【オッドアイズ】《プロキシー・F・マジシャン》採用型について
皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。
今回は珍しくコメントを頂いたので、それに対するアンサーとしての記事となります。
頂いたコメントとしてはこのようなものです。
問題となっているのはこのカードですね。
《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》
モンスター効果では自分のPモンスターが戦闘を行うダメージステップ時に戦闘破壊から守りつつ自身を特殊召喚する効果と、自身を含めてPゾーンを含む自分フィールドのモンスターカードを素材に融合召喚する効果を持ちます。
P効果ではドラゴン族専用の融合カードとして手札・フィールドのモンスターを素材に融合召喚する効果を持ちます。
一見すると優秀なカードであり、実際優秀なのですが、実は割と無視できない問題を抱えています。
列記すると以下のようなものが挙げられます。
・Pスケールが中途半端
・フィールドに出しにくい
大きく絞るとこの2点です。
要するに効果以外の部分が弱いということになります。
これらについてもうちょっと詳しく見てみましょう。
Pスケールが中途半端
Pカードを使う人にとっては常識レベルの話ですが、Pスケールは基本的に極端に高いor低いのがベストです。
中途半端な数値では出せるモンスターの幅に限りがあり、それだけで採用を敬遠されるようなカードとなります。
一応例外的な存在もあり、例えばデッキ圧縮用のカードとして採用される《アンカモフライト》や、そもそもP召喚を想定していない「魔導獣」PモンスターなどはPスケール4でも問題無く採用されます。
《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》もこれに該当し、融合召喚する効果を目当てにPゾーンに置くことが多いですが、【オッドアイズ】では《EMドクロバット・ジョーカー》や《覇王眷竜ダークヴルム》などのレベル4モンスターを少なからず採用しているためちょっと困る場面もあります。
フィールドに出しにくい
KONAMIは高レベルのP召喚を過剰に恐れている節があり、Pスケール9以上かつP召喚に際してデメリットが存在しないものは僅か12枚しか存在しません(公式大会で使用不可のものを除く)。
さらにメインデッキのカードのみに絞ればたった4枚という状態であり、レベル8以上のP召喚には構築段階で捻りを加えなければならないことがわかるかと思います。
件の《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》はレベル8であり、Pスケールを工夫しなければP召喚しづらいということになります。
その救済措置として自身を特殊召喚する効果も持ち合わせていますが、Pモンスターが相手モンスターと戦闘するダメージステップ時と非常に遅いタイミングとなります。
それでも採用に漕ぎ着けているのには、とあるカードの助けがあってこそです。
この《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》のP効果による特殊召喚で《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を特殊召喚するのです。
「オッドアイズ」カードは《天空の虹彩》や《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》によって破壊されることが日常茶飯事であり、その破壊をトリガーに《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を特殊召喚しようという算段です。
むしろこれが基本の出し方となります。
ところが《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》と競合する、強力なモンスターがもう1体存在します。
《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》です。
P効果としては手札を捨ててEXデッキのドラゴン族Pモンスターを回収する効果。
モンスター効果としては特定の条件下でP召喚権を放棄することで自身を手札から特殊召喚できる効果と、相手モンスターに攻撃するダメージ計算時に相手モンスターを弱体化させる効果を持ちます。
こちらもレベル8であり、高い攻撃力によって相手を粉砕する強力なアタッカーとなります。
どちらもレベル8であることから《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》で特殊召喚するモンスターの候補であり、これが競合するというわけですね。
改めてコメントを見返してみると、《プロキシー・F・マジシャン》を使用することで《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》を優先的にフィールドに呼び出せるのではないか、という提案をされていることがわかります。
ではその《プロキシー・F・マジシャン》について見てみましょう。
《プロキシー・F・マジシャン》
召喚条件の緩いリンクモンスターで、扱いやすいリンクマーカーを備えています。
効果としては2つ、自分フィールドのモンスターを素材に融合召喚する効果と、リンク先に融合モンスターが融合召喚された場合に手札の攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚できる効果があります。
《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》と比較するとそれぞれ勝っている部分と劣っている部分があるので、じっくり比較していきましょう。
《プロキシー・F・マジシャン》の長所
ざっと挙げると下記が利点として挙げられます。
・フィールドに出しやすい
・リンクマーカーが扱いやすい
・自身を素材にしなくても良い
上から順に見ていきましょう。
フィールドに出しやすい
リンク素材には効果モンスター2体を指定しており、Pモンスターを含まなくても出せることから《軌跡の魔術師》や《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》など使い終わったリンクモンスターをリンク素材にすることも可能です。
《EXP》は追加のP召喚権を得られますが、出せる場所からエクストラデッキからのみという条件付きであり、新たにリンク先を用意するという観点では扱いやすいカードとなるでしょう。
リンクマーカーが扱いやすい
左下と右下というリンクマーカーは純粋に扱いやすく、左右どちらのエクストラモンスターゾーンに置いても機能しやすいという点で優秀です。
禁止カードである《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》や《水晶機巧-ハリファイバー》などもこのリンクマーカーとなっています。
《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》《軌跡の魔術師》といったカードもこのリンクマーカーであることから、展開を見据えたモンスターの配置を考えやすくしてくれる点も優秀ですね。
自身を素材にしなくても良い
上述の通り、《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》のモンスター効果では自身を含めて融合召喚する必要があり、フィールドに残すことができません。
また自身がフィールドから離れてはいけない都合上《幽鬼うさぎ》などが直撃すると融合自体できなくなる欠点を抱えています。
一方で《プロキシー・F・マジシャン》は効果の起動をするだけで自身を素材にする必要は無いため、リンクマーカーを保持したまま融合召喚でき、自身が除去されても融合自体は成立するという利点があります。
そうでなければ後半の効果に繋がらないため当然と言えば当然ではありますが。
《プロキシー・F・マジシャン》の短所
長所の多い《プロキシー・F・マジシャン》ですが、当然短所も存在します。
こちらも列記しましょう。
・フィールドのモンスターしか融合素材にできない
・エクストラデッキを圧迫する
・②の効果の使い道に乏しい
いずれも無視できない問題なので見ていきます。
フィールドのモンスターしか融合素材にできない
《融合》では手札・フィールドのモンスターを融合素材にできます。
《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》のP効果もドラゴン族の融合召喚しかできないものの、手札・フィールドのモンスターを融合素材にできます。
そして《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》のモンスター効果ではフィールドしか融合素材に使用できないものの、Pゾーンのカードまで融合素材にすることができます。
一方で《プロキシー・F・マジシャン》はフィールドのモンスターしか融合素材にできません。
Pゾーンのカードはともかく、手札すらも素材にできないのは問題です。
というのも、【オッドアイズ】では《アストログラフ・マジシャン》でサーチした《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》や《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》で引いた2枚目の《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》などを素材に融合することが多々あり、それらを吐き出せないことはマイナス評価となるのです。
《プロキシー・F・マジシャン》自体が【サイバース族】における融合要素としてデザインされていることから仕方ない側面もありますが、やはり少々厳しい評価を下さざるを得ません。
エクストラデッキを圧迫する
「オッドアイズ」はアニメ産のテーマでもあることから断続的に新規カードが登場しており、エクストラデッキに入る「オッドアイズ」カードは《覇王天龍オッドアイズ・アークレイ・ドラゴン》を除いても10種類存在します。
さらに「スターヴ・ヴェノム」モンスターや「クリアウィング」モンスター、ファンデッキ寄りであれば「覇王眷竜」モンスターや《覇王龍ズァーク》、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》や「ペンデュラム・ドラゴン」融合モンスターなど採用したいカードは多く存在します。
《EMオッドアイズ・シンクロン》でシンクロ召喚する先として有力な《フルール・ド・バロネス》や《深淵の神獣ディス・パテル》なども捨て難いです。
無論《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》や《軌跡の魔術師》などのリンクモンスターも採用したいため、エクストラデッキの枠はカツカツです。
それらを差し置いて《プロキシー・F・マジシャン》を採用するかどうかと聞かれると怪しいものがあります。
②の効果の使い道に乏しい
【オッドアイズ】に採用したいモンスターの多くは攻撃力1000を超えるものが大半であり、わざわざ《プロキシー・F・マジシャン》の②の効果で出したいカードは特にありません。
強いて挙げるならば《EMオッドアイズ・シンクロン》くらいですが、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》や《覇王門零》のPスケールが0であることからペンデュラム召喚できない場面は少なく、あえて手札に温存しておく理由はあまりありません。
どちらかといえばこれもリンク値をさらに伸ばすための【サイバース族】向けの効果であり、あまり活用できないものと考えた方がいいでしょう。
デッキレシピ
それでもやはり頭ごなしに「ダメ!不採用!」と評価するのは良くないと思ったので、《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を捨てて《プロキシー・F・マジシャン》を採用した形で組んでみました。
なお試験環境は遊戯王マスターデュエルなので、遊戯王OCGではまた少し変わった構築になるかと思います。
また、手札誘発に関しては展開の邪魔になったので全部抜きました。
先攻では2〜3妨害をタイミングを見て切っていき、後攻では手数で押し切りましょう。
個人的所感
《プロキシー・F・マジシャン》が弱いとは言いませんが、《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》が欲しくなる場面はめちゃくちゃ多かったです。
適当にサーチしてからPゾーンに置いても良し、そのまま《EMオッドアイズ・シンクロン》と共に《フルール・ド・バロネス》になっても良しと取り回しの良さが強かったんだなと再確認することになりました。
《プロキシー・F・マジシャン》から《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を出す場合は必ずその前に《原始生命態ニビル》を踏むことになるため、そこも少々弱いかなと感じました。
ただしリンク先を確保しつつ《EXP》で2体分のP召喚をこなせる点は評価できるため、両者を併用しながら状況に合わせたものを出すのが無難かなという結論を出したいと思います。
まとめ
《プロキシー・F・マジシャン》が弱い要らないとは言いませんが、《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》は要ります。絶対。
実は【オッドアイズ】をガチ寄りというか強さを追求しようとすると、エクストラデッキに2〜3枚分の余裕が生まれます。
理由としては《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》がマスターデュエルでは制限カードのためですね。
OCGでは3枚積めるため《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》なども採用でき枠がカツカツとなりますが、1枚くらいは《プロキシー・F・マジシャン》を採用する余地があります。
皆さんも10000種類を超える遊戯王カードを見比べながら、自分のデッキに採用できそうなカードを比較検討して自分オリジナルのデッキを組んでみましょう。
筆者の記事にこのカードはどうかとコメントしたり、あるいは筆者の記事に対する反対記事などを書いたりしてもらえると反応することがあるので気軽に書いてください。
お互い楽しい遊戯王ライフを送りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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