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【TGガジェ】について(ゲートボール1103環境@マスターデュエル)

 皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。

 よく公園で老人達が集まってゲートボールをしている姿を見かけるでしょう。
 その姿をなぞらえて、過去の環境でデッキを構築しデュエルすることをゲートボールと呼びます(※諸説あり)。

 今回は遊戯王において支持率の高いゲートボールである1103環境のデッキについての記事となります。

カードプール

 先に当時のカードプールを確認しておきましょう。

 使用可能なカードの中で最新のものは《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》であり、遊戯王ニューロンで発売日順に検索した際に《インフェルニティ・ジェネラル》以降に表示される全てのカードは使用不可能となります。

 また当時の禁止・制限カード(現:リミットレギュレーション)についても確認しておきましょう。

禁止カード
制限カード
準制限カード

 そして当時の禁止・制限カードでは使用できたものの、現在マスターデュエルでは生成できないカードについても併記しておきます。

マスターデュエル生成不可

 それではデッキレシピを見ていきましょう。

デッキレシピ

 構築のベースとしては【除去ガジェ】に近く、打点の低さや継戦力を「TG」で補っています。

 「ガジェット」モンスターの採用枚数は人によって分かれるところですが、筆者はいわゆる6ガジェで構築しています。

 これについては【ガジェット】における確率論の面から見てみましょう。

「ガジェット」カード

 いわゆる6ガジェなので採用枚数は以下の通りです。

×2 《グリーン・ガジェット》
×2 《レッド・ガジェット》
×2 《イエロー・ガジェット》

 6ガジェの場合、初手にいずれかの「ガジェット」モンスターを引き込む確率は約57.7%です。
 2戦中1回は初手で「ガジェット」モンスターを引くことができる確率であり、引けない場合でも豊富な除去札や「TG」モンスターで時間を稼げます。

 一方で9ガジェの場合は約74.2%にまで跳ね上がり、4戦中3回は初手に「ガジェット」モンスターを握れるため安定度で言えばこちらの方が上です。

 しかし「ガジェット」モンスターは1枚の召喚に成功すると芋づる式に後続がサーチできることが強みであり、手札で重複することは余程の理由が無ければ好ましいことではありません。
 具体的には《マシンナーズ・フォートレス》の特殊召喚コストに充てるなどの明確な用途や、《エフェクト・ヴェーラー》や《デモンズ・チェーン》などが流行してサーチが通りにくい環境であるといった理由です。

 また、6ガジェで2枚が重複する確率は約26.4%ですが、9ガジェでは約48.7%とやや高い数値となります。
 3枚重複する確率に至っては6ガジェは約8.5%ですが、9ガジェはなんと約26.5%になります。

 つまり6ガジェで2枚重複するよりも9ガジェで3枚重複する確率の方が僅かながら高く、単体では手札で腐る2枚目以降の「ガジェット」モンスターの利用方法を用意できなければ9ガジェで組む利点は薄いということになります。

 これはあくまで確率論であり、実際には6ガジェでも重複しまくったり9ガジェでも全く引けなかったりということはあり得ます。
 しかし、とりあえず机上論からデッキを組むことも時には大切でしょう。

 ちなみに筆者は9ガジェだとほぼ100%「ガジェット」モンスターが重複するため、それを嫌って6ガジェにしているみたいなところもあります。

「TG」カード

 デッキ名の片割れである「TG」カードです。

 1103環境においてはS召喚の補助として、多くのデッキで「TG」モンスターの出張セットが採用されていました。
 「TG」モンスターは破壊されたターンのエンドフェイズ時に同名以外の「'TG」モンスターをサーチできる効果を有しているため、「ガジェット」モンスターとタイミングは異なりますが戦線を維持してくれます。

 このデッキも「ガジェット」の低い打点を補えるSモンスターを呼び出すために「TG」モンスターを出張させています。

×3 《TG ストライカー》
×1 《TG ラッシュ・ライノ》
×3 《TG ワーウルフ》

 《TG ストライカー》は《サイバー・ドラゴン》と同じ条件で特殊召喚できるチューナーであり、地属性でもあることから「ガジェット」モンスターと共に《ナチュル・パルキオン》をS召喚できます。
 このデッキでS召喚を狙う場合は欠かせないカードです。

 《TG ラッシュ・ライノ》は攻撃する際に攻撃力が2000まで上昇するため、このデッキの天敵となる《ライオウ》を一方的に処理できます。
 展開には一切寄与しないため採用枚数は1枚に留めていますが、このカードを破壊して処理すると後続の「TG」モンスターに繋がるため、相手にとっては処理に少々手間取るカードになります。

 そして《TG ワーウルフ》は下級モンスターの特殊召喚に反応して手札から特殊召喚できるモンスターです。
 《TG ストライカー》と共にレベル5のSモンスターのS素材になったり、そこに「ガジェット」モンスターを絡めて《氷結界の龍 トリシューラ》のS素材になったりします。
 ステータスは低く、単体では「ガジェット」モンスターとのシナジーが薄いため、採用枚数を減らしてもいいかもしれません。

魔法・罠カード

 汎用性が高く、単体で機能するカードを中心に採用しています。
 戦線の維持そのものは「ガジェット」モンスターのおかげでしやすいため、「ガジェット」モンスターでは処理できない高ステータスのモンスターを優先的に除去していきましょう。

EXデッキ

 メインデッキのステータスが全体的に低いため、戦闘面ではEXデッキのモンスターに頼りがちとなります。

 ランク4のXモンスターの他、《TG ストライカー》というチューナーを擁することからSモンスターを揃えておきましょう。
 特に「ガジェット」とS召喚できる《ナチュル・パルキオン》は、罠カードの飛び交う1103環境で一度着地した後は大きな脅威として相手に立ちはだかります。

 《グローアップ・バルブ》を筆頭とした植物族の出張セットを採用し《ナチュル・ビースト》を出すことを検討してもいいかもしれません。

 【除去ガジェ】に足りない打点を補う存在のため、採用カードについてはしっかり吟味しましょう。

戦術

 基本的にこの環境で出される下級モンスターを相手に、メインデッキのモンスターの攻撃力ではほぼ勝てません。

 そのため、モンスターの効果によりリソースが枯れないよう戦線維持しつつ、魔法・罠カードで相手モンスターを除去していき、隙を見てS召喚やX召喚を狙うことが基本戦術となります。

 魔法・罠カードはこの基本戦術から逸脱しない範囲であれば《ブラック・コア》や《因果切断》のような破壊を伴わない除去札を採用しても問題無いです。
 モンスターもテンポロスにさえならなければある程度自由なカードが採用でき、中でも《カゲトカゲ》は《血の代償》の存在しないマスターデュエルにおいて手早くランク4をX召喚できるため好相性です。

まとめ

 今回は1103環境のメタの一角である【TGガジェ】の記事でした。
 マスターデュエルでプレイするため先攻ドローが無く、《王宮の弾圧》や《ダスト・シュート》も存在しない環境であるため当時の環境とは微妙に異なりますが、似たような雰囲気は味わえるでしょう。

 【ガジェット】そのものが決闘者によって構築もプレイも十人十色であるため、あなただけの【ガジェット】を組んで完成させてみてはいかがでしょうか?

 この記事でより多くの人が1103環境を楽しんでもらえると嬉しいです。

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