おいしい季節

私は今日も学校へ行きました。
8月9日である。
蝉の声と自分の脳みそを焦点距離を見定めるように、重ね合わせていって、自分の心だけが昭和の時代をさまよいはじめる。
外の青空は昭和の空。
雲は令和の時代よりも大昔に流れていたものです。
前にいる坊主は昔からそうでした。
彼のキザにセットした髪もそうなのかもしれない。
蝉は舞台装置のように私と脳みそで駆動し続けます。
蝉は仕事を休んでみたら死ぬのかな
鬱陶しいけど、少ないともだちです。
木の廊下をキシキシたてて歩くのは好きです
窓の霞も好きですわ
虫の亡骸をツンツク触っていたいです

こんなことをしていると、いつか足を踏み外すに違いない。
私は落っこちて、蝉は飛び立つでしょうね。
おいしくて甘い季節。


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