
Q.もしかして【征竜】って強くないのでは?
皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。
先日、マスターデュエルにて「タイムトラベル2014」という短期イベントが開催されました。
2014.4.1〜のリミットレギュレーションでデュエルし、3勝することでマスターデュエル内の最新弾が1パック貰えるというイベントでした。
ここではレンタルデッキというカードを生成せずとも使えるデッキが借りられました。
マスターデュエルのイベントでは恒例ですね。
今回はこのレンタルデッキの中に【征竜】が存在し、使ってみようと実際に使った人もいると思います。というか何度か対面で戦ったので手に取った人はそれなりにいるでしょう。
そこでこう思った人はいませんか?
「言うほどこのデッキ強いか……?」
歴代最強デッキの一角とも呼ばれた【征竜】ですが、以下のような問題に直面する相手が多いように見受けられました。
・実際に使ってみると何をしたらいいのかわからない
・どう動けばいいのかわからない
・リソースが一瞬で尽きる
果たして本当に【征竜】は強いデッキだったのでしょうか?
なおこの後、レベル7の「征竜」のことを「親征竜」、レベル3または4の「征竜」のことを「子征竜」と便宜上呼びます。
「親征竜」の効果

このカード名の①〜④の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①自身と○属性モンスターを墓地へ捨て、(カード毎の固有効果)を発動できる。
②ドラゴン族または○属性モンスターを手札・墓地から2体除外して発動できる。このカードを手札・墓地から特殊召喚できる。
③自身が特殊召喚されている場合、エンドフェイズ時に発動する。自身を手札に戻す。
④自身が除外された場合に発動できる。デッキからドラゴン族・○属性モンスターを手札に加える。
手札・フィールド・墓地をぴょんぴょん跳ね回り、除外されても後続をサーチできるカードです。
ただしサーチ後は固有効果が使えず、固有効果を使えば自己再生できず、自己再生すれば次のターンにはバウンスしてしまうなど、まだ些か理性が残っているように見えますね。
基本的には引かなければ使えず、墓地を肥やすなど工夫しなければならないカードでした。
「子征竜」の効果

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①ドラゴン族または○属性モンスター1体と自身を手札から捨てて発動できる。(対応する「親征竜」)1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
「子征竜」は後発のプロモーションパックで登場したカード群ですが、こいつらの登場が【征竜】を環境クラスまで押し上げてしまいました。
まず引かなければ役に立たない「親征竜」を雑にリクルートできてしまいます。
本来はリクルートした「親征竜」をエンドフェイズ時に自身の効果でバウンスさせる予定だったのでしょうが、普通に各種素材に使えてしまいます。
また使用するコストは墓地に溜まり、リクルートしてきた「親征竜」の自己再生コストにも転用できるため、リクルートしてきた「親征竜」を墓地に叩き落とせば攻撃可能な状態で舞い戻ることも可能です。
さらに「親征竜」の効果でサーチ可能であり、既にサーチ効果を使用していることから「子征竜」でリクルートしてきてもエンドフェイズ時にバウンスすることはありません。
まさに「親征竜」を支える献身的な子供ですね。
なお2:1交換ではありますが、当時は《灰流うらら》なんてカードは存在しないので恐れるものはありません。
【征竜】の基本的な動き

極論なのですが、先攻でやることはレベル7を2体並べて《幻獣機ドラゴサック》を立てて「幻獣機トークン」を2体特殊召喚するだけです。
あとはあれば速攻魔法や罠を伏せるくらいですね。
え、それだけ?と思う人もいるでしょうが、これだけです。
そもそも【征竜】が出てきた頃の環境は
・先攻ドローが存在する
・戦闘でアドバンテージを得ることが基本
・特殊召喚回数が多くない(《原子生命態ニビル》が出てくる条件がほぼ満たせない)
・制圧モンスターが容易に出てこない
・「絶対に返せない盤面を作られる」というシチュエーションがほぼ発生しない
という状態でした。
後攻ワンキルの申し子である【甲虫装機】や【聖刻】も規制を受け、数ターンかけてライフポイントを削り合うことが基本です。
そんな中《幻獣機ドラゴサック》は下記のような強みを持っていました。
・戦闘破壊するためにモンスター3体を要求する
・そもそも《幻獣機ドラゴサック》本体が攻撃力2600ある
・除去しそびれると次ターンで「幻獣機トークン」が増える
・リリース要員の調達が可能
・除去要員も兼ねている
召喚!特殊召喚!攻撃!エクシーズ召喚!と戦っていた連中を相手にこの性能はオーバースペックです。
いや百歩譲ってレベル7×2という召喚条件が非常に重いものであれば問題無かったんです。
《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》もレベル4を3体揃えるのが大変だったからこそ許されていた存在でした。
ところが【征竜】ではこのオーバースペックマシンがポンと簡単に出てくるんですね。
そりゃ普通のデッキでは処理が追いつきません。
《サンダー・ボルト》?
禁止カードですよ。
《ブラック・ホール》?
制限カードですよ。
《エフェクト・ヴェーラー》?
次のターンで除去できますか?
【征竜】の強さを支えていたのは間違いなくこの汎用性抜群オーバースペックマシンの存在であり、このカードがなければ《No.11 ビッグ・アイ》のキャッチボールと《迅雷の騎士ガイアドラグーン》のぶつかり稽古をするだけのデッキだったでしょう。
そうは言ってもランク7すら立たないんですけど!と実際にデッキを回した人は思ったでしょう。
それは大幅な規制を受けた結果、ランク7エクシーズではなくレベル8シンクロを中心としたデッキにシフトしたという前提を知らないためです。
では次は時代の変遷による【征竜】の動きの考え方について見てみましょう。
【征竜】の構築の変遷

当時からプレイしていた人はともかく、最近始めた人や当時触れていなかった人は【征竜】と言われてもどのような構築だったのか知らないでしょう。
当時採用できたカードの枚数によって、各カードの使用方法や役割が変わっていきました。
まずはそこから理解しなければならないでしょう。
Q.「親征竜」をどう使えばいいのか?
大前提として、「親征竜」の自身を特殊召喚する効果を手札から発動すること、手札のカードをコストにすることは事実上のディスアドバンテージです。
例えば皆さんは《亡龍の戦慄-デストルドー》というカードを使ったことはありますか?

自身を特殊召喚する効果を持ちますが、手札・墓地から特殊召喚できるのであれば墓地から特殊召喚できた方がお得ですよね?
基本的には適当な墓地肥やしや、素引きした際に《王の棺》のコストなどで墓地へ叩き落とした後に自己再生させることになるでしょう。
「親征竜」も基本的には同じです。
自己再生できるなら墓地から特殊召喚した方がお得だし、墓地のカードをコストに使えるなら手札を使うより墓地に沈んでいるカードを使った方がお得です。
一旦手札をコストにできることは置いといて、墓地のカードを除外するとします。
すると、除外されるとサーチ効果を発動できる「親征竜」を除外してもいいのか?というところに行き着きます。
親3子3時代(WCS2013優勝時)

世界大会の構築であるため日本国内のものとは多少異なりますが、基本思想は同じです。
まず「親征竜」によるサーチ先は、「征竜」か《ドラグニティ-コルセスカ》しかいません。
つまるところ「子征竜」による展開が基本となっていたわけですね。
「親征竜」で「子征竜」をサーチし、「子征竜」で「親征竜」を並べるという動きです。
根本的に【征竜】のミラーマッチでは《クリムゾン・ブレーダー》の攻撃を通すか止められるかという勝負になります。

こいつの攻撃を通してモンスターを戦闘破壊されてしまうと、次のターンの展開ができません。
そのため《増殖するG》を受けても最小限の被害で止まれる《巌征竜-レドックス》(守備力3000)を立ててから動く、被ダメージの増加を覚悟してでも《禁じられた聖杯》で効果を無効にする、《月の書》で攻撃を止めるといったプレイングが基本となっていました。
世界大会でもそれは変わりませんが、その際にチューナーとして白羽の矢が立ったのが《ドラグニティ-コルセスカ》です。

《嵐征竜-テンペスト》《竜の渓谷》でサーチ可能なレベル1のチューナーというだけで採用されていたカードです。
同条件に《ドラグニティ-ブランディストック》も存在していましたが、あちらよりも攻撃力が200高いだけでこちらが採用されていたため、効果は全てインクの染みです。
あちらのみ「ストラクチャーデッキ -ドラグニティ・ドライブ-」に再録されていたため、資産や在庫の都合であちらを使っていた人もいたでしょう。
また《ガード・オブ・フレムベル》も《焔征竜-ブラスター》からサーチ可能なレベル1のチューナーですが、この構築には採用されていません。
というのも《焔征竜-ブラスター》は単なる素材だけではなく《クリムゾン・ブレーダー》と相打ちできる攻撃力2800を誇り、アタッカーとしても機能していたため除外して頭数を減らしたくなかったという事情があります。
一方の《嵐征竜-テンペスト》は攻撃力2400、守備力2200と何をやらせても中途半端だったので比較的コストにされやすかったんですね。
閑話休題。
改めて同じ話になりますが、「子征竜」は「親征竜」を引っ張り出し、「親征竜」は「子征竜」の呼び水となっていました。
相互にデッキから引っ張り出せる関係性であることから、リソースが残っていれば「親征竜」は除外しても問題ありませんでした。
むしろ除外してからが本番とまで言えるでしょう。
さらに「子征竜」で投げ捨てた手札は《超再生能力》により丸ごと戻ってくるので、次ターンも物量による攻勢が仕掛けられます。
そりゃ普通のデッキじゃ処理が追いつかないわけですよ。
親3子0時代(2013.9.1〜)

「子征竜」が全て禁止カードになった他、《超再生能力》と《No.11 ビッグ・アイ》が制限カードになりました。
言い換えれば「子征竜」登場前の姿に戻っただけなので、従来通りのデッキから「親征竜」を引っ張り出すことに重点を置いた構築になりました。
また《異次元からの帰還》は消費した墓地リソースを取り戻すぶっ壊れバグカードであり、使途自由・効果も使える・場を離れても除外されないという紛れもないエンドカードでした。

つまり墓地肥やしを基本とし、墓地リソースを削りながら展開し、《異次元からの帰還》が引ければリソース回復ついでに物量で圧殺する動きを想定していました。
この構築において「親征竜」の除外は明確なリソースの消費であり、例えば《瀑征竜-タイダル》をコストに《瀑征竜-タイダル》を特殊召喚するといったような後続へ繋がらない除外は極力避けるべきだったと言えるでしょう。
とはいえまだ幾分許容できる範囲のコストではあります。
親2子0時代(2014.2.1〜)

ぶっ壊れお手軽エンドカードもとい《異次元からの帰還》が禁止カードとなった他、《封印の黄金櫃》および《七星の宝刀》も制限カードとなりました。
これによりこれまでよりも墓地肥やしを加速させる必要が生まれ、除外されたカードを再利用することは難しくなりました。
構築パーツの大部分が規制されたことでメインデッキのスロットはスカスカになりました。
そこへ組み込まれたのが《幻木龍》と《幻水龍》です。
どちらも「親征竜」によるサーチに対応しており、特に前者は《デブリ・ドラゴン》の蘇生にも対応していた点が優秀でした。
自爆特攻以外に役割の持てなかった《ボマー・ドラゴン》よりも採用価値があったわけですね。
しかしここまで「親征竜」の枚数を減らされると、安易に除外することは厳禁となります。
特に2回目の除外は事実上そのデュエル中の使用不可を意味し、展開パターンが著しく欠損する悪手という状態です。
1枚目の除外はサーチ先を考え慎重に、2回目の除外は可能な限り避けるべきでしょう。
親1子0時代(2014.4.1〜)

今回のマスターデュエルにおいてレンタルデッキとして使用できたデッキレシピを載せておきます。
ドローソース兼「親征竜」除外カードである《七星の宝刀》が準制限カードに緩和されましたが、肝心の「親征竜」が仲良く制限カードになりました。
さらにルールもマスタールール3へと変更され先攻ドローが廃止されました。
物量で押していた【征竜】にとっては1枚分の手数が減り痛手となった形です。
この頃《竜の霊廟》のインクの染みと思われていた「通常モンスターを墓地に落とすと追加で墓地肥やしできる」というところに目を向けられ、「親征竜」を自己再生させるためのコストとして白羽の矢が立ったのが《青眼の白龍》です。

特に《伝説の白石》は《竜の霊廟》で《青眼の白龍》と共に墓地へ送ることで、処理後にサーチする《青眼の白龍》と合わせて3枚分のドラゴン族を確保できたため非常に優秀でした。
レンタルデッキではサーチした《青眼の白龍》を捨てるための《トレード・イン》のみが積まれていますが、人によっては《ドラグニティ-コルセスカ》や《デブリ・ドラゴン》、《ガード・オブ・フレムベル》もコストにできる《調和の宝札》をも採用していました。
空きスロットが増えた分、ギミックを多く取り入れられるようになったとも言えますね。
しかし基本設計は変わらず、大量に墓地を肥やして墓地リソースを切りつつ大型を並べることになります。
つまりレンタルデッキには《異次元からの埋葬》があるとはいえ極力「親征竜」を除外してはいけないということです。
レンタルデッキを使用している人はここをよくわかっておらず、サーチ先があるなら除外してもいいのかなーくらいの気持ちで「親征竜」を除外し、結果リソース切れで負けていたように見えます。
体感では「親征竜」が禁止カードになる前に実績を残していた中で最も弱かった【征竜】だったと思います。
親1子0時代(2015.1.1〜)

「タイムトラベル2014」のレギュレーションの直後、2014.7.1の改訂により、《竜の渓谷》と《竜の霊廟》は制限カードになりました。
ついでに一部の【征竜】使いがたどり着いた《針虫の巣窟》も制限カードになりましたが、直後に無制限になったのできっと冤罪でしょう。
流石に墓地肥やしの手段まで奪われては安定性の欠片もありません。
いくら【征竜】といえども大人しくならざるを得ませんでした。
……年末のジャンプフェスタでこいつが現れるまでは。

X召喚に成功するだけでコストでドラゴン族を3枚も墓地肥やしでき、さらに1ターンに1度などの誓約も存在しない規格外のモンスターです。
このカードが登場した結果、レベル8を2体並べるだけで大量墓地肥やしからの1ターンキルが成立する、アホみたいなデッキが誕生しました。
仮に先攻全ハンデスなんかをされても、《RUM-七皇の剣》さえ引ければ1ターンキルできます。
墓地を肥やしてリソース勝負を仕掛けていたデッキから、手札を全て使ってでも1ターンキルを仕掛けるデッキへとシフトした形になります。
特に《巌征竜-レドックス》と《瀑征竜-タイダル》は《幻木龍》《幻水龍》をサーチするために除外されることの方が多かったです。
つまるところ、1ターンキルするなら除外しても問題無いという割り切りがあったと言えます。
2014.4.1〜の【征竜】とは「親征竜」の枚数が同じでもデッキ構築の軸が全く異なっています。
この【ダークマター征竜】の特徴が語り継がれてきたことで、【征竜】はワンキルするデッキであると勘違いする人が多発したものと考えています。
Q.もしかして【征竜】って強くないのでは?
タイトルの疑問に戻ってきました。
先に述べておきます。
【征竜】は2024年現在のカードパワーには全くついていけず、お世辞にも強いデッキではありません。
デッキのアクセントに使う分には良カードだと思いますが、かつての構築を模した【征竜】として数多の修羅場で勝ち星をあげ続けるのは難しいでしょう。
理由としては大きく分けて3つあります。
1.効果の使用制限が厳しい

改めて書きますが、「親征竜」の①②③④の効果はいずれか1つしか使用できません。
同名サーチ後に固有効果を使えない、固有効果の使用後に自己再生できないといった取り回しの悪さが目立ちます。
また除外後は再利用手段に乏しく、基本的には使い切りとなります。本来「除外」ってそう軽々と使い回していい領域じゃないんだけどね。
ところが現代には「クシャトリラ」というテーマがいます。
自己再生こそできませんが、特殊召喚・サーチ・固有効果がそれぞれ1つずつ使用できます。
さらに《クシャトリラ・バース》や《クシャトリラ・プリペア》といったサーチの効く特殊召喚手段を持っており、《六世壊=パライゾス》というサーチと全体強化をこなせるフィールド魔法まで備えています。
そもそも「征竜」はカテゴリではありません。
※遊戯王カードwiki基準では「征竜」を指定するカードが存在しないためカテゴリとして成立していない。最新弾「ALLIANCE INSIGHT」にてカテゴリとして成立しました。
最初からカテゴリとして作られた「クシャトリラ」と比較するのは良くないと思いますが、流石にカードパワーが違いすぎるでしょう。
見方を変えると8期に登場したカード群と11期のカード群を比較している方がおかしいんですけどね。
8年も経てばカードパワーが追いついても変ではありません。
2.相性の良いカードが禁止カードである

先んじて遊戯王OCGを嗜んでいた人であれば、《嵐征竜-テンペスト》のみが制限カードに復帰していたことを覚えているでしょう。
しかし《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》で《エクリプス・ワイバーン》と共に墓地へ落としてそれを除外できれば、「親征竜」なら何でも良かったのです。
これにより【ドラゴンリンク】は隆盛し、結果としてこれらのカードが禁止カードとなりました。
また《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》も禁止カードを経てから1ターンに1度の誓約付きでエラッタされました。
こうしたカード達の犠牲のおかげで釈放されたとも言えますが、いずれにせよ最良のパートナー達は監獄入りか去勢済みとなっています。
当時と同じ動きは再現できません。
3.消費が荒すぎる

「征竜」と似たようなコストから動くカテゴリとして「春化精」が存在します。
自身とモンスター1体あるいは「春化精」カードを捨てることで固有効果を発動し、墓地を肥やしつつ展開するカテゴリです。
(構築にもよりますが)大抵の場合は特殊召喚を封じる《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を終着点として展開しますが、【征竜】にはそれほど制圧力の高い終着点が存在しません。
せいぜい《クシャトリラ・アライズハート》や《光と闇の竜》くらいですが、前者は出すなら【クシャトリラ】でいいですし、後者は安定してサーチするための《エクリプス・ワイバーン》が現在禁止カードです。
また仮にそれらを出したとしても、展開のために墓地リソースを大きく削る必要があります。
「春化精」は「春化精」モンスターのサーチ後に追加効果で蘇生や墓地肥やしを行えますが、「征竜」はいずれか1つしか行えません。
これまた11期のカードと比較していますが、現代では複合した効果を処理しつつそれらが相互に噛み合う動きをすることなど普通のことです。
ただサーチして終わり、ただ特殊召喚して終わり、というケースは以前より減ったように感じます。
だが時は流れ2025年……

先ほど(ほんとに執筆中に突然)まさかの「征竜」新規が登場することになりました。
これまでシリーズカードの域を出ずあくまで属性サポートとしての体裁を保っていた「征竜」ですが、2025.1.25(土)発売の「ALLIANCE INSIGHT」にてカテゴリ化することになりました。
2:2交換でサーチする《光征竜-スペクトル》、2:2交換で帰還させる《闇征竜-ネビュラス》、展開とリソース回復をこなせる《超竜災禍》という3枚の新規によって【征竜】の安定性が向上しています。
さらにコストの重い固有効果を適用してくれる《極征竜-シャスマティス》と展開と妨害を兼ね備える《凶征竜-エクレプシス》というまさかのランク7の「親征竜」が登場します。
そしてランク7×2という重い素材を使用して現れる【征竜】の切り札となるモンスター《超征竜-ディザスター》を据えて戦う、大味なドラゴン族デッキへと生まれ変わりました。
https://yu-gi-oh.jp/news_detail.php?page=details&id=2110
追加の新規が来るかはわかりませんが、先述のマイナス要素を大きく補ってくれる存在と言えるでしょう。
最後に

遊戯王暗黒期の1つとして数えられる2013年に生まれた「征竜」ですが、カードプールが増えルールも変わったことでその恐ろしさは見えなくなっていました。
しかし新たな仲間と切り札を得たことで再びフィールドを舞う姿が見られるでしょう。
時代と共に姿を変える【征竜】の構築ですが、次はどんな姿を見せてくれるのか楽しみですね。
できれば環境を壊さない程度に強いテーマになってくれると個人的には嬉しいです。