神とは?
まず神とは何か?
スピノザはエチカにて「神とは、絶対に無限なる実有、言いかえればおのおのが永遠・無限の本質を表現する無限に多くの属性から成っている実体」(エチカ第1部 神について 定義六6より)と神を定義している。またトマス・アクィナスの神学大全では「『神』という名のもとに理解されるのは、何か無限に善なるものである。」(神学大全 山田訳 第2問第3項より)と定義している。アンセルムスは「 神ははそれ以上に偉大なるものが考えれないもの」と定義する。
つまり神とは超越的かつ無限の存在であり、全ての上位にあるものと定義することができる。この定義に照らせば、神たりえないものとは、有限 限定とすることだできる。例えるならばこの宇宙は壮大であるが、有限であるため、よって宇宙は神ではない。またある石ころを神として崇めていても、物質的であり、限定できであるため神ではない。
この世界に神はいるのか
伝統的なイスラム神学では「神いかなる空間にも神そのものは存在しない。なぜなら神は空間が創造される前から存在していたからだ」といったように考える。上にも下にも、宇宙の果てであっても高次元世界であっても神そのものはいない。
本体が存在しない空間に対しても自らの力を及ぼして全てのものに対する干渉が可能である。という性質こそ神が神たりえる所以である。