半生を綴る ② オタ活に励む青春

くそ根暗陰キャ童貞オタクとなった私は無敵だった。
高校1年の2学期からはアニメを軸とした生活をしていた。

学校に行き部活を終え風呂ご飯を済ませたらすぐ就寝。
起床は午前4時。ここからその日放送されたアニメを視聴。
田舎だから深夜アニメが放送されるわけもなく、
今みたいに見逃し放送とかサブスクなんてない。
午前4時ごろにはネットに違法アップロードされていたので
それを見るために早起きしていた。
なお、このころには部活での交友関係はなんとかできており、
結婚式に参列してくれたり、年2,3回飲んだりして一生の友達になっている。
が、高校生の会話の多くは前日放送されたドラマの話題だが
アニメを見るために帰宅後すぐ寝ているため見ていない。
山Pのタイムスリップドラマ?ルーキーズ?
そんなもん知らんな!
赤べこ相槌マシーンと化し、なんとかやり過ごしていた。

また、当時はアニメという文化は浸透しておらず
オタばれしないようびくびくしながら生活していた。
電車の中でガラケーからイヤホンが抜け、ひだまりスケッチOPが流れ出した時にはひやひやしたものである。
今の深夜アニメ見るの普通です!むしろトレンドです!という流れは羨ましいものがある。

このころ休日を利用してバイトを始めた。
らき☆すたを勧めてくれた友人が誘ってくれたことに加え、
なんとらき☆すたのゲームが発売するのである!!
これはお金を稼がねば!と推し活に励んでいました。

このオタク習慣は高校生活の友であり、①に書いたように心の支えであったため高校3年まで続いた。
青春はマジで深夜アニメをいかに早く見れるかに費やした。
そのために部活も2年秋くらいに辞めた。

そうしてくそ根暗陰キャ童貞オタクとしてキャリアアップしている中で
人生の分岐点が訪れた。無縁とすら思っていた高校3年の学校祭である。

もちろん裏方ではあったが元同じ部活の友人がいたこともあって
こつこつと力を合わせて制作に取り組んでいた。
女子とも少し会話ができるようになり、このころは高校生活で唯一輝いていたかもしれない。

学校祭の準備も大詰めといったところでとある情報を手に入れた。
ネットだったかそれともアニメ(とらどら?)だったか記憶は曖昧だが
なんと女性は「頭を撫でられると恋におちる」らしい。
影響されやすく、また少し他者との距離を縮めることのできた私は調子に乗っていた。
学校祭の準備で日も落ち、女子と2人きりになった瞬間。頭を撫でたのである。

なんと、大成功。

準備に追われ精神的に参っていた彼女にはそうとう刺さったらしい。
ただ今となって振り返るとネットか何かの情報を鵜呑みにしてくそ陰キャがそんなことするって気持ち悪いよね。学生だから許された。
学校祭が終わって付き合うことに。

ここで自分の中に迷いがあった。
彼女が出来たのにアニメに現を抜かしていていいのか??
シェリルかランカかどちらを推すかじゃなくて
新しくできた彼女を推すべきじゃないのか??
とこの約3年間支えてくれたアニメvs彼女の2次元、3次元抗争が自分の中で起きていた。

三日三晩の死闘の上勝利したのは「彼女」であった。
よくぞここで彼女が勝ってくれた!
ここでアニメが勝っていたら今の私はいないだろう(2度目)

アニメをきっぱりと捨て彼女に向き合うことにしたが
いかんせん今までアニメに割いていた時間があったため暇を持て余していた。
そこに飛び込んできたのが「今までの仮面ライダーに変身するライダー」こと仮面ライダーディケイドである。

小さい頃はニチアサにどっぷり漬かっていたものの
順当に大きくなるころには卒業していたが、それらに変身するライダーだと??こりゃ時間もあるし見るしかないっしょ!
とBANDAIの思う壺。
無事アニメオタクから特撮オタクへと変貌を遂げたのである。
秋からはディケイドが終わり仮面ライダーWが始まり
ガチはまりした私の私服はシャツにベストを羽織り、ハットをかぶっていた。完全に主人公の左翔太郎である。
いてええええええええええええええええええええええええええ
よく当時の彼女はこれでデートしてくれたもんだ。

こうして時間は過ぎ、お互い大学へ進学し、
プチ遠距離がスタートするのである。

当時のステータス くそ根暗陰キャ特撮オタク

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