見出し画像

「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」展 in 東京国立近代美術館

火曜日に、竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」展に行ってきた。

(8月25日(日)まで)
・休館日:月曜日(ただし、7/15、8/12は開館、翌火曜日休館)
・巡回:大阪中之島美術館 4階展示室(9月14日(土)-12月8日(日))

パリ、東京、大阪-それぞれ独自の文化を育んできた3都市の美術館のコレクションが集結。セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、大阪市中心部に位置する大阪中之島美術館はいずれも、大都市の美術館として、豊かなモダンアートのコレクションを築いてきました。
本展覧会は、そんな3館のコレクションから共通点のある作品でトリオを組み、構成するという、これまでにないユニークな展示を試みます。

展覧会サイトより

TORIOは、3館であることと、3枚ずつ並べて展示するという展示方法の両方の意味を兼ねているんだな、とは思っていたが、さらに、
「TO」kyo(東京)、Pa「R I」s(パリ)、「O」saka(大阪)の文字を組み合わせて<TORIO>になっている!ということは、Le yuséeさんの記事を読んで初めて知った。

まず、関連する3枚の作品を並べての展示、というユニークな方法を考えた方には拍手を送りたい。鑑賞するのによい形かどうかはさておき、今までにない取り組みをすること、そのものがアートだと思うからだ。
作品の組み合わせとしては抜群の組み合わせもあれば、ちょっとこじつけ気味のものもある。素敵な作品もあれば、現代アートはちょっと苦手な私には見るに堪えないオブジェもあるが、展覧会全体としてはそこそこ楽しめた、という感じである。

110名の作家による150余りの作品で34のトリオが組まれ、7つの章に分かれている。
おおむね写真撮影可能だったが、あまり撮りすぎても後で訳が分からなくなるので、最小限にとどめた。
撮影した作品から全体の流れを追ってみる。

イントロダクション

左から
佐伯祐三《郵便配達夫》1928年(大阪)
ロベール・ドローネー《鏡台の前の裸婦(読書する女性)》1915年(パリ)
安井曽太郎《金蓉》1934年(東京)

郵便配達夫>は昨年の「佐伯祐三展」でも展示されていたので、記憶に新しい。トップにあることで期待感が。

Ⅰ 3つの都市:パリ、東京、大阪

モーリス・ユトリロ《セヴェスト通り》1923年(パリ)
長谷川利行《新宿風景》1937年(東京)
河合新蔵《道頓堀》1914年(大阪)


パリと大阪をアップで。

モーリス・ユトリロ《セヴェスト通り》1923年(パリ)

パリには行ったことがないけど、今ではどんな感じなんだろうか?当時と全く同じではないだろうけど、東京や大阪ほどは変わっていないのかも、という気がした。


河合新蔵《道頓堀》1914年(大阪)

道頓堀の景色は、今とどんだけ違うんだ!

Ⅱ 近代化する都市

モーリス・ユトリロ《モンマルトルの通り》1912年頃(パリ)
松本竣介《並木道》1943年(東京)
佐伯祐三《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》1927年(大阪)

今回一番のお気に入りは、ラウル・デュフィ《電気の精》1953年(パリ)
これはTRIOでなく単体で紹介。といっても7枚組だけど。

Ⅲ 夢と無意識

TRIOとして最も気に入ったセットは、こちら。パンフの表紙にもなっている。
辻永《椿と仔山羊》1916年(東京)
ラウル・デュフィ《家と庭》(パリ)
アンドレ・ボーシャン《果物棚》(大阪)1950年

辻永《椿と仔山羊》

子山羊の色合いが素敵。

ラウル・デュフィ《家と庭》&アンドレ・ボーシャン《果物棚》

シャガール、ダリ、マグリット、キリコなどの作品もあったが、今一つ。


Ⅳ 生まれ変わる人物表現

今回一番の呼び物TRIOは、
アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》1928年(パリ)
鉄萬五郎《裸体美人》(重要文化財)1912年(東京) [展示期間5/21-7/21, 8/9-8/25]
アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年(大阪)

アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》1928年(パリ)
鉄萬五郎《裸体美人》(重要文化財)1912年(東京)
アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年(大阪)

ここからはTRIOでなくランダムに紹介。

岸田劉生《麗子肖像(麗子五歳之像)》1918年(東京)&藤田嗣治(レオナール・フジタ)《少女》1917年(パリ)

同じくらいの年齢の少女を描いているけど、2人の画家の個性が光る。


藤田嗣治(レオナール・フジタ)《五人の裸婦》1923年(東京)
マリー・ローランサン《プリンセス達》1928年(大阪)


Ⅴ 人間の新しい形
Ⅵ 響きあう色とフォルム
Ⅶ 越境するアート

色合いはいい、と思ったけど、どなたの作品かわからなくなった。

現代に近くなると、なんだかな~という作品が多い中、この椅子は綺麗。

倉俣史朗《Miss Blanche(ミス・ブランチ)》デザイン1988年/製作1989年(大阪)
奈良美智《In the Box》2019年(東京)


お土産売り場には、様々な作品のTシャツがあったけど、すべてLサイズで白地なので、買わなかった。Mサイズ黒地だったらなあ。
他に欲しいものも見当たらず、というわけでお土産はなし。


いいなと思ったら応援しよう!