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「炎上甲子園」第2話〜ヤリモク男を撃退〜

【第2話のストーリー】

世間では石渡花子はUbabar Eatsと呼ばれ、
ネットやニュースを日々賑やかしている。

そんな情報を歯軋りしながら見ている男がいた。
その男の名は斉藤紳助(22歳)、
ホストを挫折したバーテンダーだ。

紳助の元には関西エリア代表として
炎上甲子園のオファーがきていたのだ

「もしかして、あのババア・・・」
紳助は焦っていた。
彼も炎上甲子園で優勝を狙っている。

苛立ちながら、どうすれば最高の炎上が実現するか、
シェイカーをシェイクしながら思案していた。

「おい!お前、いつまでスカして振ってるんや!」
眼の前のカップル客の男性(20代後半)が
クレームを付けてきた。
とっさに紳助は思った。
“こいつの酒をめちゃ濃くしてやろう”と。

紳助は注文のたび、
男性客の酒を異常に濃くして
酒を提供し続けた。

男性客は女を口説きたいらしく、
酒強いアピールをしている。
滑稽な口説き方が面白く、紳助はそのシーンを隠し撮りし、
「濃い酒を飲ませて口説く男を酔い潰してみた」動画を投稿することに。

男性客が5杯ほど飲んだ頃、
明らかに呂律が回らなくなり、
同じことばかり話すようになっていた。
更にトイレに立ち上がるたびに、
両手を少し前に出し内股でフラフラと歩き、
まるでゾンビのような様だった。

男が無様に酔い潰れていく動画を、
炎上日本一を目指して投稿
した。
世間の反応は上々だった。
再生回数およびRTも順調で、
情報番組でも取り上げられた。

炎上から数日後、
動画投稿サイトのコメント欄にいくつかの書込みが寄せられた。

・私、この酔っぱらい客にやり逃げされた
・この男と3回関係を持ってお金を貸してから音信不通になった
・こいつ既婚者なのにマチアプで女を漁っている

などなど、酔い潰れた男性客の悪評が
コメントされるようになったのだ。

紳助はBARを解雇されたが後悔はなかった。
女泣かせのヤリモク男を一人退治したのだから。


人々は各エリアで炎上甲子園が開催されているとは知らず、
今年もネットやニュースでは「炎上」で盛り上がっていた。
炎上甲子園の参加者の一部を紹介しよう。


【北海道代表】

雪国を代表する炎上プレイヤー
「久米雪子」(22歳女性 芸術大学)
大量の雪を近所の嫌味を言う自治会長の家に押し付けたい。
しかし、普通に大量の雪を置くだけでは物足りない。
雪子は「放送禁止ギリギリのエログロ雪像」
己の芸術性を発揮し、嫌味自治会長の庭に作り上げた。
近所では自治会長の性癖・人間性が疑われ炎上するも、
冬の間、マニアの観光名所となり、過疎の街は賑わうのであった。

【中四国代表】
不良高校生を撃退したラーメン屋店主
「武蔵麺蔵」(50歳 飲食店経営)
お店の隣が不良校で有名な男子校。
例の醤油差しペロペロ事件があってから、
模倣する生徒が多く、店主の頭を悩ませていた。
彼は世界一辛いと言われるデスソースを
醤油差しの口に塗って対策をし、
舐めて悶絶する不良高校生の姿を動画投稿。
結果、同高の悪評が広がり、同高は閉校され街が平和に。

などなど、今回の炎上甲子園はクオリティが高かった。

さて、気になる優勝者は・・・。

【第3話】はこちら

【第1話】はこちら

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