滝降る洞穴

小さく屈んでやっと入れるトンネルを抜けて
体育館のステージくらいの洞穴にたどり着く
木の板を立てかけただけの玄関に、
その反対に空いた大きな窓、
いい感じに出っ張ってる岩の凸凹を粘土で埋めたテーブル、
お菓子と飲み物を持ち寄れば
大人は知れない秘密時間
しかも滝がちょうどいいカーテンになって
窓から誰にも見られない
ここを見つけた時僕らはすごくわくわくした

今、滝側から窓のあるであろう辺りを見つめても
少年心はくすぐられるのをおさえるために走り出そうとしている
その浮きそうな足を無理矢理回れ右させて、
そちらへ走らせる

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