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言葉の定義の重要性

 言葉の定義は非常に重要であると思う。

 言葉とは人間がコミュニケーションを図るために生み出した発明であり、言葉とはコミュニケーションを達成するための道具である。

 言葉は非常に重要であるが、その活用は非常に曖昧であることが多い。その最たるものが、言葉の定義の曖昧さである。

 言葉とは、コミュニケーションを図るための手段であるが、その言葉の適宜が曖昧であれば、コミュニケーションも曖昧になってしまう。


 司馬遼太郎の「坂の上の雲」でもお馴染みの、日本海軍の秋山真之は、明治時代にそれまでバラバラであった軍事用語を日本海軍用に翻訳し、それらを合理的に分類した上で新たな定義と解釈を与えることを実施した。
 日本海軍は、イギリスやフランス、アメリカなど様々な海軍から学びを行ったが、それぞれの国によって定義も解釈もバラバラであったと思われる。生死に関わる軍事においては、言葉の曖昧さは非常に危険だと思う。それだからこそ、まずは言葉の定義を行なったのだと思う。

「 真之は、戦略戦術の天才と言われた。が、ひょっとすると、天才ではないかもしれない。そのことはかれ自身が知り抜いていたし、第一、明治海軍に天才などはついに居なかった。まず真之の特徴は、その発想法にあるらしい。その発想法は、物事の要点は何かということを考える。」(坂の上の雲 第二巻より)

 秋山真之は明治の日本軍において、要点は何かと考えた場合に「言葉の定義」をはっきりと定めることだと考えたのだと思う。

  言葉の定義は、ビジネスにおいても非常に重要だ。

 コミュニケーションがうまくいっていないのであれば、まずは自分の使っている言葉の定義を見直してみて、相手と共有することから始めると良いかもしれない。

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大塩 謙
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