど確かな、世界があるのだ。
別にこの人がいなくたって、もとの日常に戻るだけではないか。