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詩シリーズ

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2025年1月の記事一覧

【詩】時間の差別はないな

【詩】時間の差別はないな

人のあたたかさというのは

その人が風雪を耐え抜いた後にする仕草そのものだ

その人は特段際立ったことを言うわけでもないので

みんなはあっちの華のあるきれいなお兄さんお姉さんの方に行くだろう

ただ20年30年くらい経ったあとかは知らないが

そのかつての若者がひとり家路についた時に

凛と咲く一輪の花のもとで

その私を見守った先人の愛に気づくのだろう 

早く気づけばよかったな

もっと知れ

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【詩】つながり

【詩】つながり

大切なあなたが大泣きした時にさ

それをまっすぐ抱きしめることができるのが

僕の憧れた大人たちがしていたことでさ

これはあなたが大泣きするからまっすぐ抱きしめるのか

まっすぐ抱きしめるからあなたが大泣きするのか

どっちつかずみたいなものでさ

これをもって思想の完成とはよくいったもので

大泣きという真実にはナルシズムが介入する余地がないから 

あなたが泣きたいだけ泣ける事実が嬉しくてさ

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【詩】誹謗

【詩】誹謗

誰よりも真面目だったひねくれた禅師は

己が死んだ後に弟子への手紙で

「心配するな なんとかなる」

と言い放ったそうだが

なんとか してえなあ

つまりみんななんとかなるかならないかで

いろいろ不調を抱えておられて

私が哲学や学問するのも

亡くなったあの子になんとかなるって言いたかったからなんだよな

なんとかならねえかなあ

なんとかならねえかなあ

いやあ、なんとかならねえかあ。

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【詩】抜けたあとはみなそれぞれ

【詩】抜けたあとはみなそれぞれ

泣きそう 泣きそうって あなたがよくいうから

私はちょっとそれが面白くて

ただ町を歩いているだけなのに

すぐ泣きそうっていうから

でもそれは決まって私が何かに喜んでいるときで

この人すぐに派生するんだなって思ったら

みんなが温かく見えるっていう

町の人へのとばっちりが私から出ていっちゃって

空は静かに、音を立てない

【詩】モテ術というか

【詩】モテ術というか

モテ術というか なんというか

彼女の前で僕がすってんころりん

彼女爆笑

僕幸せ

【詩】ピンからキリまで

【詩】ピンからキリまで

平凡な正義主義を持つ人間はぶっきらぼうな顔をして私に全く話しかけてくれなかったが

最後の最後の方に

「人並みには頑張った方がいい」そう言った

激烈な平和主義を持つ人間は私に会って早々

ダッシュで駆け寄ってきて「休め!」と血相を変えて言った

私は人間の幅を垣間見た

そして私は海に出かけた

【詩】人間になっちゃった

【詩】人間になっちゃった

大金持ちになれたらすごいし

20万を稼ぐこともすごい

10万を忙しく稼ぐこともすごいし

自らを守り部屋に籠ることもすごい

時としてくだらない笑いが出ることもすごい

フォーカスを少し遠くにしてみた

この突き抜ける青い天空の下では

みんな1人の人間になっちゃった

【詩】あっ

【詩】あっ

世の中にはちょっと頭のおかしな人がいて

人々って人から貪ることを考えているんだけど

与えることだけしか考えられない人がいて

私はその人を見たときに

あっ、て

【詩】ただただ

【詩】ただただ

いいよ いつまでも待つよ

大変な世の中だよ

ゆっくりしていいよ

できなくてもいいよ

いいよ それでいいよ

大丈夫だよ

【詩】知っていますよ

【詩】知っていますよ

知っていますよ

あなたは乗り越えてきたのでしょ

たくさんのことを

本当にたくさんのことを

空を見て懐かしい顔をするあなたの横で

私は幸せに涙を流します