止まず降る情報

網から溢れんばかりに情報が増え続ける
間違いと間違いと間違いと、
勘違った多様性を免罪符に使って
必死に作り上げた正義の盾で圧殺する
息抜きの場すら混沌に塗り潰されていく

自身を他を
名前のついた箱に押し込んで満足する
安心する
違う箱に入れられようとすれば憤怒する
欲のために自分を偽って箱に入って満足する
その中の苦しみたちに目もくれずに
外の苦しみたちに耳も貸さずに
自分を守る自分専用の殻に見向きもしないで
自ら攻撃を生む
箱同士で戦争する
同じ箱にいるだけで無関係でも
被害者と加害者にされる
どちらでもなくてよかったはずなのに

循環する透明だったはずの空気を
体内で、世間内で、黒と白に塗って吐く
赤を足して色を足して
多彩にしようとして濁らせて
どんどん黒に近づける
この世を更に醜く作り直してく

生まれるが嘘なら
生きるが嘘なら
死ぬが嘘なら
少しは楽になれるのに

痛いが嘘なら
苦しいが嘘なら
楽なんて知らずに済んだのに

正義同士の戦いも
善悪の勝負も
全て嘘なのにそれを求む
正しさは嘘なのに人間はそれを求む
人間は嘘を愛すから
人間に近づく一心に嘘を愛す

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