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【詩】秋の花

秋ぐちに咲いている花よ、花よ。
ほそ風にゆれて、たえ忍ぶか。
水をふくんだ、透明な、
水色の空のした。
まだ、昨晩には咲いていなかった
花よ、花よ。

いつしか茶色の小山がそこにあり、
かたわらに寝そべっていた花よ、花よ。
なまえは覚えてはいないけど、
幼子のつめのように、
小さくうるおい、
愛らしかった花よ、花よ。

野花はやがて見向きもされず、
下衆とともに冬をむかえ、
また秋ぐちを待つのかい。
花よ、花よ。

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