そもそもジョーカー1作目もダークナイトもハマらなかった話
最近、ジョーカーの2作目「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」が大コケして評価も散々なのが話題だ。
ただ、僕からすると「今更?w」という感じはある。
タイトルの通り僕はジョーカー1作目、いやダークナイトの時点で大してハマらなかったからだ。
そもそもジョーカーというのはバットマンシリーズの最も有名なヴィランかつバットマンのライバルだ。
このバットマンをリアリスティックに描く路線を開拓し大ヒットしたのがクリストファー・ノーランのダークナイト三部作。
日本ではそんなにヒットしなかったシリーズではあるけど、特に2作目のダークナイトは批評家すら巻き込み絶賛されてアメリカでは特大ヒットを飛ばした名作である。
という事になっている。
というのもやはり僕はダークナイトの時点でハマらなかったからだ。
ダークナイトが傑作とされる理由はわかるにはわかる。徹底してリアルにこだわったプロット、ジョーカーの悪役としてのカリスマ性、故ヒース・レジャーをはじめとする俳優陣の名演ハンス・ジマーによる重厚な音楽と秀逸なシネマトグラフィーの数々。
ただね、リアルにこだわったところで、言うて
口元開いたマスクのコスプレおじさんが活躍する楽しい世界
なんですよw
その時点で現実ではあり得ないし、そもそもあんなゴツい防弾装備とバットヴィークル乗ってりゃ相当な金持ちだとわかるしすぐ身バレしますやん。
後つけりゃ一発ですやん。
みんな興味もあるだろうし。
あといくら強くても数で攻められりゃ普通に流石に負けちゃうよ。
というツッコミもあり、さらにジョーカーのカリスマ性にも疑問があった。
だって冒頭の銀行強盗にしろマフィアにしろ
「アホしかいないのか?」
と思ってしまう。
ジョーカーのカリスマ性というのはかなりのご都合主義と「悪者がジョーカー以外は間抜けである」という前提のもとで成り立っているに過ぎない。
あんなにマフィアを簡単に掌握できるわけはないからね。そんなに弱体化したマフィアならそもそもゴッサム・シティも汚職に塗れないだろう。
勿論そういう疑問をとりあえず抱かせないのがノーランの手腕なのかもしれないけど、
これが日本でも一部映画ファンに傑作、名作と評価されているのは疑問というか失笑でしかない。
スーパーヒーロー映画しか見た事ないのかな?と思ってしまう。
恐らくダークナイトを絶賛してる批評家も「スーパーヒーロー映画『にしては』」という枕言葉がつくのだけど、これをただただ「批評家も絶賛した名作」()と思っているスーパーヒーロー映画ファンに正直気持ち悪さすら感じる。
もっと映画と現実を見よう。
とまぁ、とりあえずノーラン三部作はそのリアル路線もあってヒットし、その路線はマット・リーヴス監督のザ・バットマンシリーズにも受け継がれ(こちらはなぜか好みなのだけど)
勿論ジョーカー1作目にも受け継がれた。
ただ、ジョーカー1作目はアーサーにカリスマ性が全く感じられず、僕の印象では
「才能もない可哀想な貧困家庭の弱者が、金持ちのいけ好かない人気司会者を殺す底の浅い下剋上ストーリー」
でしかないため、やはり僕の中での評価は低い。
あの司会者は確かに気に食わない奴だけど、
殺されなければならないほどの悪人か?
という議論や批判は全く起こらなかったのもむしろ怖かった。
とりあえずカンヌにしろヴェネツィアにしろ、映画祭は「貧困をリアリスティックに描けば賞を受賞する」ので、そうした傾向と話題性で大ヒットしただけの作品というイメージしかない。
と、いうわけで
リアルでないものをリアルに描こうとしても、かえって虚しい(その試み自体に何かテーマなりアンチテーゼなりがないと)
とやはり僕は思う。
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