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27.後輩へ伝えたいことは何か?新入社員フォローアップ研修より

4月に新入社員研修を受講した15名が3ヶ月後の7月にフォローアップ研修で再会しました。

4月は「期待と不安」でいっぱいでしたが、今は仕事に少しは慣れたものの「自信と迷い」があるようです。

入社してまだ3ヶ月の短い職場経験をもとに、4〜5人のグループに分かれてこれまでの自分の体験を思い出し、悩みや失敗や成功したことを話し合いました。

各自の貴重な体験はグループ内の共通の話題となり、お互いに話しが盛り上がりみんなで情報を共有することができました。

例えば、作業方法がわからなくなったら、必ず確認すること、特に聞いたら恥ずかしいとか、もしわけないとか、思わないで遠慮せず聞くことが大事だ、などなど。

グループ討議のまとめとして、来年、後輩が入社したらぜひ伝えたいこと、後輩に参考になることを白板に書きました。

しかし、あるグループの一人(Aさん)だけが自分のまとめができず困っている様子でした。なぜ困っているのかAさんに聞いてみました。
「Aさん、後輩へ伝えたいことはなんですか?」と質問したら、「今の仕事なんですけど、前は一階の作業場で検査の作業していたんですが、同じ作業ですが、場所が二階に移動になりました。二階に移動した理由は二階のメンバーの欠勤があり、それで私が移動したんです!」

どうやら、一階で検査していたのに二階に場所が移動になったのがAさんの体験のようです。

「上司から二階に移動することは事前に説明はありましたか?」と質問したら、「はい、派遣社員の人が休んだため二階に移動するように!」とのことでした。
その後一階に戻ると思っていましたが戻ることがなかったのでした。

「という事は、Aさんが前の一階の職場にせっかく慣れたのに、なぜ私が二階に移動しなければならないのか?といういやな体験ですね」、とAさんの気持ちを受け止めました。

Aさんは、「そうなんです!私を新人だと思って、移動させ易いと思って移動させたようなんです」

Aさんの言い分がグループ内に理解されていましたが、Aさんのいやな体験から、「Aさんの後輩に伝えたい事は何か?」が決まっていませんでした。

他のグループはすでに討議が終わりましたが、Aさんのグループだけがなかなか討議が終わりません。

そこで、このグループに対し講師の出番がありました。

Aさん以外の方へ質問します。「Aさんの職場で、仕事の変更や場所の変更を指示されたんですね。せっかく慣れた仕事や慣れた場所なのに、別の仕事や別の場所へ変更になった時にAさんが対応できたと言うこと、ですよね。Aさんとしては最初は抵抗がありましたが、変更に対しては柔軟に対応した、という事ではないでしょうか?
Aさん以外は全員が、Aさんの対応の良さを評価しています。

講師からの助言ですが、仕事ではレイアウト変更、作業変更、設備変更、人の変更は頻繁はあります。
その場合、変更理由や目的を理解し、いろんな変更があった場合は柔軟な対応しましょう。

グループのみなさんは気づかなかった「柔軟な対応力!」これって後輩に伝えられると思いませんか?
Aさんの二階への移動体験(嫌なこと)は、貴重な体験として後輩に伝えられると思いますよ。

グループ討議もようやく峠を越えたようです。
そしてグループの発表の時間です。

Aさんの「後輩へ伝えたいこと」の事例では大きな拍手が起こりました。

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