ゼロ年代出身で最高のバンドArctic Monkeysの最高傑作は”Whatever people say〜”か”AM”か
ちなみに記事のタイトルにあるアルバムタイトルの正式名称は
“Whatever people say I am, that’s what I’m not”
(以下”Whatever〜”)
という長〜いタイトルです。和訳すると
「人が俺のことをどう言おうと、俺はそんな奴じゃない」
という。
最高のアルバムタイトルの一つですね。
もともとはイギリスの映画の「土曜の夜と日曜の朝」の中のセリフらしいんですけど。
さて、まずは知らない方のために一応Arctic Monkeys(アークティックモンキーズ、以下アクモン)について軽く解説するとですね、イギリスはシェフィールド出身の4人組バンドです。
デビュー前、当時まだ珍しくインターネットを活用して活動し話題を集め、まだ10代にして早々とインディーレーベルと契約し
上記の2006年発表の1stアルバムである”Whatever〜”はイギリスでミリオンを記録するほどの大ヒット
以下はアルバムからの1stシングル
“I bet you look good on the dance floor”
またしてもタイトル長いな
(音質の関係でMVではなくオーディオのみを載せます。気になる方はofficial videoをご覧ください)
これが世界でもヒットしアメリカでも米メタル界の大物メタリカの主催フェスに呼ばれるなど破竹の勢いを続け、ベーシストのメンバーチェンジ後の
翌2007年の2ndアルバム”Favorite worst nightmare”もヒット。
以下King Gnuの「一途」にも影響を与えたと有名なシングル”Brianstorm”
世界の音楽フェスでヘッドライナーを務めるようになり、以降今も務め続けている一流アーティストとなったバンドです。
その割に日本では知名度がイマイチだったりする理由や、当時のイギリスのインディーロック全盛期も含めて一度長く語ろうと思います。
そして本稿のタイトルにもある彼らのセールス面の最高作、5thアルバム”AM”は圧倒的に世界的な成功を収めました。
楽曲群のクオリティはアルバムからの1stシングル”R U mine?”からしてサイコーですし
他にも骨太なナンバー”Do I wanna know?”
軽快なリズムの“Why'd You Only Call Me When You're High”
(もうタイトル長いのはええて)
といったキラーチューンが目白押しで、その評価の高さもうなずけます。
実際、この”AM“は2013年発表ながら今に至るまでアメリカで配信等のランキングで年間トップ10にランクインしたりする程の人気っぷりです。
しかし僕がそんなバンドの最高傑作は何か、というタイトルにもある私的な結論を出すなら、記事の見出し写真からも明らかですね、”Whatever〜”です。
「セールス的にもキャリア最高である”AM“を最高傑作にしないなんてお前の耳は腐ってるのか?」
と言われそうですがちゃんと理由があります。
まずデビュー当時のアーティスト写真が記事の見出しのものなんですが、
この”AM“期のアー写がこちらです。
左から2番目がボーカルのアレックス・ターナーです。
髪型がめちゃくちゃダサくないですか?
めっちゃ似合ってねえし
しかもこれでロンドンオリンピックで歌ったってんだから、外国人には衝撃だったんじゃないでしょうか
ビジュアル的にもこのリーゼントの凄まじいダサさに衝撃を受け、受け付けませんでした。
ビジュアル面の負のメタモルフォーゼの原因として、
・好きな女をマッチョな男に取られて自分もそれに合わせた
・惚れた女の好みに合わせた
とか勝手に考えていました。ボーカルのアレックスはストレートですし、男の外見含めた印象がガラッと変わるのってほぼ女関連でしょう。
実際、調べたところ”AM“発売前の2011年、恋人のアレクサに振られたらしいですね。
アレックスはその3ヶ月後に突如リーゼントにしたらしくこの失恋が大いに関係していると思われ、
イェーイ、ほぼ正解だぜ!
(後出しジャンケンにしか思われんだろ)
さらにサウンドですが、確かに男らしく骨太でカッコいいんですが、やはりそれまでのどこかナイーブさが好きだったんでイマイチハマらなかったんですよね。
どうにも背伸びした感じがダサくも感じるというか。
無理してタフな男を演じてる感じがサウンドにも表れてる気がしてニガテです。
僕、人生に根性論はある面大事だとは思うんですが、マッチョイズムとかマチズモ嫌いなんでダメでしたね。
カッコいいとは思いますし今も”AM“の曲も聴きますが、そこまで好きなアルバムではないです。
やはり僕にとってのアクモンの最高傑作はデビューアルバムの”Whatever〜”なんですよね。
音の特徴として、英国特有のヒネったギターとつんのめるビートはまさにBRITISH ROCKですし。
若者らしくHIPHOPの影響を受けてて、それがサウンドにも表れてる。
レッチリや日本で言うなら当時のDragon Ashとはまた違うミクスチャー具合で新しかったですね。
何よりあのナイーブさと疾走感、焦燥感、ギターの咆哮。
10代にしか出せない輝きだったと思います。
多くの言葉はいりません。
以下はその”Whatever〜”から2曲紹介します。
町外れに立つ娼婦に複雑な感情を抱き、彼女を迎えに来る元締めの男に対する皮肉と怒りがこもった
“When the sun goes down”
彼女との待ち合わせに遅れてしまって、機嫌を損ねてしまった少年が必死に彼女にあの手この手で「機嫌を直して」と語りかける
“Mardy bum”
この初々しさと荒々しさは永遠のものだとすら思います。
ロックンロールの輝きがここにある。
もし、アクモンのアルバムを歴史に1枚しか残せないなら間違いなく
“Whatever people say I am, that’s what I’m not”
にするべきでしょう。
知らない方は是非聴き比べて最高傑作はどちらか決めてみて欲しいですね。
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