22.鉄馬旅人 UTAH州へ
ロッキーマウンテン越えを終えてみて・・・
寒くなかった
ロングスリーブシャツで大丈夫だった
しかし本当に気持ちの良い道だった
そしてロッキーマウンテンで
非常にびっくりしたのが
ガスステーションでの出来事
いつもやっているように
最初にレジに行って
支払いを済ませようとした
するとレジの男の子が
「ガス入れてからここに来てくれ」
意味が解らなかったので
聞き返すと
「ガス入れてから
支払いしてくれたらいいよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
頭がフリーズしてしまった(笑)
こんなこと日本でもあり得ない(笑)
とりあえず
言われた通りに給油を済ませ
レジに向かった
いやいや・・・
マジあり得ないし・・・
でも俺が危惧した通り
たまに
支払いしないで逃げる奴がいるって(笑)
そりゃそうだよな・・・
なんだか拍子抜けしたけど
凄く新鮮な出来事だった
さぁ
段々とLAS VEGASに近くなってきてる
俺は終わりに向けて走ってるんだ
始まりがあれば終わりもある
それは仕方ない
けど・・・
そう思うと涙が止まらなくなる
走りながら泣いてしまう
嗚咽しながら走る
涙で霞む俺の目に入ったのは
「welcome to UTAH」
ついにUTAHまで来たか・・・
こぼれる涙で汚れたサングラスを拭こうと
フリーウェイの休憩所へ入る
ヘルメットを脱ぎ
サングラスを拭いていると
重い音がこちらに迫ってきた
バイカーの団体だ
俺の脇に止まる彼ら
お互い挨拶を交わす
すると
「今日も暑いな」
と言いながら冷えた水をくれた
俺はそれを不思議に思い
彼らの装備を改めて見ると
クーラーボックスを積んでいた(笑)
冷たい水を一気に飲み干し
バイカー達にお礼を言って
再びフリーウェイに戻った
左右には雄大な景色がひろがっている
この場所こそが俺の居場所
魂がそう言っている
俺の細胞
一つ一つが喜んでいるのを感じる
人間は生まれ変わるときに
記憶を消される
リセットボタンを押されて
この世に舞い戻る
でもいくら消されようとも
記憶にはしっかりと刻まれている
俺は魂の声・・
いや「魂の叫び」にしっかりと従って
ここに舞い戻ってきた
そう
ここが俺の居場所・・・
続く・・・・・
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