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【芝刈り方界】について

 皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。

 今回はマスターデュエルで使用している【芝刈り方界】についての記事となります。
 それなりにスムースにデュエルに決着がつく他、割と粘り強く戦うこともできるかなり面白いデッキなので記事にすることにしました。

 早速中身を見てみましょう。

デッキレシピ

 マスターデュエルで使用しているため、遊戯王OCGでは準制限カードに指定されている《おろかな副葬》が3枚積まれていますが、それ以外は遊戯王OCGでも同じものが組めるので適当にいじってください。

 割と「方界」については知名度が低く相手がテキストを読んでいるのか固まることが多いのですが、映画が公開したのももう7年も前なんですね。

 そのため「方界」カードに関してはそれぞれ触れていきたいと思います。

 カード名を小見出しで書くと見出しがとんでもないことになると学んだので、今回はちょっと工夫して書くことにします。

「方界」カード

《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》

 劇場版の最終戦である遊戯&海馬vs藍神戦で藍神が繰り出した「方界」の最上級モンスターです。

 手札の「方界」カード3種類を相手に見せることでのみ特殊召喚でき、元々の攻撃力3000以下のモンスターの発動した効果を受けない永続効果、相手モンスターを戦闘破壊するともう一度攻撃できる誘発効果、自分のエンドフェイズ時にお互いに3000のバーンダメージを与える強制効果を持ちます。

 「方界」の殺意の高さを象徴するカードであり、大抵の場合はこのカードを出すことを中心に構築が練られます。

 まず強固な耐性が魅力的です。
 高い攻撃力も相まって、それなりに場持ちが良いです。
 元々の攻撃力を参照するためステータスを強化したモンスターの効果は効かず、攻撃力の低い《エフェクト・ヴェーラー》《幽鬼うさぎ》《Live☆Twin リィラ》などの効果は全て素通りすることになります。
 あの《氷剣竜ミラジェイド》すら相打ちに持ち込めるのは優秀ですが、発動しない永続効果や残存効果の適用などは効いてしまうので過信は禁物です。

 この攻撃力で相手モンスターを戦闘破壊すると、さらなる攻撃の権利が得られます。
 《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》とは異なり続けて攻撃する必要は無いので、他のモンスターの攻撃でフィールドがガラ空きになったところで直接攻撃を叩き込んでも良いでしょう。

 そして自分のエンドフェイズ時にお互いに3000バーンを受けます。
 意味のわからない火力で、デュエルが引き分けに終わることも多々あります。
 このカードの場持ちは良いのですが、それ以前にプレイヤーのライフポイントが保ちません。

 基本的にはこのカードの攻撃を通せるかどうかが勝負の鍵であり、このカードを超える攻撃力の持ち主を相手にすると流石に勝ちを狙いにくくなります。
 召喚条件も長期戦には向かず、【方界】が短期決戦向けのデッキであることを決定付けるカードとも言えるでしょう。

 ただしこのカードの特殊召喚に拘らずにデュエルすることが勝負の鍵です。
 やむを得ず長期戦になってしまった場合はこのカードを切り捨てて他の勝ちの手段を模索しましょう。

《流星方界器デューザ》

 劇場版公開前に掲載された読み切りで藍神の妹であるセラが使用したカードです。

 召喚・特殊召喚に成功した場合にデッキの「方界」カードを墓地へ送ることができる効果と、自分のモンスターが墓地へ送られたターンに自分の墓地のモンスターの種類×200の自己強化ができる効果を持ちます。

 【方界】全般におけるキーカードであり、墓地効果を持つ「方界」魔法・罠カードを墓地へ送ることが主な仕事です。
 全て後述しますが、サーチ用の《方界業》、サルベージ用の《方界法》、相手を無力化させる《方界波動》、リクルート用の《方界合神》、展開用の《方界降世》、直火焼きを付与する《方界縁起》といったカードが目白押しで、その場に合ったカードを墓地へ送りましょう。

 特に《方界合神》とは好相性で、このカードとセットでシンクロ召喚やリンク召喚中心のデッキに出張させることもできます。

 自己強化もそれなりに優秀で、墓地のモンスターの種類×200という強化値から構築次第では3000を超えるほどの攻撃力を見込むことができます。
 前半の効果で「方界」モンスターを墓地へ送ることで能動的に起動させることもできますね。

 ステータスにも恵まれており、1ターンに1度の誓約すら存在しないことから、あの手この手でこのカードを連打して墓地アドバンテージを稼いでいきましょう。

《方界胤ヴィジャム》

 劇場版で海馬vs藍神および遊戯vs藍神で藍神が使用した、「方界」モンスターの核となるモンスターです。

 戦闘破壊耐性、相手モンスターとの戦闘後にこのカードを魔法&罠ゾーンに移動させることで戦闘した相手モンスターを無力化させる効果、自身の効果で魔法&罠ゾーンに置かれている場合に特殊召喚できる効果を持ちます。

 通常召喚できる「方界」モンスターがこのカードと《流星方界器デューザ》しか存在しないため泣く泣く採用されているカードですが、《方界降世》という専用サポートカードの存在から要らない子扱いはされていません。

 劇場版では「このカードと戦闘したモンスターはアンディメンション化される」という表現をされていましたが、これは「方界カウンターを乗せる」という効果で実装されました。
 具体的には方界カウンターを乗せられたモンスターの攻撃と効果を封じます。

 自爆特効する場合は《方界法》と併用して被ダメージを抑えましょう。
 片っ端から突撃していてはライフポイントが保ちません。

 また相手モンスターをアンディメンション化させるためには永続魔法として一時的にモンスターゾーンを退く必要があります。
 つまり一時的にプレイヤーが無防備になる瞬間があるということです。

 この隙に負けては元も子もないので、効果を使うべきかどうかについては相手の盤面と相談しましょう。

《方回獣ダーク・ガネックス》

 劇場版の海馬vs藍神で藍神が使用したモンスターです。

 「方界」モンスター1体をフィールドから墓地へ送ることで手札から特殊召喚でき、この方法で特殊召喚すると攻撃力が1000アップし、相手モンスターを戦闘で破壊すると自身を墓地へ送ることで墓地の《方界胤ヴィジャム》を2体まで蘇生させつつ《方界獣ブレード・ガルーディア》をサーチできます。

 蘇生制限を満たせば蘇生や帰還ができますが、それでは攻撃力が上がらないため基本的に考える必要はないでしょう。

 相手モンスターを倒すことで《方界胤ヴィジャム》が増殖し次の形態へ姿を変える動きは劇場版と同じですが、劇場版とは異なりバトルフェイズ中の合体はできません。
 加えてこのカードの攻撃力は1000しかなく、次の姿である《方界獣ブレード・ガルーディア》はこのデッキに採用されていないため、基本的にこのカードで相手モンスターを攻撃する場面はありません。

 このカードの存在意義は《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》の特殊召喚条件を満たすための「方界」カードの嵩増しと、《ギガンティック・スプライト》の効果の影響下で《方界合神》からリクルートできる「方界」モンスターであるという点のみです。

 一応1000は攻撃力があるということで場の《方界胤ヴィジャム》を打点に変換することはできますが、通常召喚できないレベル2のバニラくらいの活躍しかしません。
 しかし《ギガンティック・スプライト》の誓約をすり抜けながらそのターン中盾になってくれるのは有り難いことであり、後述する《方界帝ゲイラ・ガイル》と並んで唯一無二の存在のためピン挿しで採用しています。

《方界帝ゲイラ・ガイル》

 こちらは遊戯vs藍神戦で藍神が使用したカードです。

 《方界獣ダーク・ガネックス》と同様の召喚条件を持ち、攻撃力は800になります。
 さらに800のバーンダメージと、戦闘したダメージステップ終了後に自身を墓地へ送ることで《方界胤ヴィジャム》を2体まで蘇生させつつ《方界帝ヴァルカン・ドラグニー》をサーチできます。

 攻撃力の上昇値こそ《方界獣ダーク・ガネックス》より低いですが、地味バーンの存在と《方界胤ヴィジャム》の蘇生条件の違いから、総合的にはこちらの方が優秀です。

 基本的に【方界】を知っている人も知らない人も《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》を警戒するため、地味バーン持ちのこのカードは無警戒なことが多く、このダメージが決め手になることも少なくありません。

 《方界胤ヴィジャム》の蘇生条件も戦闘を行うだけであり相手モンスターを破壊する必要は無いため、戦闘破壊さえされなければ自爆特攻から効果を狙ってもいいでしょう。
 ただしこちらも次なる姿の《方界帝ヴァルカン・ドラグニー》は採用していないため、あくまで《方界胤ヴィジャム》を2体まで蘇生させる効果です。

 こちらもレベル2であることから《ギガンティック・スプライト》の誓約をすり抜けて《方界合神》からリクルートできます。

《方界超獣バスター・ガンダイル》

 劇場版の海馬vs藍神戦で藍神が繰り出した《方界獣ダーク・ガネックス》の最終形態です。
声に出して読みたい日本語ランキング第2位。

 召喚条件にはフィールドの「方界」モンスター3体を墓地へ送る必要がありますが、この方法で特殊召喚すると攻撃力が3000アップし、3回攻撃まで備えています。
 また相手によって墓地へ送られると、墓地の「方界」モンスターを3体まで蘇生させてデッキ・墓地の「方界」カードを手札に加えることができます。

 蘇生制限を満たしても蘇生や帰還ができませんが、仮に出せても攻撃力0で3回攻撃できる謎のカードにしかならないので気にすることはあまり無いでしょう。

 【方界】は展開力に乏しく、《方界合神》を複数枚同時に発動させるか《方界降世》に頼らない限り3体もの「方界」モンスターを場に揃えることは困難です。
 しかしその結果得られるものは《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》と並ぶ攻撃力による3回攻撃という破格のフィニッシャー性能のモンスターです。
 こちらは自分へのデメリットが存在せず、除去された際の保険となる効果まで備えていることから、長期戦になった場合の切り札という扱いになります。
 《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》の着地を狙えなさそうだと感じたら、このカードを出す方向にシフトしましょう。

 本来は劇場版と同じように《方界獣ブレード・ガルーディア》の効果で3体の《方界胤ヴィジャム》を並べてから出すことを前提としているのですが、素材は《方界胤ヴィジャム》である必要が無いので《流星方界器デューザ》なども遠慮無く素材にしましょう。

 また相手によって墓地へ送られると、墓地の「方界」モンスターを3体まで蘇生させつつ、デッキ・墓地の「方界」カードを手札に加えられます。
 蘇生対象に同名制限などは無いため《流星方界器デューザ》を3体蘇生させて墓地肥やしを加速させることができ、回収する「方界」カードにも制限は無いためこのカード自身を回収して自身の特殊召喚を狙ってもいいでしょう。

 しかも墓地へ送られる前の場所すら問わないため、相手のハンデスやデッキ破壊に巻き込まれても効果を発動できます。
 普通にぶっ飛んだ効果ですね。

 《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》の影に隠れがちですが、【方界】における優秀なフィニッシャーです。
 積みすぎは事故の元なのでピン挿しですが、豊富な回収手段から欲しい時に手札に用意できるでしょう。

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

 劇場版の遊戯vs藍神戦において藍神が使用した《方界帝ゲイラ・ガイル》の最終形態であり、遊戯の「ディメンション・トラップ・ピラミッド」コンボの餌食になった可哀想な子です。
声に出して読みたい日本語ランキング堂々の1位。

 《方界超獣バスター・ガンダイル》との差異は攻撃力の上昇量と固有効果のみで、召喚条件と墓地へ送られた場合の効果は同じです。

 このカードは攻撃力が2400まで上昇しますが、3体ものモンスターを要求するにしてはやや物足りない数値です。

 固有効果も《方界帝ゲイラ・ガイル》と同じく手札からの特殊召喚に成功した場合に800ダメージを与えるだけであり、全体的にパッとしません。

 このカードは《方界獣ダーク・ガネックス》と同様に《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》を出すための「方界」カードの嵩増しで採用されていますが、地味バーンは《方界合神》によって手札から特殊召喚された場合でも発動するため局所的ですが使い道はあります。

 また墓地へ送られた場合の効果を目当てに特殊召喚するならば、このカードの方が除外やバウンスされた場合のダメージが軽微で済むためこのカードを優先させるといいでしょう。
 レベル4のためランク4の素材にできるのも好評価ですね。

 総じて《方界超獣バスター・ガンダイル》ほどの爆発力こそ無いものの、縁の下の力持ちのような働きを見せるカードです。

《方界業》

 劇場版の効果から魔改造を受けた【方界】を支えるカードです。

 このカードの発動時に手札・デッキの《方界胤ヴィジャム》を任意の数だけ墓地へ送ることで「方界」モンスター1体の攻撃力をその数×800アップさせることができ、相手ターンに「方界」モンスターの効果で《方界胤ヴィジャム》が特殊召喚されると相手のライフポイントを半分にし、墓地のこのカードを除外することで「方界」モンスターをサーチできます。

 このカードの目玉となる効果は最後のサーチ効果であり、このカードを始めとした「方界」魔法・罠カードの墓地効果の発動を狙うために《隣の芝刈り》による墓地肥やしを狙う構築となっています。

 サーチ効果には1ターンに1度の誓約が無く、墓地に落ちている分だけ「方界」モンスターをサーチできます。
 状況に合わせたモンスターをサーチし、手早く相手を葬る準備をしましょう。

 「方界」モンスターの永続的な強化は最大で2400に及び、これを受けた《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》は無敵の《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》や親の5300より見た《アクセスコード・トーカー》ですら突破できなくなります。
 ただしデッキの《方界胤ヴィジャム》が尽きることで《方界降世》の発動を阻害することになるため、墓地へ送る枚数はしっかりと吟味する必要があります。

 相手のライフポイントを半分にする効果はこのデッキでは《方界帝ゲイラ・ガイル》《方界超獣バスター・ガンダイル》《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》でしか満たすことができず、何度もこのデッキを使っている筆者ですら発動条件を満たして効果を発動させたことは一度もありません。
 基本的にはインクの染みと考えていいでしょう。

 「方界」モンスターの強化は確かに強力ですが、それ以上にこのカードを墓地へ送ることの方が重要になります。
 手札に来てしまった場合や永続魔法として発動させた場合にどうやって墓地へ送るかは考えておいた方がいいでしょう。

《方界法》

 OCGオリジナルのカードです。

 メインフェイズ時に手札の「方界」カードを墓地へ送って1枚ドローする効果、このカードが場にある限り「方界」モンスターの戦闘による自分への戦闘ダメージを0にする効果、墓地のこのカードを除外することで「方界」モンスターをサルベージする効果があります。

 手札交換効果はそれなりに優秀で、引いてしまい使い道の無い「方界」魔法・罠カードをドローに変換できます。
 ただし手札の「方界」カードが減るということでもあり、《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》の特殊召喚を狙うならば安易に発動しない方が良いでしょう。
 マスターデュエルではこれで《灰流うらら》や《幽鬼うさぎ》のチェックができます。

 戦闘ダメージを0にする効果も優秀で、相手をアンディメンション化させる《方界胤ヴィジャム》による自爆特攻が可能になります。
 自身を特殊召喚する効果は魔法&罠ゾーンに置かれたターンでも発動できるため、能動的に相手モンスターに当たってから再び場に戻ることができます。

 しかしこのカードの目玉はやはり「方界」モンスターのサルベージ効果でしょう。
 こちらは1ターンに1度しか使えませんが、特殊召喚モンスターの多い「方界」を墓地から回収できるのはやはり優秀です。
 《流星方界器デューザ》をサルベージして再び召喚してもいいでしょう。

 【方界】において届かなかった痒いところを正確に掻いてくれるようなカードで、これも大量に墓地へ送りたいですね。

《方界波動》

 藍神が《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》を強化して遊戯にとどめを刺そうとしたカードです。

 通常魔法として発動すると「方界」モンスターの攻撃力を2倍にして相手モンスター1体の攻撃力を半分にし、墓地からこのカードと任意の数の「方界」モンスターを除外することで除外したモンスターの数だけ相手のモンスターをアンディメンション化させます。

 《リミッター解除》もびっくりの永続倍加であり、このカードによる強化を受けた《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》は全てを粉砕します。
 《流星方界器デューザ》ですら何もせずとも攻撃力は3200にまで達し、《青眼の白龍》すらも一方的に粉砕できます。
 さらにダメ押しとばかりに相手モンスターの攻撃力を半減させるため、実質的には自分のモンスターの攻撃力を4倍にさせる効果と言えるでしょう。
 ちなみにこの効果はまず自分のモンスターを倍加させてから相手を半減するため、対象にさえ取れれば完全耐性持ちの相手でもとりあえず倍加だけは適用できます。

 墓地効果はモンスターを無力化できる効果ですが、効果の発動であるためカウンター罠などをスルーして発動できるのはこのカードの強みです。
 《フルール・ド・バロネス》や《ヴァレルロード・S・ドラゴン》などには無効にされますが、効果を使わなければ確実に無力化されることから、それらを釣る目的で発動させてもいいでしょう。
 こちらは墓地が肥えているほど使いやすい効果のため、《隣の芝刈り》で多くの「方界」モンスターと一緒に墓地へ送られるのを祈りましょう。

《方界降世》

 藍神が海馬の《クリスタル・ドラゴン》をアンディメンション化させたカードです。

 通常罠として相手の攻撃宣言時に発動すると《方界胤ヴィジャム》1体をリクルートして相手モンスターとダメージ計算を行わせます。
 自分のライフポイントが相手より2000以上少ない場合に墓地のこのカードを除外することで除外以外の場所から《方界胤ヴィジャム》1体を特殊召喚し、相手フィールドのみにモンスターが存在する場合はさらに追加で2体特殊召喚できます。

 普通に発動させた場合はダメージ計算までをこのカードの効果で行うため、バトルステップの巻き戻しは発生しないまま《方界胤ヴィジャム》の効果によるアンディメンション化まで狙うことができます。
 ただしデッキからしか特殊召喚できないため、《方界業》で全ての《方界胤ヴィジャム》を墓地へ送ってしまったり《隣の芝刈り》で全ての《方界胤ヴィジャム》が墓地へ送られてしまっている場合は発動自体ができません。
 その場合は《方界法》で墓地へ送ってしまいましょう。

 墓地で発動できる効果は《RUM-ゼアル・フォース》と同様にライフポイントの差が2000以上ついている場合にしか発動できませんが、前半の効果と異なり除外以外のあらゆる場所から《方界胤ヴィジャム》を特殊召喚できます。
 さらに相手フィールドのみにモンスターが存在する場合は追加で2体まで特殊召喚でき、《方界超獣バスター・ガンダイル》などの召喚条件を満たすのに役立ちます。
 この効果があることから、《方界波動》で《方界胤ヴィジャム》を除外するのはなるべく避けた方が良いでしょう。

 これも当初の【方界】には欠けていた《方界胤ヴィジャム》を活躍させる手段を補うカードであり、押せ押せ一辺倒だった【方界】の貴重な防御手段です。

《方界合神》

 「方界」専用の融合カードであり、OCG化に際して追加された後半の効果によって存在価値が跳ね上がった1枚でもあります。

 書き方としては「方界」融合モンスター専用の融合カードですが、該当するモンスターが現状では《暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ》しか存在しないため、事実上これ専用のカードとなっています。
 ただ単純に《暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ》を出すだけであれば罠カードであるこのカードを使う意義は薄く、実際に【方界】全般でもこの効果を目当てにこのカードを採用することはまずありません。

 このカードの存在意義は後半の墓地効果にあります。
 自分フィールドの「方界」モンスターがフィールドを離れた場合に、墓地のこのカードを除外することで手札・デッキの「方界」モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚し、この効果で出したモンスターにそのターン限りの戦闘・効果破壊耐性を付与します。

 まず発動条件が非常に緩く、タイミングも逃さないことから「方界」モンスターをシンクロ素材やリンク素材にしても効果を発動できます。
 1ターンに1度しか使用できない誓約も存在せず、墓地に複数枚のこのカードがあればまとめて発動することも可能です。

 これを利用して《流星方界器デューザ》を連打して連続シンクロや連続リンクをするデッキも組むことができ、このデッキでも《アクセスコード・トーカー》まで簡単に辿り着くことができます。

 破壊耐性の付与と召喚条件の無視も優秀で、《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》を出しつつ地味バーンを与えながらターンを凌ぎつつ次のターンに備えることも可能です。
 破壊耐性を付与された《方界獣ダーク・ガネックス》ですら【スプライト】では《神騎セイントレア》によるバウンスか《スプライト・スマッシャーズ》による除外くらいでしか対処できず、非常に緩い条件で出てくる壁としてはそれなりの信頼性があります。

 数ある頭のおかしい「方界」カードの中でも屈指のバグカードであり、この効果のおかげで【方界】が成り立っていると言っても過言ではありません。

《方界縁起》

 こちらもOCGオリジナルの「方界」カードです。

 フリーチェーンでフィールドの「方界」モンスターの数まで相手モンスターをアンディメンション化させられる効果と、自分の「方界」モンスターにアンディメンション化されたモンスター専用の直火焼き効果を付与する墓地効果があります。

 「方界」モンスターの大量展開は難しいものの、このカードで1つや2つの方界カウンターを乗せることができれば【方界】には貴重な妨害手段となります。
 そのまま後半の効果に繋ぐこともできるのでそれなりに有用な効果です。

 後半の直火焼き効果は特に連続攻撃できる《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》や《方界超獣バスター・ガンダイル》と相性が良いです。
 相手モンスターの攻撃力を0にする《方界曼荼羅》や《方界輪廻》は相性が良いのですが、発動条件がやや厳しいため不採用としており、シンプルに攻撃力の高いモンスターで殴る時に使うことになります。

《暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ》

 劇場版の最後に登場したあまりにもはっちゃけたはちゃめちゃモンスターです。

 《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》3体による融合モンスターで、切り札らしく4つものメリット効果を持ちます。
 まずは相手の効果対象にならず効果破壊もされない《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》などと同じ耐性、続いて攻撃宣言の度に相手のライフポイントを半分にする効果、《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》と同様の戦闘破壊をトリガーとした連続攻撃効果、そして自分がバーンダメージを受けた場合に同じ数値を相手に与える効果です。

 4500という高い打点に加えて対象耐性と効果破壊耐性を備えることからシンプルな硬さを誇ります。
 ただし耐性の範囲が《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》とは異なるため、《氷結界の龍 トリシューラ》などにあっさりと処理されてしまうという欠点はあります。
 相手によっては融合しないまま戦った方が有利なこともあるでしょう。

 劇中の藍神の台詞を引用すると、相手のライフポイントを半分にする効果は「邪神の攻めに伴う生け贄」だそうで、なぜ相手のライフポイントから生け贄が賄われるのかは謎です。
 この効果の存在から相手フィールドにモンスターがいなくてもこのカードの攻撃だけで初期ライフは消し飛びます。
 そもそもこんなお手軽に相手のライフポイントを半分にするカードは他には《時械神ミチオン》くらいしか存在せず、単体でゲームエンドまでもっていけるレベルのカードは他にありません。

 それでいて連続攻撃までできます。
 2回の攻撃で相手のライフポイントは1/4しか残らず、《方界帝ゲイラ・ガイル》の地味バーンですら致命傷になりかねません。
 この攻撃力での攻撃に耐えられるモンスターもほとんど存在せず、非常に高い攻撃性能で相手を圧倒できるでしょう。

 そしてなぜかバーンダメージを丸ごと相手に跳ね返します。
 一応ダメージがきっちり入ってから相手に与えるため、致死量のダメージを受けると負けますが、ライフポイントを半減する効果もあることから中途半端なバーンダメージはむしろ相手自身が苦しむことになるでしょう。

 これだけのメリット効果を備えながらデメリットは存在しないという豪快なモンスターであり、《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》の召喚は度外視してこのカードを出すことに特化した【方界】を組むこともできます。
 その場合でもやはり《方界合神》を使用した融合をすることはほぼ無いため、シンプルな【正規融合】としてデッキを組むといいでしょう。

「方界」以外のカード

《隣の芝刈り》

 自分のデッキ枚数が相手と同じになるように削るというなんとも大味な墓地肥やしカードです。

 基本的にデッキのどのカードが墓地へ送られても問題無いデッキでしか採用されませんが、このデッキは墓地に落ちて困るカードは墓地効果でサルベージできるため何のデメリットも無く発動できます。

 問題は墓地肥やしが完全にランダムであるため爆発力こそあるものの安定性に欠けるという点ですね。
 近年では40枚ジャストにデッキ枚数を収めなくてもいいという理論がちらほらと飛び交っており、場合によっては相手もデッキ枚数が60枚で発動できないという場面もあります。

 一応このカードが引けなくても戦えるような構築ではありますが、非常に高性能なこのカードでも腐り得る可能性がある点は念頭に置いておきましょう。

 ちなみに1ターンに1度の誓約がないので《灰流うら》を使われても2枚目さえ握っていればそのまま叩きつけられます。

《名推理》

 相手が推理をするカードです。

 このデッキではレベル1か4が正解であり、《デビル・フランケン》を狙い撃ちするレベル2宣言や、大型モンスターを潰すつもりのレベル8宣言は確実に外れます。
 また2枚目以降でも《方界胤ヴィジャム》がデッキに残っていれば確実な正解はできません。

 このカードの目的は通常召喚可能なモンスターが出るまでの「方界」魔法・罠カードを可能な限り墓地へ送ることであり、モンスターの特殊召喚は正直どうでもいいです(出せたら嬉しい)。

 場合によっては《隣の芝刈り》を超える成果を挙げることもあり、墓地へ送る枚数すら安定しないものの爆発力に長けたカードです。

《一撃必殺!居合いドロー》

 アニメ『遊戯王GX』の1話限りのゲストキャラである橘一角が使用した、彼の夢の1ターンキルデッキのキーカードです。

 手札を捨てて相手フィールドのカード枚数分だけデッキの上から墓地へ送り、1枚ドローします。
 その結果引いたカードが《一撃必殺!居合いドロー》だった場合は墓地へ送り、お互いのフィールドを全て破壊して、破壊され墓地へ送られた枚数×2000のダメージを与えます。
 《一撃必殺!居合いドロー》以外のカードを引いた場合はデッキから落とした枚数分だけ墓地のカードをデッキに戻します。

 アニメではバーンダメージが破壊した枚数×1000ですが、1ターンキルに必要な枚数は変わっていません。
 また後半の墓地回収効果も存在せず、正真正銘の一撃必殺用のカードでした。

 このデッキではまず手札コストで不要な「方界」カードを捨てられる点が優秀です。
 他にも《ツインツイスター》や《禁じられた一滴》なども採用していますが、こちらは相手フィールドにカードが存在してさえいればいいので条件が非常に緩いです。

 また枚数は微々たるものですがデッキの上から数枚を墓地へ送れるため、「方界」カードを墓地へ送ることが見込めます。
 手札コストとこのカードで2枚消費するため、3枚以上落とせれば及第点でしょうか。

 そして外した場合の回収効果で《ハーピィの羽根帚》や《名推理》などを回収できれば、墓地の質を向上させられて良いでしょう。

 つまりこのカードは《一撃必殺!居合いドロー》を引かないことを前提に採用しています

 うっかり《一撃必殺!居合いドロー》を引いてしまった場合は、派手なバーンダメージと共に相手が砕け散ります。
 効果処理で墓地肥やし→ドロー→破壊→バーンまでこなすためあらゆるカードの介入するタイミングは存在せず、効果を通した時点でデュエルが終了します。

 言い換えると自他共にこのカードに対しては一撃死の可能性を回避するためにあらゆる妨害を使わなければならないということであり、効果を通してしまったがために敗北した決闘者を何人も見てきました。

 使う側は外しても手札が1枚減るだけですし墓地肥やしと墓地回収ができるので、1ターンに1度の誓約があることさえ忘れなければ雑に使ってもいいのがポイント高いですね。
 最悪墓地に2枚の《一撃必殺!居合いドロー》があってもこのカードでまとめて回収できます。

《錬装融合》

 「方界」とは全く関係ないのにピン挿ししてあるので一応さらっと解説します。

 見ての通り「メタルフォーゼ」融合モンスターは採用されていないため、引いた場合はゴミになります。
 速やかに手札コストで墓地へ送りましょう。

 このカードの真価は墓地効果にあり、墓地の自身をデッキに戻すことで1枚ドローに変換できます。
 つまり《隣の芝刈り》や《名推理》を使用した後に手札が増える可能性があるということです。

 このためだけに入っているため、ただでさえ事故率がそれなりに高いこのデッキでさらなる事故を引き起こすことが怖い人は抜きましょう。
 筆者は入れてます。

《アクセスコード・トーカー》

 親の5300より見た5300通すマンです。

 自身の効果に相手はチェーンできない効果外テキストと、攻撃力がリンク素材にしたリンクモンスター1体のリンクマーカーの数×1000アップする効果、フィールドか墓地のリンクモンスターを除外することで相手フィールドのカードを1枚破壊できる効果を持ちます。

 展開に長けず大型リンクモンスターを出しにくいと思われるデッキですが、先述した《流星方界器デューザ》と《方界合神》による能動的な連続リンク自体は可能であり、その中でも汎用性が高いのがこのカードです。

 《トロイメア・ユニコーン》などを経由する場合は《破械雙王神ライゴウ》などでもいいのですが、このカードの場合は既に《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》による3000ダメージが通っていればそのままゲームエンドまでもっていけるのが強みです。
 むしろ《双穹の騎士アストラム》の方がどうやって出すのか謎なレベルです。《破械雙王神ライゴウ》と入れ替えるべきですかね。

【芝刈り方界】の強み

 基本的にこのデッキでは大量展開は行いません。
 というかデッキの特性上、大量展開したくてもそれだけの力がありません。

 大抵の場合、モンスター単体か多くて2体で殴りかかることになります。

 そのため《拮抗勝負》や《ライトニング・ストーム》といった捲り札によって受ける影響が少なく、墓地に《方界合神》さえあればそこから巻き返すことも可能です。

 また耐性のある高打点モンスターで殴るという戦法が基本となるため、打点は低いもののトリッキーな動きで妨害を行うようなデッキには無類の強さを発揮します。
 具体的には【イビルツイン】には滅法強く、《方界波動さえあれば《Evil★Twin's トラブル・サニー》の分離から繰り出される《Evil★Twin リィラ》の除去も《Live☆Twin リィラ・トリート》の墓地効果すら効かず、《Live☆Twin トラブルサン》によるスパチャ地味回復の上からねじ伏せることができます。
 どちらかと言えば《Evil★Twin's トラブル・サニー》単体で突っ張られる方が対処に困ったりします。

 そして時折触れていましたが、実は長期戦もこなせるというのがこのデッキ最大の強みです。

 大前提としてある程度墓地が肥えている必要がありますが、リソースが尽きなければ《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》か《方界超獣バスター・ガンダイル》の着地から1ターンキルを狙うことができます。

 ただし長期戦といっても、往復10ターンが関の山で、それを超えると流石に厳しくなります。
 ある程度無茶のできるライフポイントが残ってないと厳しいですからね。

【芝刈り方界】の弱み

 それなりの耐性を持つ大型モンスターによるビートバーンがこのデッキの根本的な戦術です。

 言い換えると、これで突破できない耐性持ちの大型モンスターを相手にした場合や、バーンではどうしようもない場合は勝ち筋がほぼ消滅します。

 特にキツいのは《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》と《魔王龍ベエルゼ》ですね。
 前者は《方界波動》を使った《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》で相打ちができるので、しんどいだけで解決策が無いわけではありません。
 後者は戦闘破壊できず、ダメージを与える度に強化されていくため、アンディメンション化させないと処理する手段がありません。

 根本的に話にならないモンスターはあまり多くないですが、いずれも回答が引けなければデュエルが停滞、あるいは敗北に直結し得る強敵です。

 また《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》や《レベル制限B地区》といった古典的な永続系の攻撃封じカードにもテーマ外からの回答を用意しなければなりません。
 だから《ツインツイスター》が積まれているんですね。

 そして何よりも手札事故の可能性は常に孕んでいます。

 《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》を出すためには「方界」カードが3種類必要であり、同名カードが被っている場合は召喚条件にカウントされず出せないこともしばしばあります。
 たとえ出せるとしても《方界超獣バスター・ガンダイル》などは初手にあっても特別仕事があるわけでもなく、ずっと手札で腐ることになります。
 そのため後攻で相手の1妨害や2妨害ですら突破できないこともあり、全体を通して苦しい戦いを強いられます。

総括

劇場版ゲストキャラにしてラスボス

 以上が筆者の使っている【芝刈り方界】でした。

 基本的には《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》で殴ることに全神経を注げばいいのですが、それが通らなくても諦めずに戦っていればいずれ勝機を掴み取れるでしょう。

 この後に採用しなかったものの魅力のある「方界」カードについて載せておくので、時間のある人は見てみてください。

 それでは、良いデュエルライフを!

おまけ(不採用「方界」カード)

《方界獣ブレード・ガルーディア》

 《方界獣ダーク・ガネックス》の次の形態です。

 攻撃力は2000まで上昇し、2回攻撃ができ、モンスターを戦闘破壊すると自身を墓地へ送り《方界胤ヴィジャム》を3体まで蘇生させて《方界超獣バスター・ガンダイル》をサーチできます。

 実は「方界獣」(非公式名称)は、素材の数×1000の攻撃力となり、素材の数分だけバトルフェイズ中に攻撃できるというデザインになっています。

 このカードが不採用の理由としては、何をするにしても中途半端だからですね。
 攻撃力2000では倒せるモンスターに限界があり、効果の発動がモンスターの戦闘破壊直後であることから2回攻撃を十全に活かせないことが多いです。

 手札から出すにしても「方界」モンスターを2体も要求するため、除去された際のリスクの方が大きくリターンが見合っていないため不採用となりました。

《方界帝ヴァルカン・ドラグニー》

 《方界帝ゲイラ・ガイル》の次の形態です。

 攻撃力は1600に達し、手札から特殊召喚された場合の地味バーン、戦闘したダメージステップ終了時に自身を墓地へ送り《方界胤ヴィジャム》を3体まで蘇生させて《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》をサーチできます。

 実は「方界帝」(非公式名称)は素材の数×800の攻撃力となり、共通して手札からの特殊召喚に成功した場合に800ダメージを与えるデザインになっています。

 不採用の理由は言わずもがな、素材の要求数に対する攻撃力の上昇値が低すぎるためです。

 《方界帝ゲイラ・ガイル》は1体の「方界」モンスターを800バーンに変換できるため割と気軽に使えますが、流石に2体も要求されると重いです。
 与ダメージも素材の数に比例して増えるのであれば採用を検討しましたが、800固定では厳しいと言わざるを得ません。

 一応「方界獣」と異なり相手モンスターを戦闘破壊する必要はないため、《方界合神》で特殊召喚されたターンに戦闘を行えば《方界胤ヴィジャム》を並べられますが、そこまでする必要性は薄いでしょう。

《方界曼荼羅》

 海馬vs藍神戦で海馬のフィールドをロックした永続罠です。

 「方界」モンスターが存在する場合にこのターンに破壊された相手モンスターを任意の数だけ攻撃力0のアンディメンション化した状態で蘇生させ、蘇生されたモンスターが存在する限り相手の発動したモンスター効果は全て無効となり、蘇生されたモンスターが全てフィールドを離れると自壊します。

 だいたいリンクモンスターが悪いです。

 劇場版では「方界」モンスターの分離合体はバトルフェイズ中に行うことができ、「方界獣」モンスターによる連続攻撃でフィールドをガラ空きにしつつ全てのモンスターを蘇生させることで盤面をロックしました。
 しかしOCGではそんなことはできず、多くても2〜3体の蘇生が限界でしょう。

 蘇生されたモンスターを《方界縁起》の効果を受けた「方界」モンスターで戦闘破壊することで直火焼き以上のダメージを出すことができますが、戦闘破壊が基本となる【方界】においてこれを1ターンでこなすことはほぼ不可能に近いです。

 また蘇生されたモンスターがいる限り相手のあらゆるモンスター効果の発動は無効化されますが、ここでリンク召喚という敵が現れます

 劇場版にはエクシーズ召喚すら存在しないため盤面ロックが成立していましたが、現代ではレベルすらも基本的に問わないリンク召喚が闊歩しています。
 これがある限り、相手はターンが返ってきた途端に蘇生させたモンスターを大型リンクモンスターに変換してこちらへ襲いかかってきます。

 エクシーズ召喚の存在から既に怪しいカードではありましたが、リンク召喚の登場によって完全に息の根を止められました。
 マスターデュエルの融合フェスやシンクロフェスではなぜか「方界」に規制がかかっていないため、ここであれば活躍の機会があると思います。

《方界輪廻》

 劇場版の海馬vs藍神戦で《青眼の亜白龍》を大量展開させたカードです。

 相手の直接攻撃宣言時にそのモンスターと同名モンスターを可能な限り特殊召喚させ、そのモンスターと特殊召喚されたモンスター全てをアンディメンション化させ、さらに手札のレベル4以下の「方界」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚します。

 こちらも《方界曼荼羅》と同様に素材にされるのがオチです。
 こちらは発動タイミングが相手の直接攻撃宣言時ということもあり、メインフェイズ2でほぼ確実に処理されます。

 手札から「方界帝」モンスターを出せば地味バーンが炸裂しますが、わざわざこのカードでやる必要性は薄いでしょう。

 エクシーズ召喚の無かった劇場版ならともかく、現代では発動タイミングの遅さもあり採用は厳しいでしょう。

 決闘者の数だけデッキの可能性は広がります。
 筆者が採用しなかったカードにも可能性を見出し、皆さんだけのオリジナルのデッキを是非組み上げてください。
 数多の変t……奇抜なデッキが世に放たれるのを楽しみにしています。

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