あ、最近蛙化したからちゃんと経緯を説明するね

彼との出会いはTwitter
悩み相談をしている彼のアカウントに私がDMで相談した事がきっかけで知り合った

顔も知らない誰かに縋りたいほど疲弊していた当時の私は話を聞いてもらえるだけでありがたく、何度か相談するうちに仲良くなったのだ

相互フォローしてるだけの仲からDMで相談する仲、そしてLINEを交換しお互い暇な時に電話をかける仲までになった

彼と知り合ってから5年間、今だに関係が続いている

5年にもなると声を聞くだけでその時の調子や、いる場所くらいは何となく分かるもので

出会った時に19歳だった私は今年でもう24になる

段々と結婚を考える歳になるが
正直彼と結婚したいと思っていた

“もしもし”と電話に出ただけで
“おおどうした、なんか嫌な事あった？”
と言える人は彼以外にいない

とは言え住みも年齢も、何から何まで違う彼
しかも、会った事すらない

会ってみたい気持ちはある。
でも会って関係が後退する可能性があるならやっぱり、と色々考えてしまうのだった

彼がフォローをしていない別のアカウントで彼に対する愛は爆発しており
誰が見ても痛いアカウントが誕生するほどだ

“付き合ってすら無いけどはやく結婚して欲しい”

“今年32歳のおっさんのこと、結婚したいくらい好きなんですけど誰が相談乗ってくれません？”

など、他にも投稿を挙げたらキリが無い
そしてまあまあな歳の差ではある

そして昨日投稿した一言
“はやくあさひ君と結婚したい”

投稿から1時間後、彼からの不在着信と“え？”というLINE

もしや

バレた

実名を出したのは先ほどの投稿が初めてだが
この不穏なLINE

バレている気がする

このアカウントで彼のアカウントを数回検索した事があるが、これが良くなかったか？

バクバクと音をたてる心臓を押さえながら彼のトーク履歴を既読を付けず見る

とりあえず電話に出れなくて良かった
投稿を見たなんて言われたら間違いなく発狂する

流石に投稿内容で自分のアカウントじゃないと嘘を言うのは無理があるし

あの投稿嘘で、別に好きじゃ無いんだよね〜と言った所で痛い奴に変わりもない

詰んだ

嫌われる

なんだこの状況

かなりキツイ

とにかく今の自分を落ち着かせないと

若干震えている指を動かし友達に電話をかけ、事情を説明する

「キモ」

「全然自分が1番分かってる」

「いや、逃げようとする姿勢が無理だわ。
好きなら好きってちゃんと言いなよ」

「今の関係のあさひ君が好きなの。あと別れる可能性あるならもう付き合う飛ばして結婚したい。離れたくない」

「キモ過ぎ」


散々罵倒されなんとか冷静を取り戻す事に成功、次の日の電話は出る事にした

あの投稿に触れる事はなかったが、確実にいつもと違う口調と喋り方。
まるで愛猫を愛でているような、デレデレした感じがする


「なんかあったの？いつもと違う。
愛猫でも愛でてるみたいな」

「いや？別に？
まぁ強いて言うなら雨湯尓の事愛でてる」


まぁ、そんな感じはした
いつもの彼が好きなんだけどな

これ絶対私の事女として意識してる時の声だ

気持ち悪い

遠くから見ると綺麗なものでも近くに来ると醜く見える物があるように

友達として私のことを好きでいてくれた彼、だから好きだった

彼は前の距離感だから素敵に見えていたのだ

てかこいつ、私の好意を知ってから自分の好意出してきたよな

お前が好きなら俺も好きだぜ
みたいな

なにその相手主軸の考え方
自分の意思無くない？
そんなんで出された好意嬉しくないんだけど
というか寧ろ不快

出すなら私より先に出せよ
てかなんで急にそのレベルの好意出せるの？
ずっと性的に良いな思ってたって事？
隠して興奮してた的な？それは引く。

心中で悶々と考えるうち、彼のどこを好きだったのかすら分からなくなってしまった

まぁ、良いや。

この先友達でいれるかも分からないけど
私の気が変わったらまた連絡するね

続。？