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地球の自転速度を遅くしていた中国の建造物
中国の三峡ダムは、地球の自転にわずかながら影響を与えています。この巨大なダムは、総容量が39.3億立方メートルの貯水池を形成し、約420億トンの水を保持しています。この水の質量が地球の自転に影響を与える原因となっています。
物理的には、このような大規模な質量の移動は、地球の「慣性モーメント」を変化させます。慣性モーメントとは、物体が回転する際の抵抗を示す値で、これが増加すると回転速度が遅くなります。三峡ダムが保持する水の質量は、地球の自転を0.06マイクロ秒(百万分の一秒の60分の1)遅くする効果があります。また、この影響で地球の形状もわずかに変わり、赤道部分が少し膨らみ、極地が平らになるとされています (Futurism) (HistoryUnfolded) (We Are Water)。
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これに加えて、三峡ダムは他の環境問題も引き起こしています。例えば、このダムの建設によって、1.3万人以上の人々が移住を余儀なくされ、地域の生態系にも大きな影響を及ぼしました。多くの動植物が絶滅の危機に瀕しており、特に淡水魚やその他の水生生物が影響を受けています (Wikipedia)。
しかし、これらの影響は非常に小さく、他の自然現象(例えば月の影響や地震)と比較すると、地球の自転への影響は微々たるものです。それでも、三峡ダムのような巨大プロジェクトが地球規模での物理的な変化を引き起こし得ることは、興味深い事実です。
なお、0.06マイクロ秒とは昨今の一般的なPCに搭載されてるCPUのシングルコアあたり約180命令〜300命令実行可能な時間です。