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「クロスオーバー・ブレイカーズ」新規テーマ【M∀LICE】の考察と解説

お久しぶりです。むらかみです。

前回のnote以降、およそ半年ぶりの執筆になります。

あれから色々と忙しく、更新が遅くなりました。
いつも読んでくださってる皆さま、本当にありがとうございます。

今回初めて読むよという皆さま、ぜひ最後までお読みいただければ嬉しいです!

さて今回は8月24日に発売された「クロスオーバー・ブレイカーズ」にて
登場した新テーマ【M∀LICE】の考察、解説記事
になります。

発売から1か月以上経ってしまいましたが、その分【M∀LICE】の強みや弱みなどをじっくり考察し、
先日の禿鷹CSではなんとか優勝することもできましたので、執筆することにしました。
プレミもめちゃくちゃしました。

なぜ私が【M∀LICE】を選択したのか、環境での立ち位置などを解説していこうと思います。

少しでも【M∀LICE】に興味がある、もしくは【M∀LICE】への理解を深めて
対戦の質を高めたいという方の一助になればと幸いです。

私のnoteでは以下の通り表記いたします。
・正式名称
・【デッキ名】
・『カード名』
・《テーマ名、ギミック名》

誤字脱字があった際にはこっそりご連絡いただければ助かります。



●【M∀LICE】における10月リミットレギュレーション考察


10月のリミットレギュレーションの改定により、
《デモンスミスギミック》全体と、【スネークアイ】、【ユベル】に大幅な規制が入ることになりました。

一方で9月からシェアを伸ばしていた【ライゼオル】へは『篝火』だけが制限となり、
10月以降も環境上位であることは疑う余地がありませんでした。

そんな中で【M∀LICE】において影響が大きかったものは以下の2枚です。

『増殖するG』準制限

【M∀LICE】にとっては『アーティファクト・ロンギヌス』の次に重い誘発でしたが、
準制限となり、かなり追い風になりました。

『封印の黄金櫃』準制限

【M∀LICE】の召喚権を使わない1枚初動がまさかの緩和になり、
明確なバフ
を受けることになりました。

特にこのカードを引いていればほぼ確実に『召命の神弓-アポロウーサ』を成立させて
『原始生命態ニビル』をケアしながらの展開が可能
となり、
また、無効系誘発を貫通することも可能となるため、【M∀LICE】の安定性を大きく向上させる緩和となりました。

正直これがなければ【M∀LICE】を使っていなかったかもしません。

以上のことにより、【M∀LICE】には追い風が吹いています。
次の項目から詳しく【M∀LICE】についての解説をしていきます。

●【M∀LICE】ってどんなデッキなの

【M∀LICE】はサイバース族主体のデッキであり、展開系に属するデッキです。

サイバース族であるが故に、『スプラッシュ・メイジ』や『ファイアウォール・ドラゴン』、『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』
などの強力な展開力と、妨害性能を誇るカードを採用することができます。

また《M∀LICE》下級モンスターの共通効果として、
除外された場合に300ライフポイントを支払うことで除外から特殊召喚が可能になっており
主にこの効果を用いてリンク値を稼ぎ、前述したサイバースリンクを活用し、盤面を形成していくデッキです。

そして何より私が【M∀LICE】を使うきっかけになったのは圧倒的なイラストアドバンテージ
基本展開をすれば十分な妨害を前と後ろと墓地に用意でき、後続も確保できることです。

現代遊戯王において、この妨害場所が散っていること、後続の確保という点は非常に重要で
これは私が【ライゼオル】を選択しなかった理由
でもあります。

次の項目ではそんな《M∀LICE》のカード達を性能に触れながら紹介していきます。

〇【M∀LICE】のカード紹介

『M∀LICE〈P〉White Rabbit』

【M∀LICE】デッキの1枚初動かつ、相手ターンに妨害を確保できるカードです。

現状《M∀LICE》下級モンスターの中ではこのカードのみ召喚・特殊召喚時の誘発効果を有しており、
墓地に同名カードが存在しない「M∀LICE〈C〉カード」をセットすることができます。
主に先攻1ターン目に『M∀LICE〈C〉TB-11』をセットし、相手ターンに『M∀LICE〈C〉MTP-07』をセットすることで初動と妨害に使います。

初動としては後述する『M∀LICE〈P〉Dormouse』のほうが優秀ではありますが、
相手ターンに特殊召喚して強い《M∀LICE》下級モンスターとなっています。
ちなみに人気投票アンケートの結果は3位でした。

『M∀LICE〈P〉Dormouse』

【M∀LICE】デッキの最強初動です。
『M∀LICE〈P〉White Rabbit』とは異なり、
起動効果ではありますがデッキから《M∀LICE》モンスターカードを除外することができます。

この効果でほかの《M∀LICE》下級モンスターを除外することでリンク値を追加することができるため、展開の要と言えるカードになっています。

また《M∀LICE》下級モンスターのもう一つの共通効果として、このカードをリンク先とする《M∀LICE》リンクモンスターに様々な効果を付与できますが、
『M∀LICE〈P〉Dormouse』をリンク先とする場合、効果破壊耐性を付与できるのも強いポイントです。
ちなみに人気投票アンケートの結果は1位でした。

『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』

【M∀LICE】デッキの中では少し使いづらさがあるものの、【M∀LICE】の強さの根幹になっているカードでもあります。

そんな『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』は起動効果で手札の《M∀LICE》カードを除外し、デッキから2枚ドローすることができます。
このドロー効果がかなり強力であり、かつ手札の《M∀LICE》カードを除外できるため、
ドローしながら展開を伸ばすことが可能になります。
これがなにより強い。
人気投票アンケートの結果は4位でした。

ちなみに残った2位は『ドット・スケーパー』でした。

『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』

《M∀LICE》リンクモンスターの中で一番展開に絡むカードであり、
特殊召喚成功時に《M∀LICE》魔法カードをサーチすることができます。
この特殊召喚成功時という点が強く、相手ターンに除外して帰還した際にも発動するため、
後述する最強フィールド魔法『M∀LICE IN UNDERGROUND』を確保することができます。

また、《M∀LICE》リンクモンスターは除外からの帰還時にも効果があり、
このカードが帰還する際にはデッキからサイバース族モンスターを除外することができます。
このサイバース族モンスターを除外する効果で、第4の《M∀LICE》モンスターである
『ドット・スケーパー』を除外してリンク値を伸ばしていく
ことになります。

『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』

このカードは特殊召喚成功時にお互いの墓地から3枚までカードを対象にとり、除外することができます。

この除外効果は基本的に自分の《M∀LICE》モンスターを除外することで、展開を伸ばす役割を持ちながら、
相手の墓地のリソースを消す妨害効果としても機能します。

また、『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』とは異なり起動効果も有しており、
デッキ;墓地から「M∀LICE〈C〉カード」をセットする
ことができます。
墓地からもセットできるため『M∀LICE〈P〉White Rabbit』の上位互換的な効果です。

基本的には『M∀LICE〈C〉GWC-06』をセットし、相手ターンの妨害、リソースを確保することになります。
この効果が強く、【M∀LICE】の前後分かれた妨害と継続したリソースの確保を支えるものになっています。

また、このカードも例に漏れず帰還時にも効果があり、1ドローすることができます。
手札誘発が強力になっている現代遊戯王において1ドローの価値は高く、
準制限になった『増殖するG』を引く確率も上がるためかなり強力な効果
になっています。

『M∀LICE〈Q〉HEARTS OF CRYPTER』

【M∀LICE】の中では唯一単体で妨害の役割を果たすエースモンスターです。

とはいえ前述した2体のリンクモンスターと異なり成立条件が難しくなっていること、
展開には絡まないことから見かける機会は若干少ないカードでもあります。

帰還時効果も攻撃力が2500上がるだけですので、ここも少し見劣りはするのですが、
誘発即時効果として、除外状態の《M∀LICE》カードを対象にとり、デッキに戻しながらフィールドのカードを対象を取らずに除外できます。

またこのカードのリンク先にモンスターが存在する場合、発動と効果が無効にならないという耐性を獲得するため、
除去においては【M∀LICE】の中でも群を抜いているといっていいでしょう。 

『M∀LICE IN UNDERGROUND』

現状唯一の《M∀LICE》魔法カードです。
このカードは発動時の処理として、デッキ・墓地から《M∀LICE》カードを除外することができます。

能動的に墓地の《M∀LICE》カードを除外できるのは『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』と
このカードのみ
のため、墓地に落ちた『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を除外することができる唯一のカードでもあります。
このあたりの展開については後ほど展開例の動画でご確認ください。

またデッキからも除外できるため、初動兼貫通札としての役割を果たしており、
このカードも【M∀LICE】の手数の確保、貫通力の強化として大きな下支えをしています。

『M∀LICE〈C〉GWC-06』

「M∀LICE〈C〉カード」の共通効果として、フィールドの《M∀LICE》モンスターを除外してセットしたターンでも発動が可能です。

この共通効果はこのカードではあまり使いません。
主に妨害の捻出、後続の確保のために使用するカードです。

このカードを相手ターンに発動し、
墓地の『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を蘇生。
『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』の効果で
『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』を除外(この時相手の墓地のカードを2枚まで除外することもできます)

『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』の帰還時効果で『M∀LICE〈P〉White Rabbit』を除外し、
『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』の成功時効果で返しの手数である『M∀LICE IN UNDERGROUND』をサーチしながら、
『M∀LICE〈P〉White Rabbit』の効果で後述の『M∀LICE〈C〉MTP-07』をセットし、妨害兼リソースを確保します。

このように相手ターンにも展開ができるようになるため、先行盤面では最優先で確保したいカードになっています。

また「M∀LICE〈C〉カード」には追加効果があり、このカードは処理後に《M∀LICE》リンクモンスターがいれば、その攻撃力分のライフポイントを回復することができます。

基本的に先攻では《M∀LICE》下級モンスター3体+《M∀LICE》リンクモンスター2体の帰還時コストとして2700のライフポイントを失うため、
この回復効果はかなり沁みる
ものになっています。

『M∀LICE〈C〉MTP-07』

このカードは《M∀LICE》モンスターをサーチするカードです。
とてもシンプルな効果ではありますが、追加効果として《M∀LICE》リンクモンスターが自分フィールドに存在する場合、
フィールドのカードを1枚選んで除外する
ことができます。

前述の通り相手ターンに帰還させた『M∀LICE〈P〉White Rabbit』でセットすることになるのですが、
共通効果でセットしたターンでも発動が可能なため妨害兼リソース札として重宝します。

先攻でも《M∀LICE》下級モンスターに対する無効系誘発などの対象を取るカードを逃がす役割もあるため、器用なカードです。

『M∀LICE〈C〉TB-11』

このカードは《M∀LICE》モンスターをデッキから効果をエンドフェイズまで無効にして特殊召喚するカードです。
後段で紹介する展開動画でも紹介しますが、『M∀LICE〈P〉White Rabbit』からの1枚初動で使用したり、とにかく展開の伸ばすためのカードです。

共通効果で帰還していない《M∀LICE》モンスターを除外することでリンク値を伸ばしていくのが主な役割となります。

追加効果は相手フィールドにカードが3枚以上存在する場合に、エクストラデッキからも特殊召喚が可能となり、
前述の『M∀LICE〈C〉MTP-07』の追加効果の条件を満たせるようになります。

また効果無効がエンドフェイズまでとなっているため、相手ターンに出した『M∀LICE〈P〉Dormouse』や『M∀LICE〈Q〉HEARTS OF CRYPTER』の効果を自分のターンから使用可能となる点も結構便利だったりします。
覚えておいて損がない効果ですし、忘れるとまずい効果だったりもします。
ちなみに私は忘れていて負けました。

長くなりましたがカード自体の紹介が済んだので、では実際にデッキとしての【M∀LICE】の評価、強みと弱みについて触れていきます。

●【M∀LICE】の強みと弱み

〇強み

・妨害の場所が分かれている

『召命の神弓-アポロウーサ』やサイバースリンクモンスターによる前の妨害
『M∀LICE〈C〉MTP-07』などの後ろの妨害
『サイバース・ディセーブルム』などの墓地の妨害
『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』や『闇の誘惑』などから引く手札誘発
『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』による墓地利用阻害
『コード・オブ・ソウル』による相手ターンリンク

このように妨害の場所がかなり分散しています。
最近流行っている『月女神の鏃』で前の妨害を剥がされても、
墓地の『Evil★Twin’s トラブル・サニー』を『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』で除外するなど生半可な捲り札では対処されない強さを誇ります。

・ギミック内でドローが加速する

後段の展開動画でも触れますが、基本展開として3枚のドローが可能となっているため、
手札誘発を引きやすくなり、手数の捻出も可能
となります。

サイドチェンジ後では必要なカードも引きやすくなるため、マッチを通しての勝率も期待できます。
これは他の環境デッキにはない明確な利点
です。

・手札誘発への対応能力が高い
『増殖するG』と『アーティファクト・ロンギヌス』以外に対してはかなりの貫通力を有します。
それも前述の通りドローが加速する点から『墓穴の指名者』を引きやすいこと、追加の手数を用意しやすいことが要因です。
仮に展開が止まったとしても手札には誘発が多く残ることになるため、ゲームを有利に進めることができます。

・後手性能が高い
基本的にサイバース族のエクストラを活用するため、『アクセスコード・トーカー』などのパワーカードを容易に成立させることができ、
『アクセスコード・トーカー』で除外した『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』が勝手に帰ってくるためライフカットの速度がとても速い
です。
この点も【ライゼオル】などにはない強みだと思います。

〇弱み

そんな【M∀LICE】ですがもちろん明確すぎる弱点が存在します。

・『アーティファクト・ロンギヌス』が重すぎる
えー…無理です。
このカードをスタンバイに投げられるだけで、そもそも展開ができなくなりますし、
『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』や『闇の誘惑』などのドローソースを回して手札誘発を揃えて相手ターンに備えるという動きができなくなります。

似たようなクリティカルカードとして【ライゼオル】に対する『次元障壁』が挙げられますが、
『次元障壁』とは異なり、こちらが先攻でも発動されてしまいます。

もちろん相手が先攻の場合でもしっかり採用してくるため、『アーティファクト・ロンギヌス』というカードに対してどのようなプランを選択するのかという点が
【M∀LICE】を使用するうえで一番重要なポイント
となってきます。

さて、ここまでで一通り【M∀LICE】についての前提知識はお伝え出来たかと思うので、
実際私がCSで使用したリストと、考えていたプランについて次の項目で触れていこうと思います。

●参考デッキリスト

今回紹介するのは私が考えて解説できるもののみとなっています。
【サイバース軸M∀LICE】なども台頭し始めていますが、今回は割愛いたします。

〇【誘発型M∀LICE】


●【誘発型M∀LICE】の解説

〇メインデッキ採用カード

『M∀LICE〈P〉White Rabbit』3枚

1枚初動のため3確定です。
語ることも特にないです。

『M∀LICE〈P〉Dormouse』3枚

同じく1枚初動のため3確定です。
語ることも特にないです。

『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』3枚

このカードには枚数について解説していきます。
今回のプランは『闇の誘惑』を採用し、ドローを回すことを前提としています。
組み始めた時には1枚初動でもないし、そんなに枚数は取らなくてもいいだろうと考えていました。

しかし、『M∀LICE〈P〉Dormouse』と合わせ引きしている場合には
『原始生命態ニビル』をケアした展開が可能
なこと、
『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』2枚引きでも展開が可能なこと、
手数を生みだせるカードとしてどんどん評価があがり、
1枚から2枚、2枚から3枚と枚数が増えていきました。

今となっては3以外ありえないとまで思えるくらいのパワーを感じています。
上記2枚が1枚初動として高い性能を誇るカードとすれば、
このカードは合わせ引きとして最高の性能
を誇っています。

『ドット・スケーパー』1枚

4種類目の《M∀LICE》モンスターです。
ただ問題もあり、素引きした場合には展開が歪む可能性があります。
召喚権を使わずに展開をスタートすることを心掛けたほうがよかったりします。

『コード・オブ・ソウル』1枚

基本的に『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』で落とすカードです。
しかもこのカードはフィールドにリンクモンスターがいれば勝手に出てきてくれるため、手数としても非常に優秀です。
小回りも効きますし文句なしのカードですね。

『深淵の獣マグナムート』『深淵の獣ドルイドヴルム』『深淵の獣バルドレイク』各1枚

これらのカードは一応手札誘発ではありますが、【M∀LICE】においては展開札としての役割が大きいです。
特に初動の《M∀LICE》モンスターに無効系誘発を受けた場合の貫通札として機能
します。

また、『M∀LICE〈C〉GWC-06』に対して『墓穴の指名者』で『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を除外された場合に
相手ターンのリソースと妨害の確保手段が奪われてしまうため、そのケア手段としても活躍
します。

また【ライゼオル】対面においては無類の強さを誇り、
『深淵の獣バルドレイク』は相手の『ライゼオル・デュオドライブ』を除外したり、
『深淵の獣ドルイドヴルム』は『ライゼオル・デッドネーダー』の破壊耐性を貫通して墓地に送ることができます。

貫通札としての性能も高いのですが、『M∀LICE IN UNDERGROUND』などの初動の際に受ける無効系誘発には貫通札としての役割を果たさないので注意が必要です。

『エフェクト・ヴェーラー』3枚

今回『ドロール&ロックバード』ではなく、こっちを3枚採用しました。

採用理由としては【ライゼオル】の先攻展開のプレイが人によって分かれていたことから
安直な『ライゼオル・デュオドライブ』先出し展開を止めたいという点

【M∀LICE】ミラーやその他のデッキを見た際に一定以上の効果を見込める点、
ドローで2枚以上同名カードを引いた際にターン1制限がなく、ドローのバリューを落とさない点を評価しました。

『原始生命態ニビル』1枚

『エフェクト・ヴェーラー』との採用枚数を最後まで悩んでいたカードです。
結果的に関西の上位プレイヤーは先に3素材の『ライゼオル・デッドネーダー』を成立させてから『ライゼオル・デュオドライブ』を立てていたので
ここの枚数については考え直してもいいのかなとも思いました。

ただ前述の通りドローのバリューが下がる可能性がある点、
通常召喚をしてリンク値に変換できない点などを考慮して1枚
の採用に留めました。

普通に『ライゼオル・デュオドライブ』から立てられたら問答無用で腐るのも憂慮した結果の枚数です。

『M∀LICE IN UNDERGROUND』3枚

2枚でいいという意見も散見されるカードですが、個人的には3枚必須だと考えています。
というのもこのカードは先攻1ターン目と、相手ターンにサーチする2枚は必須となっているからです。

その中で『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』のドロー効果を使用する際にこのカードを除外するというシーンがみられ、
そうすると枚数が足りなくなってしまい
ます。
初動であり、追加の手数でもあるため3枚必須だと判断しました。

『封印の黄金櫃』2枚

初動であり、追加の手数です。
このカードの緩和により大幅なバフを受けたので1枚にする理由もありません。

『闇の誘惑』2枚

ドロー兼手数の捻出を行える神カードです。
一方で今回一番枚数について頭を悩ませたカードです。
本当は3枚にしたいカードでした。

ただ、今回の構築において闇属性のカードは12枚であり
そのうち除外したいカードは9枚しかなく、
この9枚については『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』や『M∀LICE IN UNDERGROUND』でも除外できる点から、
重ね引きしすぎても困るというか、除外効果が無駄になってしまう時がありました。

そうするとこのカードの手数を捻出できるという利点が薄れてしまうため1枠を次に説明するカードに譲りました。
《深淵の獣》が誘発貫通カードにならなくなる点も少し気になりました。

『サイバネット・マイニング』1枚

前述の『闇の誘惑』から1枠を譲ってもらったカードです。
このカードも初動兼貫通札としての役割を担います。

ターン1制限があり、手札コストも要求することから『闇の誘惑』よりも明確にパワーは劣りますが、
『アーティファクト・ロンギヌス』を受けた際に明確なアドバンテージを有しているため採用
に踏み切りました。
手札に来た『ドット・スケーパー』を処理するという地味だけどこのカードにしかできない役割も果たしてくれます。

『M∀LICE〈C〉GWC-06』
『M∀LICE〈C〉MTP-07』
『M∀LICE〈C〉TB-11』 各1枚

1枚ずつあれば問題ないので最低枚数の採用に留めています。
素引きしていた際に多少誘発の受けが良くなる場合もありますが、とはいえ引いて嬉しいカードでもないのでこの枚数で問題ないでしょう。


次は不採用としたカードについても解説していきます。

〇メインデッキ不採用カード

『ドロール&ロックバード』

ドローカードを連打し、このカードを引いて相手の『増殖するG』を機能不全にするという役割があり、攻めのカードとしての評価はかなり高いカードです。

しかし、基本展開においては『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』のドロー効果を使う前に特殊召喚回数を稼いでしまうこと、
その前にこのカードを発動してしまうと、そもそもドロー効果を使えなくなってしまうことが気になり、
【ライゼオル】対面を想定した場合手札が-1している状況の『ライゼオル・デッドネーダー』が重すぎるため、誘発としての評価も低く
そもそも【M∀LICE】ミラーだとなにも起きなすぎるので、まぁなしかってなりました。

これは前期の【デモンスミススネークアイ】でも私がこのカードを採用しなかった理由と同じです。
枚数の減った『増殖するG』だけを見てメインデッキに弱いカードを3枚採用するという行為にかなり懐疑的な思考をしているため、結構早めに抜けていきました。

『テラ・フォーミング』

初動と貫通札を増やす役割があるカードですが、【M∀LICE】における追加の手数は《M∀LICE》下級モンスターを除外することで捻出するわけですが、
『闇の誘惑』や『封印の黄金櫃』、《深淵の獣》などすでに貫通札を十分に用意できていると判断しており、
すでに1枚『M∀LICE IN UNDERGROUND』を素引きしている場合には2ターン目開始時にはデッキから消えています。

初動も足りないと感じることがなかったので、デッキ枚数を41枚にしてまで採用するほどのパワーは感じませんでした。

『霊王の波動』

当初3枚採用していたカードです。
ただし環境的に相性が悪く、特に【ライゼオル】対面においては制約の割に効果が薄いと判断してメインでの採用を取りやめました。

今後【M∀LICE】のシェアが【ライゼオル】を上回るようになればメインへの採用を視野に入れていこうと思っています。

〇サイドデッキ

『マルチャミー・フワロス』3枚

メインではなくサイドでの採用です。
先攻ではドローのバリューが下がるため、後攻の時にだけ使いたいのでサイドに落としました。

『アーティファクト・ロンギヌス』3枚

【M∀LICE】ミラーで採用します。
ミラーはこのカードの投げ合いになるので先攻後攻問わず採用します。

『月女神の鏃』3枚

【ライゼオル】を重く見ての採用です。
基本的にこのカード1枚で盤面が解決できるため採用しています。
特に触れることのないパワーカードかと思います。

『ハーピィの羽根箒』1枚

とりあえず入れたお守り枠のカードでした。
引かなかったので評価できないですが、弱いカードではないと思います。

『三戦の号』1枚

『アーティファクト・ロンギヌス』、『増殖するG』への回答として採用した1枚です。
基本的にこのカードと『墓穴の指名者』、このカードから持ってくるカードで
合計5枚以上を確保し、枚数有利をとれるように設定しました。

『次元障壁』1枚

枚数を増やしてもよかったですが、【ライゼオル】以外の対面を想定した場合
もう少し幅広い対面を見れるカードを採用したかったので、今回は1枚のみの採用です。

『嗤う黒山羊』1枚

前述の通り幅広く見れるカードとして採用したカードです。
【ライゼオル】に対しても強力で『ライゼオル・デュオドライブ』などを宣言し、
自分のターンには『ライゼオル・デッドネーダー』を宣言する
ことで勝ちを目指します。

とにかく『アーティファクト・ロンギヌス』を受けた際に少しでも次ターンを取り、墓地から相手が立てた妨害を無効化できるカードとして現状のカードプールの中ではかなりいいカードだったと思います。

『霊王の波動』1枚

すべての対面の後手で採用します。
【ライゼオル】に対しても採用します。
というのも、今のサイドプランとして『アーティファクトの神智』が幅広いデッキで採用されており、それに対する解答として、
そして普通の手札誘発としてもそれなりの活躍が見込まれた
ためです。

『次元障壁』が刺さらないデッキに対しては先攻でも採用します。

『レッド・リブート』1枚


1枚でゲームを終わらせるパワーがあるため採用しています。(リンクス並感)

〇エクストラデッキ採用カード

『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』
『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』
『M∀LICE〈Q〉HEARTS OF CRYPTER』各1枚

それぞれ1枚で十分です。2枚目が欲しくなる瞬間もなかったので問題ないでしょう。

『リンク・デコーダー』1枚

このカードのおかげでしっかりリンク値が伸びます。
『原始生命態ニビル』ケアの際にも必須となるため当然の採用です。

『リングリボー』1枚

レベル4以下のサイバース1体でリンクできるカードです。
このカード本体の効果が非常に強力で、『無限泡影』や甘えた『アーティファクトの神智』、『霊王の波動』などをケアすることができます。
必須枠。

『転生炎獣アルミラージ』1枚

このカードは自由枠です。今回の構築では召喚権で相手の誘発を貫通することもプランの一つとしていたため、
すべての誘発をサイバース族に変換するためのカードとして採用しました。使用感は悪くないです。
ここの枠はメインに入っている誘発の種類によって変わる枠かと思います。

『スプラッシュ・メイジ』1枚

展開に欠かせないカードです。
このカードの効果使用後にはサイバース縛りがつくことをお忘れなく。
2枚目が欲しい瞬間がなかったので1でもいいかなというのが現状の評価です。

『S:Pリトルナイト』1枚

制限カードですので1枚の採用です。
『盛悴のリザルドーズ』かこのカードがないと、『M∀LICE〈P〉White Rabbit』の1枚初動が弱くなります。
『盛悴のリザルドーズ』よりも流石に強いので『S:Pリトルナイト』のほうが優先です。

『デコード・トーカー・ヒートソウル』1枚

これも自由枠ですね。
ただ、このカードである理由が明確にあります。
それが『アーティファクト・ロンギヌス』への対策です。

メインの『闇の誘惑』を1枚『サイバネット・マイニング』しているところから『ドット・スケーパー』1枚からや、召喚権+『コード・オブ・ソウル』からこのカードを成立させて
ドローで誘発やサイドカードを引きに行くことを考え採用
しました。
プランとしてはかなり正解だったんですが、調子に乗りすぎてライフ減って負けたので理性を伴って使いましょう。

『ファイアウォール・ドラゴン』1枚

先攻展開の際に使用するカードです。
このカードのおかげで先攻の3ドロー展開が可能になります。
他にも召喚した誘発を回収したりとやっぱり強いカードです。

『原始生命態ニビル』のケアをする展開でリンク値が足りない場合に、
『召命の神弓-アポロウーサ』の真下にこのカードを立てて、
相手ターンに両脇に『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』と『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を立てることで
3枚バウンスを成立させることもかなりある
ので覚えておくと良かったりします。

『アクセスコード・トーカー』1枚

流石に最強カードです。抜けることはありません。

『召命の神弓-アポロウーサ』1枚

このデッキでは『原始生命態ニビル』をケアしながら展開をする場合に立てるので必須です。
また、『M∀LICE IN UNDERGROUND』の効果で戦闘から守ることができるのでかなり強い使い方ができます。
【ライゼオル】とかいうデッキに全然刺さらないのが腹立ちます。

『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』1枚

正式名称なっがいんだ。
このカードのおかげで最終盤面に魔法・罠無効と、『コード・オブ・ソウル』や『メレオロジック・アグリゲーター』を落として更なる妨害を用意することができます。

『サイバース・ディセーブルム』1枚

墓地からの妨害用カードです。
『拮抗勝負』や『墓穴の指名者』などのケアしてくれる貴重な存在です。

『メレオロジック・アグリゲーター』1枚

こちらも落として妨害する用のカードです。
無理なく採用できるため、『月女神の鏃』も負荷なく採用できるのがかなり強かったです。

〇エクストラデッキ不採用カード

『盛悴のリザルドーズ』

簡易版の『S:Pリトルナイト』です。
ですが別にこのカードでなくても問題なく、唯一欲しくなる場面があるとすれば
後攻時に『S:Pリトルナイト』と『スプラッシュ・メイジ』を使わず展開したいときくらいです。
この間のCSでは7回マッチ戦をして6回後攻スタートだったんですが、それでも1回も欲しい瞬間がなかったので
いらないんじゃないかなぁというのが現状の評価です。

先攻で欲しいのは墓地の『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を除外できるカードだし、
大体そんなときには『スプラッシュ・メイジ』の制約がついています。
ついてないなら『S:Pリトルナイト』でも同じことができます。

『トランスコード・トーカー』

このカードは『ドット・スケーパー』1枚から『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』を成立させるために必要なカードではありますが、
発動条件の制約があまりに重く、今回のプランとしては『デコード・トーカー・ヒートソウル』を採用しているので不採用となりました。
悪くはないカードです。

さて、ここまでデッキの中身について解説してきましたが、
ここからは実際の展開例を動画でご紹介させていただきます。

●【M∀LICE】の展開例

〇『M∀LICE〈P〉White Rabbit』1枚初動

〇『M∀LICE〈P〉Dormouse』1枚初動

〇『原始生命態ニビル』ケア展開

〇『M∀LICE〈P〉Dormouse』1枚初動(新弾後2/9追記)

〇『M∀LICE〈P〉White Rabbit』1枚初動(新弾後2/9追記)



基本的な展開もご紹介できたので、ここからは実践編として、
私が禿鷹CSで優勝した際に構築段階から考えていた各種誘発へのプランとサイドチェンジを解説
していこうと思います。


※ここからは有料とさせていただきます。
ここまでの内容を読んで、もっと知りたい!と思っていただけた方、
読んで面白かったから投げ銭してやろうと思っていただけた方、
【イヴリース型M∀LICE】めっちゃ気になる!という方、
むらかみを支援してやろうと思っていただけた方はぜひご購読のほど
よろしくお願いいたします!

●【誘発型M∀LICE】での各誘発へのプラン

〇無効系誘発

基本的にこの構築は『M∀LICE IN UNDERGROUND』、『闇の誘惑』、『封印の黄金櫃』、『サイバネット・マイニング』、『コード・オブ・ソウル』、《深淵の獣》など
初動と合わせて無効系の誘発を貫通が狙えます。
12枚もあるので十分だと考えています。

〇『マルチャミー・フワロス』へのプラン

基本的に『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』+『M∀LICE〈C〉MTP-07』を目指します。
召喚権を使わず《M∀LICE》下級モンスター2体を並べることで
召喚権と合わせて1ドローのみで上記盤面を作成できます。

この盤面でも後続+1妨害を用意できますし、それに加えて
『M∀LICE〈P〉Cheshire Cat』や『闇の誘惑』でドローを回し、手札誘発を揃えに行きます。

〇『増殖するG』へのプラン

基本的には止まるしかないカードです。
この止まるしかないというのがかなり厳しいですが、大量のドローソースで誘発を引き込むことで延命を狙います。

また誘発以外にも『M∀LICE〈C〉MTP-07』+『M∀LICE〈C〉TB-11』を揃えれば妨害を用意でき
『M∀LICE〈P〉White Rabbit』+上記のいずれかで用意することができます。

『アーティファクト・ロンギヌス』とは異なりドローソースを回すことで妨害をかき集められる可能性があるので
重いけどやりようはある
くらいの温度感になっています。

〇『アーティファクト・ロンギヌス』へのプラン

無理すぎるカードです。
『増殖するG』へのプランが通用しません。
ただし、このカードはサイドからしか入ってこないので、サイドデッキで対応します。

それが今回採用した『三戦の号』+通常罠2枚です。
基本的に『アーティファクト・ロンギヌス』は使い切りのカード
ですので
こちらも1ターンだけ相手の動きを止めれば何とかなることが多いです。

しかし、【ライゼオル】に対する『次元障壁』のように発動すれば妨害が立たないというレベルで強い通常罠がなく、
他のデッキからはなにかしらの妨害が成立することが多いです。
そのため、稼がれたターンで成立した妨害にも対応できるカードが好ましく、今回『嗤う黒山羊』を採用しました。
他の案としては一応『ブレイクスルー・スキル』も上がっていました。

ここまででサイドの14枚が確定しており、最後の1枠として『霊王の波動』を採用しました。
先攻の『霊王の波動』は弱い『神の警告』ですが、
後攻時の『アーティファクトの神智』への解答にもなっているので有象無象デッキにはそれなりに機能するだろうとして採用しました。

ターンスキップとは異なりますが、丸い選択として後攻からも『アーティファクト・ロンギヌス』を牽制できる可能性がある以上プランとしては間違っていないと思いました。

【ライゼオル】、【M∀LICE】の環境2トップにはそれぞれターンスキップが狙えるカードがあるため、ターンスキップにはターンスキップで返そうというのが今回のプランです。

また、これ以外にもメインから『アーティファクト・ロンギヌス』を意識したカードがあります。
デッキ解説でも触れましたが、それが『サイバネット・マイニング』です。

このカードか『コード・オブ・ソウル』、『ドット・スケーパー』を引いていれば『デコード・トーカー・ヒートソウル』を成立させることができ、このドローで解答を狙いに行きます。
そのためのメイン『エフェクト・ヴェーラー』、『原始生命態ニビル』採用でもあります。

あとは【ライゼオル】に対する『次元障壁』とは異なり『墓穴の指名者』でなんとかなるので、若干ましなのかなとも思います。

さて、ここでサイドデッキやプランの話が出たので、
次の項目で各対面に対するサイドチェンジについて解説していこうと思います。

〇サイドチェンジ

対【ライゼオル】
先攻

後攻


対【M∀LICE】
先攻

後攻


対その他のデッキ
先攻

後攻

このように後攻でも基本的に『墓穴の指名者』を抜きません。
ひとえに『アーティファクト・ロンギヌス』のせいです。

【M∀LICE】対面のみ『アーティファクト・ロンギヌス』が『アーティファクト・ロンギヌス』への解答となるため、『墓穴の指名者』ではなく『抹殺の指名者』を採用します。
これは『M∀LICE〈C〉GWC-06』への解答にもなっています。
甘えた『ファイアウォール・ドラゴン』+『召命の神弓-アポロウーサ』をしっかり咎めましょう。

『墓穴の指名者』でないのは『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を除外すると自分が展開できなくなるためですね。

ここまでが【誘発型M∀LICE】の解説となります。
さて、次の項目からがYCSJ大阪で使用予定の【イヴリース型M∀LICE】の解説パートです。
研究を重ねてたどり着いた構築とロック手段、目指すべき盤面と展開方法などを詳しく解説しておりますので最後までお付き合いください。

●【イヴリース型M∀LICE】

〇構築の変遷

最初期
当初【M∀LICE】を使いだした際に、海外のプレイヤーから
『原始生命態ニビル』をどうやってケアすればいいんだと質問が来たことがきっかけで生まれたプランです。
最初は海外プレイヤーの提案通り『スケアクロー・トライヒハート』を出すプランを考えてですが、
冷静に『スプラッシュ・メイジ』の制約が重すぎて現実的ではなかった
です。

代わりに見つかったのが『アークロード・パラディオン』でしたが、
【M∀LICE】においてリンク3はリンク4よりも出しづらく、なんともうまく盤面が形成できませんでした。

発展期

そこで目を付けたのが『転生炎獣ベイルリンクス』と『転生炎獣の聖域』です。


『転生炎獣ベイルリンクス』はそもそも【M∀LICE】に採用が検討されていたカードで、
『ファイアウォール・ドラゴン』の相互リンク数を増やす役割も担えるため、
単体でも採用が現実的なラインにありました。

そんな時に【転生炎獣】が『カイザーコロシアム』を発動させ、『転生炎獣ウィーゼル』を送り付けるロックしていたことを思い出しました。

とはいえ効果をちゃんと読む前は「流石にサマランLモンスターしか攻撃力0にできないよなー…しかもベイルリンクスで戦闘破壊から自分モンスター守れないから妨害消されるなー」
とか思っていたのですがちゃんとリンクモンスターならなんでも攻撃力を0にできるし、
そもそも『夢幻崩界イヴリース』の攻撃力が0だったので完璧なかみ合い
を見せました。

そうして出来上がったのがこの構築です。

しかしこの構築にも2点問題点があります。

・ 『転生炎獣の聖域』というゴミをデッキに入れないといけない
・ 『召命の神弓-アポロウーサ』に自爆特攻される際に攻撃力が0になるため、モンスター効果無効を2回分失う。

この2点についてなんとか改善できないかなと考えていました。

転換期
正直ロックが決まれば勝てるので後者はまだなんとかなったりしますし、
バトルフェイズを使わせられるのであれば、メイン2に立つ妨害を
次ターンにフィールドのリンク値で押しつぶせる
ので
無理に絶対ロックしきらないといけないわけでもなかったのですが、
そうなると『転生炎獣の聖域』をいれるメリットが薄く感じてきて抜く方向でプランを再設定していきました。

もうバトルフェイズを使わせられたらいいやくらいの気持ちになっていたのですが2点の気づきがあり、
私の中での【イヴリース型M∀LICE】の最終的なプランが決定しました。

〇最終的に落ち着いた構築

『転生炎獣の聖域』もないけどどうやってロックするんだ?と思われるかもしれませんが、ちゃんとロックできます。
この構築についてはここからしっかり解説していきます。

〇メインデッキ採用カード

『夢幻崩界イヴリース』3枚

今回のプランの中心です。
そしてこのカードは誘発ケア札としても活躍します。
それが当初の目的である『原始生命態ニビル』そしてそれに付随して、『無限泡影』もケアきます。

このカードへの召喚権を展開の最後に回せばトンデモ展開も可能ですが、
確実に勝利を目指すのであれば『原始生命態ニビル』をしっかりケアすべきだともいます。
もちろん『召命の神弓-アポロウーサ』を先出しできる場合には残しておくこともよくあります。
この辺りは●【イヴリース型M∀LICE】で目指す盤面 で触れます。

『ドロール&ロックバード』3枚

この構築は展開が通れば捲りにかなりの要求値を強いることができます。
柔軟に戦うより押し付ける戦い方、POWER遊戯王です。
そのため、『増殖するG』や『マルチャミー・フワロス』などに対してドローで誘発をかき集めて戦うなんていう置きにいった遊戯王をするつもりはありません。POWERです。
Bon Joviを脳内BGMに戦うためにもこのカードを3枚採用しています。

『闇の誘惑』3枚

『夢幻崩界イヴリース』に召喚権を使いたいため召喚権に頼らない展開札を必要としました。
そこで『夢幻崩界イヴリース』を引きもに行けるこのカードを1枚増やしています。

〇メインデッキ不採用カード

《深淵の獣》3枚

これは軽く『闇の誘惑』の項目でも触れましたが、このカードは「召喚権を使った後」に貫通札になるカードです。
除外から特殊召喚した《M∀LICE》下級モンスターに無効系を食らった場合には貫通札になっていません。
そのため今回のプランとはそぐわないと判断し不採用
としました。

『テラ・フォーミング』

このカードは非常に入れたいカードです。
というもの『夢幻崩界イヴリース』を採用した関係で、このカードのパワーや重要性があがっているためです。
入れ替え枠としては『サイバネット・マイニング』になりそうですが、
そのまま41枚にデッキを増やしてでも採用すべきカードかもしれません。
今回は40枚に留めるために採用を取りやめました。

〇エクストラデッキ

『エニグマスター・バックピット

今回の構築で要になるカードです。
モンスター除去を《M∀LICE》側に任せる必要がなくなります。
【ライゼオル】にも着地狩りとして使えるためそもそも使い勝手がいいカードですね。
普通の【M∀LICE】にも採用は検討できるカードかと思います。

〇エクストラデッキ不採用カード

『デコード・トーカー・ヒートソウル』

『エニグマスター・バックピット』に枠を譲った形になります。
【誘発型M∀LICE】の項目で解説した通り、このカードでしかできないことも多いですが、
今回はPOWER遊戯王です。POWERの名のもとに受けなんてものは必要ありません。

というのは若干盛っていますが、『ドロール&ロックバード』が環境的に強い誘発でない以上
メインデッキに強い誘発の枚数が減っており、『ドロール&ロックバード』を採用している以上は必要ないのかな
と考えています。

●【イヴリース型M∀LICE】で目指す盤面

さて、ここまで採用カードについて解説してきましたが
この項目では実際にどうやってロックをするのか、
その2つの発見についてと、目指す盤面について解説していきます。

〇ロックを決めるための2つの発見

・『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』の打点が8000になる
・相手ターンに『夢幻崩界イヴリース』を送り付ければ自爆特攻されない

この2点に気づき、『転生炎獣の聖域』などのノイズを抜いてもロックができるとなったわけです。

〇自分ターンに『夢幻崩界イヴリース』を送り付ける場合

この場合には『夢幻崩界イヴリース』の自爆特攻をケアしないといけません。
そのため目指す盤面は

『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』単騎+『M∀LICE〈C〉GWC-06』となります。

この状態を維持するために相手の召喚権を『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』で潰す必要が生まれ、『エニグマスター・バックピット』の採用に至ったわけです。

〇相手ターンに『夢幻崩界イヴリース』を送り付ける場合

この場合には『夢幻崩界イヴリース』が守備表示で特殊召喚されるため、自爆特攻をケアする必要がありません。
そして相手ターンに送り付ける方法として、『コード・オブ・ソウル』のリンク効果を活用します。
この場合はすでに『召命の神弓-アポロウーサ』を出して『原始生命態ニビル』をケアしているはずなので、以下の盤面を目指します。

『召命の神弓-アポロウーサ』+『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト-』+『夢幻崩界イヴリース』+『M∀LICE〈C〉GWC-06』

この状態で相手ターンに『M∀LICE〈C〉GWC-06』で『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』を蘇生し
『夢幻崩界イヴリース』と『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』で『ファイアウォール・ドラゴン』をリンク召喚
『M∀LICE〈Q〉WHITE BINDER』で除外した『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』を帰還させることで、
3相互『ファイアウォール・ドラゴン』を立てることができます。
詳しくは展開動画をご覧ください。

こうしてメイン、エクストラデッキに不純物が入っていない「イヴリースロック」を行うことができるようになりました。

では実際どのような展開になるのか次の項目にて動画で紹介いたします。

●【イヴリース型M∀LICE】展開例

〇『M∀LICE IN UNDERGROUND』+『夢幻崩界イヴリース』(自分ターンの送りつけ)

〇『M∀LICE〈P〉White Rabbit』+『夢幻崩界イヴリース』+『封印の黄金櫃』(相手ターン送りつけ)


●【誘発型M∀LICE】とどっちが強いのか

ここまで【イヴリース型M∀LICE】を解説してきましたが、
じゃあ実際【誘発型M∀LICE】とどっちが強いのかという話をしていこうと思います。

〇【イヴリース型M∀LICE】の強み

・『原始生命態ニビル』や『無限泡影』ケア
・有象無象デッキへの圧倒的なロック性能

〇【イヴリース型M∀LICE】の弱み

・『アーティファクト・ロンギヌス』への受けが悪い
・誘発のパワーが若干下がり、後手が若干勝ちづらくなる
・ミラーでは『リングリボー』が存在するため、敵に塩を送る可能性がある。(ここは『エニグマスター・バックピット』で一応ケア可能)

〇結論

【イヴリース型M∀LICE】
・POWER遊戯王をしたい
・有象無象デッキが多い環境で強い
・『アーティファクト・ロンギヌス』が少ないだろうシングル戦、YCSJなどで輝く

【誘発型M∀LICE】
・環境に合わせて対応できる幅が広い
・後攻時のパワーが高い
・マッチ戦において輝く

上記より、普段のCSなどでは【誘発型M∀LICE】を私は使うことが多くなりそうです。
ただ冒頭でも書いた通り、今度のYCSJ大阪では【イヴリース型M∀LICE】のほうが明確にパワーが高いと判断しており、こちらを使用する予定です。

●2月9日追記

皆さん
ご無沙汰しております。
クロスオーバーブレイカーズ発売後から【M∀LICE】を使いはじめ、
1月制限での規制を受けて本格的に白き森に迷い込んでいたんですが、
新弾のALLIANCE INSIGHTで【M∀LICE】に猛烈なバフが入ることになり
完全無欠デッキになったので改めて現状のM∀LICEを解説と考察を進めていこうと思います。

●新弾で追加されたカードたち

まずは新弾で追加された2枚のカードを見ていきましょう。

〇『M∀LICE〈P〉March Hare』

ついに来ましたスペードモチーフのM∀LICEです。
①の効果は手札・墓地から《M∀LICEカード》を除外して自身を特殊召喚できる効果なんですが、なぜか相手メインにも使えるフリーチェーンとなっています。
②は《M∀LICEモンスター⦆共通の除外されたときに発動する効果なんですが、こいつはフィールドに帰還するのではなく、除外から《M∀LICEモンスター⦆を手札に加えることができます。
なぜか同名もいけます。これなんでなんでしょうね…。

①にバカみたいに強い効果が書いてある代わりに、②にはあほみたいに強い効果が書いてあります。
このカードのおかげでできる小手先のテクニックがあるので、構築プランについての項目で詳しく記載しようと思います。
というかこのカードは語ることが多すぎるので一旦後回しにして、次のカードを見ていきましょう。

〇『M∀LICE IN THE MIRROR』

①の効果は相手モンスターを対象にとりフィールドから《M∀LICEモンスター⦆を除外することで対象のモンスター効果を無効にできます。
②の効果はこのカードが除外された場合に墓地の《M∀LICEカード》を対象にとり、
そのカードを除外することでデッキから同じ種類の《M∀LICEカード》をサーチすることができます。

①の効果はシンプルに見えますが、実は結構【M∀LICE】に足りていなかった効果無効という妨害ができるようになるという大きな利点があります。
初回執筆時に『励輝士ヴェルズビュート』に盤面を崩壊させられるみたいなことを書いている部分もあったかと思いますが、それを解消できるようになるといった【M∀LICE】の弱みを減らしてくれるカードです。

これは『マルチャミー・フワロス』を受けた際にも有効に働き、
『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』を立て、『M∀LICE IN THE MIRROR』をサーチしターンを返すことで、
『M∀LICE IN THE MIRROR』で効果無効、『M∀LICE〈Q〉RED RANSOM』の帰還時効果で『M∀LICE〈P〉White Rabbit』を除外、
そのまま帰還させて『M∀LICE〈C〉MTP-07』をセットしつつ
『M∀LICE IN UNDERGROUND』をサーチ。
『M∀LICE〈C〉MTP-07』で『M∀LICE〈P〉March Hare』を回収しつつ相手フィールドのカードを除外することができます。

1枚のドローに対して2妨害+次ターンに『M∀LICE〈P〉March Hare』と『M∀LICE IN UNDERGROUND』の2種類の召喚権を使用しない攻め手が確保されているため各種誘発に対するパワーが上がっています。

さて、次の項目では私が現在使っているデッキリストを参考に、
構築プランについてを書いていこうと思います。
最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

●【M∀LICE】の構築論

ここの項目では【M∀LICE】というデッキを考えていたことについて詳しく解説していきます。
あくまでむらかみが【M∀LICE】をこう見てるよというだけですので、これが正しいと主張つもりはありませんが
間違っているとも思っていないので少しでも皆様のお役に立てる内容になっていれば幸いです。

〇サンプルレシピ

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