【オッドアイズ】について
皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。
今回記事にするのは、筆者がマスターデュエルのリリース後からプラチナに上がるまで使用していた【オッドアイズ】を、プラチナ帯でも戦えるようにさらに調整したものです。
筆者が現在メインで使用しているデッキは【セフィラ】ですが、デッキ構築に必要なカードの収録パックがバラけていることが資産の少ない序盤では非常にネックであったため代替となるサブデッキを用意する必要がありました。
そこで友人がリアルで使用している【オッドアイズ】を自己流にアレンジして使おうと考え、【セフィラ】が完成するまでのデッキとして使用していました(そしてnoteを書いていることを話したら「【オッドアイズ】を紹介しろ」と脅されました)。
現在でも気分転換で使用することがありますが、なかなかに楽しいデッキです。
当時のレシピではなく、先攻にも後攻にも対応できるように組み直したものを紹介します。
基本戦術
上記画像が筆者の【オッドアイズ】のデッキレシピです。基本戦術としては、先攻では1〜3妨害、後攻ではワンショットキルを狙うものとなっています。
妨害としては《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を中心に、可能であれば《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》や闇属性ペンデュラムモンスターと《水晶機巧-ハリファイバー》を揃えて相手ターンに《覇王眷竜クリアウィング》を出すといったことを行います。
後攻のワンショットキルは基本的に《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》の効果をコピーした《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》と攻撃力1200のモンスターを揃えて直接攻撃する形となります。
各カードの採用枚数や採用理由については友人のデッキを私なりに再解釈したものとなるため、友人の考えとは異なる可能性があります。
読んでて違う内容だったらごめんな。
それではデッキレシピの左上から順に見ていきましょう。
《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》
「オッドアイズ」における唯一の通常モンスターであり、このデッキのキーカードでもあります。
通常モンスターなのでモンスター効果はありませんがその分ペンデュラム効果が強力です。
自分フィールドの「オッドアイズ」カードが破壊された場合、手札・デッキ・墓地の「オッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚できる効果です。
発動トリガーは戦闘破壊または効果破壊であるため、墓地へ送られる状況であれば破壊されたモンスターをそのまま蘇生させることもできます。
また破壊されるのは「オッドアイズ」カードであればいいため、ペンデュラムゾーンの「オッドアイズ」カードが破壊されても特殊召喚に繋ぐことができます。
基本的な用法としては《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の効果でペンデュラムゾーンの「オッドアイズ」カードを破壊し、そのまま後続をリクルートすることです。しかし戦闘破壊にも対応していることから、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》が突破された際にこのカードの効果で蘇生させつつ、あちらのバウンス効果を発動させる動きも狙うことができます。
とりあえずペンデュラムゾーンに置いておくだけで機能する便利なカードなので3枚積み確定です。
ペンデュラムスケールが8なのも評価点ですね。
《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》
ペンデュラムモンスターなのにエクストラデッキからのペンデュラム召喚ができない異色のモンスターです。
あまり使わないペンデュラム効果は、ドラゴン族しかペンデュラム召喚できないデメリットと、このカードを破壊して墓地のドラゴン族の融合・シンクロ・エクシーズモンスターを蘇生させる効果の2つがあります。
非常に高いペンデュラムスケールを持つことからたまにペンデュラムゾーンに置くことがありますが、《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》のペンデュラムスケールとは相性が悪いことが欠点です。
エクストラデッキに入るドラゴン族を蘇生させる効果もありますが、こちらは単純に使う前に勝負がついていることが多いため使う機会に恵まれません。
一度処理された《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》を蘇生できる点は他のカードにできない強みなので、上手く噛み合った時に使うことはあります。
ですがこのカードの本命はモンスター効果です。
500のライフポイントを支払い手札から捨てることでレベル8以下のドラゴン族ペンデュラムモンスターをサーチする効果、自身の攻撃力を相手のライフポイントの半分の数値分アップさせる効果、ライフポイントを半分支払うことでお互いのフィールドと墓地のカードを全てデッキに戻すリセット効果の3つを持ちます。
サーチ効果はこのデッキの同名カード以外のドラゴン族ペンデュラムモンスターを全てサーチできます。
特に《EM ドクロバット・ジョーカー》に対応しない《覇王眷竜ダーク・ヴルム》をサーチできる点が大きいでしょう。
状況に合わせてサーチするカードを変えることで、手札コストにも上スケールにも下スケールにも化けます。
なおこのサーチ効果は1ターンに1度の誓約が存在しないため、複数枚手札にある場合は全てを使い切ることもできます。
《灰流うらら》などを使う場合は、相手の手札に2枚目3枚目のこのカードが無いか、ここで止めてもいいのか、を見極めた上で使うことをお勧めします。
次のモンスター効果ですが、このカード自身はまずフィールドに出ないので自身では活用できません。
このカードの召喚条件が手札からのP召喚、または融合・シンクロ・エクシーズのドラゴン族モンスターを1体ずつリリースすることであるため、単純に出す機会がほとんど無いのです。
しかしこのカードの効果は《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》によって発揮されます。
あちらのカード効果によって墓地のこのカードをコピーすることで、攻撃力アップとリセット効果を活用できます。
攻撃力アップ効果は相手のライフポイントの半分の数値分であるため、このカード単体では決着をつけることができません(相手のライフポイントが1の時だけ削り切れます)。
しかし《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》でコピーすると、元々の攻撃力が2800であるためライフポイント5600以下なら削り切ることが可能となります。それ以上のライフポイントでも致命的なダメージを与えることができます。
《RR-アルティメット・ファルコン》や《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》といった高攻撃力で強力な耐性を持つモンスターに対する唯一の回答でもあるため、ワンショットキルを狙わない場合はむしろ相手のライフポイントを削らない方がいい場面もあります。
そしてお互いのフィールドと墓地のカードをデッキに戻す効果は、破壊耐性も無視し、墓地効果も許さずに全てをリセットする非常に強力な効果です。
この効果が通った場合、相手の防御手段は手札か除外されているカードの効果を発動する以外ありません。
《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》がこのカードをコピーした場合、相手のライフポイントが初期状態であればその攻撃力は6800まで上昇します。つまりあと1200を調達できればワンショットキルですね。これを狙うのが後攻におけるこのデッキの戦術です。
なお相手のライフポイントによって攻撃力が変動し、先に攻撃しなければならない都合上、《冥府の使者ゴーズ》に対して非常に弱いという欠陥を抱えています。
このカードの攻撃力は相手のライフポイントが減ったことで下がり、相手のフィールドには超火力の《冥府の使者カイエントークン》が存在しているため、こちらの攻撃力1200くらいのモンスターでは歯が立ちません。
遭遇率の高いカードではありませんが、頭の片隅に置いておくといいでしょう。
いずれも強力な効果であり、サーチからワンショットキルまでこなす最強カードなので3枚積み確定です。
言い換えると、このカードへの依存度がやや高いため《墓穴の指名者》などで転ばされると非常に苦しい展開となります。
戦えなくはないけど勝ち筋が1つ潰される、という点は少々厳しいですね。
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》
アニメ『遊戯王ARC-V』の主人公である榊遊矢のエースモンスターです(《オッドアイズ・ドラゴン》?知らないモンスターですね……)。
ペンデュラム効果は、ペンデュラムモンスターの戦闘で発生するダメージを0にする効果と、エンドフェイズ時に自壊することで攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターをサーチする効果の2つがあります。
ダメージを0にする効果は、他のデッキも含めて一度も使ったことがありません。
決して弱い効果ではありませんが、本命が後述するサーチ効果である点とこのカードのペンデュラムスケールが扱いづらい4という値である点から、相手ターンまで残っていること自体が稀であるためですね。
アニメでもやっていたように《EMビッグバイトタートル》などの自爆特攻をする際に自身へのダメージを防ぐ使い方もできますし、相手が《リミッター解除》などによる反射ダメージを狙ってきた場合の保険にもなりますが、このデッキではそのような場面にはほとんど遭遇しません。
一応《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を特殊召喚したいと思った場合に自爆特攻させてそのダメージを抑えるといった使い方もできますが、やったことはないです。
このカードのペンデュラム効果は自壊することで攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターをサーチする効果の方が本命です。
しかし、このデッキにはそこまでしてサーチしたいモンスターがほとんどいません。手札のスケールが偏っている場合に《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》か《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》をサーチするくらいでしょうか。
モンスター効果はモンスターとの戦闘時に相手に与えるダメージが2倍になる、というシンプルな効果です。
攻撃力1250未満のモンスターへ攻撃する場合は、直接攻撃するよりもダメージが大きくなります。狙える時は狙ってもいいでしょう。
このカードの真価はレベル7の「オッドアイズ」ペンデュラムモンスターであり、適当な手段で特殊召喚しても機能する点にあります。
レベル7の「オッドアイズ」モンスターは《螺旋のストライクバースト》でサーチできるモンスターであり、このカードと同条件となる競合相手のモンスターは《オッドアイズ・ファントム・ドラゴン》が存在します。
具体的にはおまけの項で書きますが、掻い摘んで話すとこちらの方が使い勝手がよかったことが理由で軍配が上がりました。
しかしながらサーチ効果に重点を置いておらず、複数枚引くことによる重さも気になったため2枚のみの採用としました。
当初は3枚積んでたんですけどね。ちょっと重かったです。
《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》
《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》と同様に癖のない上スケールを持つ下級モンスターです。
ペンデュラム効果は「オッドアイズ」ペンデュラムモンスターが破壊された場合に、自分のペンデュラムゾーンのカードを破壊することでエクストラデッキに表側表示で置かれている「オッドアイズ」ペンデュラムモンスターをセッティングする効果です。
使いません。
そもそもこのカード自体が滅多にペンデュラムゾーンに置かれないことが要因の一つです。
また効果の発動も受動的であり、「オッドアイズ」ペンデュラムモンスターが既に存在している状況では理想的なペンデュラムスケールが揃っていることの方が多いため、あえてこのカードの効果を使う必要が無いというところもあります。
現実的に使用を考えるのであれば、このカードをペンデュラムゾーンに置いて《天空の虹彩》で「オッドアイズ」ペンデュラムモンスターを破壊することをトリガーとし、このカードと《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》を入れ替えるといった使い方くらいでしょうか。
ある程度使い道は考えましたが、いずれも有効的に使えているとは言い難かったので、ペンデュラムゾーンに置く場合はペンデュラムスケールが8のカード、としか認識していません。
一方でモンスター効果は比較的優秀で、ペンデュラムゾーンに「オッドアイズ」カードがある場合、自分の「オッドアイズ」モンスター1体を1度だけ破壊から守る効果をフリーチェーンで発動できます。
自身を守ることはもちろん、同じ攻撃力の相手モンスターと相打ちにならないように守ったり、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》などの強力なカードを効果破壊から防ぐこともできます。
発動条件も緩いため癖もなく使いやすい効果ですが、このカード自身のステータスの低さが唯一のネックとなっています。
真っ先に狙われることが想定されるため、その場合はこのカードを守るか他のカードを守るか考える必要があるでしょう。
しかしこのカードの真価はペンデュラム効果でもなくモンスター効果でもなく、《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》でも《天空の虹彩》でもサーチできる攻撃力1200でレベル3のモンスターである点にあります。
基本戦術として《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》の効果で《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》をコピーすることによるワンショットキルを書きましたが、その詰めとなる攻撃力1200のモンスターとして適しているのです。
他のカードよりもサーチしやすく、後述する《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》とは異なりリリースが不要である点は非常に大きいです。
加えてレベル3であることから、《シューティング・ライザー・ドラゴン》の効果で墓地へ送ると、あちらのレベルを4にすることができます。
《EMドクロバットジョーカー》や《覇王眷竜ダーク・ヴルム》と共に《覇王眷竜クリアウィング》になるための踏み台にもなるのです。
以上の理由によって採用に至りましたが、必要な時にデッキから引っ張り出せるため1枚のみの採用としました。
レベル3のモンスターには《時読みの魔術師》も存在するため、引いても大丈夫という余裕もあるので。
《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》
《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》とは対をなす下スケールのモンスターです。
ペンデュラム効果は、「オッドアイズ」ペンデュラムモンスターが相手の効果対象になったターンのエンドフェイズ時に強制発動し、自身を特殊召喚しつつエクストラデッキに表側表示で置かれている「オッドアイズ」モンスターをセッティングする効果です。
後述しますがこのカードのモンスター効果は優秀なので自身を特殊召喚する行為自体は強いのですが、タイミングがエンドフェイズ時と非常に遅い点がネックです。
またペンデュラムスケールに他のカードを置く効果も目当てのスケールのカードが無い場合や手札にも無い場合は次のターンのペンデュラム召喚すらままならなくなります。
そもそも昨今では対象を取らない除去が蔓延しているため、強制発動する効果であるにもかかわらず発動機会が全然無いといったケースもあります。
そもそも緊急時以外ではペンデュラムゾーンに置かないカードなので、基本的には無視して良い効果です。
モンスター効果は、フリーチェーンでエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターを対象に取り、そのモンスター効果をターン終了時まで無効にするというものです。
こちらはシンプルに使いやすく、エクストラデッキから出たモンスターであればペンデュラムモンスターの効果でも無効にすることができます。
正面から《エルシャドール・ネフィリム》や《召喚獣メルカバー》を突破したり、《エルシャドール・ミドラーシュ》や《召喚獣カリギュラ》の制圧効果を処理したりできる便利屋です。
攻撃力の低さが少々ネックですが、それなりの守備力を誇るため適当に壁として置いておくだけでも機能するでしょう。
さらにこのカードはレベル5のペンデュラムモンスターであることから、《EMオッドアイズ・シンクロン》の効果で特殊召喚し、《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》に繋ぐこともできます。
手札が弱い時の苦し紛れの動きではありますが、覚えておいて損はないでしょう。
そしてこのカードも《シューティング・ライザー・ドラゴン》の効果で墓地へ送ることで、あちらのレベルを2にすることができます。
《クロノグラフ・マジシャン》と共に《覇王眷竜クリアウィング》になる際に使うこととなるため覚えておくといいでしょう。
ただしその場合は《フォーミュラ・シンクロン》を出すことでもシンクロ召喚が狙えるため、どちらを使うかは考える必要があります。
総じて使い勝手の良いカードではありますが、こちらも必要に応じてデッキから引っ張り出すため1枚のみの採用です。
《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》
非常に恵まれた下スケールとメインデッキ最大の攻撃力を誇る【オッドアイズ】における希望の星です。
ペンデュラム効果は、手札を1枚捨てることでエクストラデッキに表側表示で存在するドラゴン族ペンデュラムモンスターを回収する効果です。
シンプルながら使い勝手が良く、エクストラデッキが肥えている状態であれば引いたカードに関係無くペンデュラムスケールを揃えることができます。
《覇王眷竜ダーク・ヴルム》と《ペンデュラム・トレジャー》が揃った状態であれば、《ペンデュラム・トレジャー》で任意のドラゴン族ペンデュラムモンスターをエクストラデッキへ送り込み《覇王眷竜ダーク・ヴルム》を捨てることで、ペンデュラムスケールを揃えながら墓地に《覇王眷竜ダーク・ヴルム》を用意することもできます。
何度も繰り返し使うような効果ではありませんが、たまに役に立つ効果なので存在を忘れないようにだけしておくといいでしょう。
モンスター効果は2つあり、1つは自身を手札から特殊召喚する効果、もう1つは攻撃する相手モンスターの攻撃力を下げる効果です。
自身を特殊召喚する効果は、ペンデュラムゾーンにカードが2枚存在することと、エクストラデッキに表側表示で「オッドアイズ」モンスターが存在することが発動条件です。
その代償としてそのターンのペンデュラム召喚が行えませんが、このカードを出したい場合はペンデュラムスケール9以上のものが必要である以上、それを無視できるこの効果は有用でしょう。
加えて相手モンスターの攻撃力を下げる効果はこのデッキにおける大型モンスターへの解答の1つでもあります。
このカードが攻撃を行う場合にしか発動できませんがその減少値はエクストラデッキに表側表示で存在するカードの枚数×1000と非常に強力です。
モンスター効果を受けない相手以外であれば、実質的に攻撃力4000オーバーのモンスターとして扱うことができる点は魅力的でしょう。
言い換えると攻撃力しか下げられないため、《F・G・D》などの守備力の高いモンスターを置かれると突破が難しくなります。
とはいえそのようなモンスターは耐性を持たないことの方が多いためだいたい処理できますし、ダメな時はダメだったと割り切りましょう。
このカードの欠点はレベルが8である点です。
そのためペンデュラム召喚が非常に難しいですが《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》によるリクルートも行えるため、見た目以上に簡単に出てくるカードです。
欠点が欠点してないですね。
まあペンデュラム召喚がしにくい点は事実なので一度エクストラデッキへ送られると再利用が難しい点は否めませんが、それも2枚目のこのカードのペンデュラム効果で解決するのであまり痛くありません。何だこのカード。
後述する《ドラゴン・目覚めの旋律》でサーチできる点や《アストログラフ・マジシャン》と《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のコンボのため3枚必須となりました。正直5枚くらい欲しいです。
《EMドクロバット・ジョーカー》
よくある攻撃力1800の召喚時に効果を発動できるサーチャーです。
なぜか《E・HERO エアーマン》と異なり、特殊召喚には対応していません。なんで?
その代わり「魔術師」ペンデュラムモンスター、「オッドアイズ」「EM」という3つのカテゴリのモンスターをサーチできます。じゃあ召喚にしか対応しなくて「トリックスター」しかサーチできない《トリックスター・キャンディナ》ってなんだよ。 そのガバガバなサーチ範囲っぷりから、かつて制限カードにまで上り詰めたとんでもないカードです。
このデッキでは《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》によるワンショットキルを狙うために召喚権を使うことが多いですが、後述する《アストログラフ・マジシャン》などの効果を使えば召喚権が残っていなくてもワンショットキルが成立するため、初動のためにこのカードに召喚権を割くことができます。
そもそも先攻では《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》のようなモンスターを出す必要性が薄いため、先攻における展開のためにもこのカードは3積みです。
なおペンデュラム効果はこのカードでサーチできるテーマのカードしかペンデュラム召喚できないデメリットしかありませんが、このデッキの大半のカードは対応しているため、どうしても上スケールが必要な時はセッティングしてもいいでしょう。
基本的にフィールドでは《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》や《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》などの素材としてしか利用されませんが、《水晶機巧-ハリファイバー》を構えてターンを返せる場合はこのカードを残しておくことで《覇王眷竜クリアウィング》に繋げることができます。
また攻撃力も1800と最低限の数値はあるため、詰めの一手としても使えます。
唯一の欠点は複数枚手札に来ると困ることですね。召喚にしか対応していないので、ペンデュラム召喚で手札から一斉に出してもサーチ効果が使えません。
言い換えると、それ以外の場面ではほぼ役に立つカードです。
《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》
融合に関連する効果を持つ「EM」であり「オッドアイズ」でもあるモンスターです。
ペンデュラム効果は、手札とフィールドのモンスターを素材にドラゴン族の融合モンスターを融合召喚する効果です。
非常にシンプルな効果ですが、ドラゴン族しか出せない縛りがあります。このデッキでも出すことができ、強力なフィニッシャーでもある《EMガトリングール》を出せない点は惜しい部分ですね。
またペンデュラムスケールが4である点も少々マイナスポイントです。ある程度妥協はできますが、どうせなら3にしてくれた方が嬉しかったです。
モンスター効果は2つあり、自身を特殊召喚する効果と自身を含む素材で融合召喚する効果があります。
自身の特殊召喚効果は少々個性的で、自分のペンデュラムモンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時に特殊召喚し、そのモンスターをその戦闘による破壊から守るというものです。
ダメージはそのまま受けますが、モンスターを守りながら特殊召喚できるため後半の効果に繋ぐことができます。
気をつけてほしいことは、裏側守備表示モンスターが攻撃を受けるダメージステップ開始時にはまだ表側表示になっていないため、このカードの効果を発動できないということです。
攻撃を受けた裏側守備表示モンスターが表側表示になるのはダメージ計算前であり、ダメージステップ開始時に裏側守備表示のままだとペンデュラムモンスターかどうか判別できないため、このカードの効果が発動できないということです。
つまりこのカードの特殊召喚を狙うために貧弱なステータスのペンデュラムモンスターに戦闘させたい場合は狙いがバレようとも表側表示で出すしかないのです。
見方を変えると、相手が低ステータスのペンデュラムモンスターを出した場合はこのカードの特殊召喚を狙っている可能性があるので、戦闘以外で処理するといいでしょう。
融合召喚する効果は、フィールドのカードのみを融合素材にするものであり、このカード自身を融合素材として使用する必要があります。
「EM」「オッドアイズ」「闇属性」「魔法使い族」「ペンデュラムモンスター」といった汎用的な融合素材の要素は揃っているため、出すことができるモンスターは多岐に渡ります。
中でも《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《EMガトリングール》《EMオッドアイズ・メタル・クロウ》《スターヴ・ヴェネミー・ドラゴン》などの融合素材はいずれも条件を満たせるため、他の融合素材となるモンスターも自由に選ぶことができます。
またこの融合召喚する効果は、ペンデュラムゾーンに置かれたペンデュラムモンスターカードも融合素材にすることができます。
本来融合召喚はモンスター同士を融合させるため魔法罠ゾーンに置かれたカードは融合召喚のための素材にすることはできません。
ですが、このカードは例外的にそれを無視して融合することが可能となるのです。
ペンデュラムゾーンに置かれたペンデュラムモンスターは、そのステータスを全て失うため種族や属性といったものは参照できません(ペンデュラムゾーンの《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》は闇属性でもドラゴン族でもないため《バスター・ブレイダー》の攻撃力アップには貢献しない)。
しかしこのカードで融合素材にする場合はそれらを参照して融合素材にすることができます。
そのためこのカードを「オッドアイズ」モンスター、ペンデュラムゾーンのモンスターをペンデュラムモンスターとして《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を融合召喚するといったことが可能になります。
このデッキでは、ペンデュラムゾーンに置いたカード全てと融合することができます。
ただしそれはペンデュラムスケールの喪失も意味する行為なので、ペンデュラムゾーンのカードを使うかについては熟考する必要があるでしょう。
このカードは《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》と同様にレベル8であるためペンデュラム召喚が狙えません。ドラゴン族ですらないので《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》を置いてもペンデュラム召喚できません。
そのため基本的には使い切りのカードとなります。
特殊召喚する手段自体は自身の効果以外にも《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》の効果があるため、あまり困ることはありません。
またペンデュラム効果でも融合召喚ができるため、見た目以上に使いやすいカードです。
ただしこのカードが絡まなければ《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を融合召喚できないため、先攻ではこのカードにアクセスできるように意識しましょう。
幸いサーチ手段は豊富であり《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》でリクルートできるため、採用枚数は2枚です。
《覇王眷竜ダーク・ヴルム》
なぜか制限カードにされた、超優秀なペンデュラムモンスターです。
ペンデュラム効果は、自分の場にモンスターがいない場合にデッキの「覇王門」を置くことができる効果ですが、そのターン中は闇属性モンスターしかペンデュラム召喚できません。
置ける「覇王門」はペンデュラムスケール0の《覇王門零》とペンデュラムスケール13の《覇王門無限》の2種類だけです。
このカードのペンデュラムスケールもあり、レベル5のモンスターはペンデュラム召喚できません。
また《覇王門無限》はフィールドにモンスターがいるとペンデュラム召喚できないデメリットがあるため、展開の順番には気をつけましょう。
このデッキでは前者の《覇王門零》しか採用していませんが、そもそもこの効果自体ほとんど使いません。
このカード自体が制限カードでありペンデュラムゾーンに置くようなカードでないことと、ペンデュラム召喚したいモンスターは軒並み最上級モンスターでありペンデュラムスケール0と5を揃えるメリットが薄いことが理由となります。
じゃあ何で《覇王門無限》を入れないのかって?それは後述します。
それなりに優秀なペンデュラム効果に対して、モンスター効果はめちゃくちゃ優秀です。
このカードが墓地にいて自分フィールドにモンスターがいなければ自己再生できる効果と、召喚・特殊召喚に成功した場合に「覇王門」をサーチできる効果を持ちます。
自己再生する効果は、手札コストなどによって墓地へ送った場合に発動を狙うことができます。
召喚権も使わずにノーコストでモンスターを1体用意できるため、その後の展開に繋げることができ大変便利な効果となっています。
また自己再生した場合でも「覇王門」のサーチが行えるため、《竜の渓谷》や《竜の霊廟》の効果で墓地へ送りながら自己再生させつつ「覇王門」をサーチする動きが多くのデッキで採用されました(その結果制限カードになりました)。
「覇王門」は先述した通り2種類のカードがありますが、このデッキでは《覇王門零》だけを採用しています。
そちらの項で詳しく書きますが、このカードを出すだけで下スケールを確保できるため大変便利なカードとなっています。《EMドクロバット・ジョーカー》とは別の意味でぶっ飛んだカードですね。
自己再生ができ下スケールの確保までできる便利カードなので採用しない理由がありませんでした。
《覇王門零》
何やらごちゃごちゃ書いてありますが、ただのペンデュラムスケール0のカードです。
もうちょっと真面目に書きます。
ペンデュラム効果は《覇王龍ズァーク》が存在する場合に受けるダメージを全て0にする効果と、もう片方のペンデュラムゾーンに《覇王門無限》がある場合にペンデュラムゾーンのカード2枚を破壊することで「融合」魔法カードか「フュージョン」魔法カードをサーチする効果の2つがあります。
どちらも不採用になったカードなので、ペンデュラム効果は無いに等しいです。
モンスター効果は、エクストラデッキのドラゴン族モンスターを呼び出す効果と、自身をペンデュラムゾーンに置くことができる効果があります。
ドラゴン族を呼び出す効果の詳細としては、自分の他の表側表示のカードと一緒に破壊されることで、融合モンスターかシンクロモンスターのドラゴン族のステータスを0にし、効果無効にして特殊召喚する効果です。
ただしこの効果で出したモンスターはシンクロ素材およびエクシーズ素材にすることができません。
使う場面はほとんどありませんが、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を出したいのに「オッドアイズ」モンスターがいない、という場合に《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》を呼び出すという使い方があります。
またリンク素材にすることもできるため《覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン》を出すことで《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のリンク素材を調達することもできますが、そちらは不採用です。
自身をペンデュラムゾーンに置く効果は、自身がモンスターゾーンで破壊された場合に発動できます。
当然自身の効果で破壊されてもいいため、ドラゴン族を呼び出す効果から繋げるという方法もあります。
ただしそちらの効果はほとんど使わないため、破壊されてもペンデュラムゾーンに置くことができる保険くらいに思っています。
そもそも「覇王門」には2種類あるのに《覇王門無限》は不採用なのかというと、こちらの方がデメリットも無く扱いやすかったためです。
あちらは《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》や《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》などをペンデュラム召喚できますが、モンスターがいるだけでペンデュラム召喚できなくなるというデメリットを抱えています。
特に現在のマスタールールでは、リンクマーカーがなければ複数体のペンデュラムモンスターをエクストラデッキから出すことができないというルールです。
モンスターが存在するだけでペンデュラム召喚できないというデメリットは非常に重く、ペンデュラムゾーンに置いたが最後、機能不全に陥る可能性も否めません。
モンスター効果にも重きを置いていないため、このデッキでは《覇王門無限》は不採用となりました。
またペンデュラムスケール0のカードとしては《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》が存在するため、このカードの採用枚数も1枚のみとしています。
《EMオッドアイズ・シンクロン》
中途半端なペンデュラムスケールを持つ、ペンデュラムモンスターのチューナーです。
ペンデュラム効果は自分の「EM」か「オッドアイズ」1体をターン終了時までレベル1のチューナーにする効果です。
このカード自体がほとんどペンデュラムゾーンに置かれないため非常に影の薄い効果ですが、たまに使う機会があります。
自分フィールドにレベル7の闇属性ペンデュラムモンスターと「EM」か「オッドアイズ」モンスターがいる場合に、《覇王眷竜クリアウィング》をシンクロ召喚する場合ですね。
エクストラデッキのシンクロモンスターは基本的にこのカードを絡めないとまず出てきません。そのためこのカードの存在はそれなりに重要となるのです。
モンスター効果は、召喚に成功した時に墓地のレベル3以下の「EM」か「オッドアイズ」1体を効果を無効にして蘇生させる効果と、ペンデュラムゾーンのモンスターを特殊召喚してそのカードとこのカードだけでシンクロ召喚する効果があります。また、エクストラデッキから特殊召喚したこのカードがシンクロ素材になると除外されるデメリットもあります。
基本的にこのカードは召喚しない上、蘇生対象も同名カードと《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》しかいないため、蘇生効果は無視していいでしょう。
《手札抹殺》などで該当するカードが墓地へ送られた場合に、召喚から《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》などに繋げられるということだけ覚えておくといいと思います。
モンスター効果の最も大きなポイントは、ペンデュラムゾーンのモンスターを特殊召喚して、そのモンスターと2体だけでシンクロ召喚する効果があることです。
その性質上《増殖するG》を使われた場合はカードを2枚ドローされる、《サモンリミッター》をチェーンされるとペンデュラムゾーンのモンスターが特殊召喚されるだけで処理が終わる、といった弱点を抱えていますがそれを差し引いても強力な効果です。
このデッキではレベル7、8、10のシンクロ召喚を狙うことができます。レベル9のシンクロモンスターは出す利点が薄いと感じたため不採用としました。
この効果はシンクロ召喚を行う効果であるため、エクストラデッキから特殊召喚して発動したならば、このカードは除外されることになります。
そもそもこのカード自体が滅多に特殊召喚されない上リンク素材にすることでデメリットを無視できるのであまり問題はありませんが、覚えておくといいでしょう。
このカードの最大の特徴は、《水晶機巧-ハリファイバー》でリクルートできるペンデュラムモンスターであることです。
同条件にはレベル3で通常モンスターの《ハロハロ》がいますが、あちらと異なり「オッドアイズ」の名を冠することから多くのサポートカードの恩恵を受けることができます。
1枚目のこのカードを使って《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚し、2枚目のこのカードをリクルート。そして《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》の素材にすることでさらなる展開を狙う、という動きができます。
つまりモンスター効果もほとんど使わないということですね。
とはいえ筆者は使えるものは使うスタイルの人間なので、状況に応じて効果を使うか考えながらプレイしています。
多くのカードからサーチやリクルートができ、初手に特別必要というわけでもないので2枚の採用となりました。1枚では展開に支障が出るので2枚は必須ですが、引いてしまった時のことを考えると不安な人であれば3枚積んでもいいでしょう。
《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》
OCGオリジナルの《オッドアイズ・ドラゴン》の正統進化カードです。他の四天の龍と同様に召喚方法を冠するモンスターとなりました。
レベル5以上のモンスター1体をリリースすることでアドバンス召喚できるテキストと、《No.61 ヴォルカザウルス》のような破壊&バーンを行う効果、そして相手モンスターを戦闘破壊すると手札か墓地のレベル5以上のモンスターを守備表示で特殊召喚できる効果を持ちます。
リリース軽減効果については「帝」最上級モンスターと異なり、アドバンス召喚されたモンスターである必要がありません。
そのため、ペンデュラム召喚した上級モンスターや最上級モンスターをリリースして出すことができます。
不採用カードの中でも《聖刻龍-トフェニドラゴン》のような半上級モンスターは、特殊召喚してからそのモンスターをリリースしてアドバンス召喚できるため相性が良いです。
アドバンス召喚に成功した時に発動できる効果は、対象を取らず、バーン効果は裏側守備表示モンスターを破壊しても適用されます。
自身の高い攻撃力も相まって、フィニッシャーとしての性能は高めでしょう。
裏側守備表示モンスターを破壊してもダメージが入るため、モンスターのセットでお茶を濁そうとする相手でも容赦無くダメージを通すことができます。
ただし対象を取らないとはいえ破壊する効果であるため、破壊耐性を持つ相手には無力です。その点は気をつけておきましょう。
そして相手モンスターを戦闘破壊すると手札か墓地のレベル5以上のモンスターを特殊召喚できる効果もあります。守備表示での特殊召喚になるため追撃はできませんが、完全蘇生であるため《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》によるバウンスや《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》によるペンデュラムゾーンのモンスターの特殊召喚は行えます。
この効果はアドバンス召喚していなくても発動でき、「オッドアイズ」以外のモンスターでも特殊召喚できるため【オッドアイズ】以外のデッキに入れても機能するでしょう。
何よりもこのカードは「オッドアイズ」関連カードによるサーチに対応しておきながら、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》と同様に《ドラゴン・目覚めの旋律》によるサーチにも対応しているのです。
とりあえずサーチしておくことで相手への牽制になりそのままゲームエンドまで持ち込める優秀なモンスターです。
ペンデュラム召喚しにくいレベル8であることやいつでもサーチできることから1枚のみの採用としていますが、このカードを中心にデッキを組めるくらいには強力なカードなので2枚くらい採用してもいいかもしれません。
《クロノグラフ・マジシャン》
相方共々制限カードにされているやべーやつです。
ペンデュラム効果は、自身を破壊することで《時読みの魔術師》を手札かデッキから特殊召喚するかセッティングする効果です。
《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》によるワンショットキルを狙う際に必要な残りの攻撃力1200を《時読みの魔術師》で賄うために発動することがあります。
また初動の《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》を出すためのカードとして使うこともあります。何かと便利な効果なので忘れないでおきましょう。
その性質上《灰流うらら》に止められる効果ですが、その場合はノーデメリットのスケール8のカードとして運用できるため問題ありません。
モンスター効果は2つあり、手札にこのカードがある時に自分フィールドのカードが破壊された場合に自身を特殊召喚する効果、《覇王龍ズァーク》を統合召喚する効果があります。
前者の効果で特殊召喚した後、さらに追加で手札のモンスターを特殊召喚することができます。
《アストログラフ・マジシャン》と比較すると少々見劣りする効果ですが、ペンデュラム召喚の難しい《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》や《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を特殊召喚することができるため、手札次第では重宝する効果です。
ちなみに1ターンに1度の制限がありません。
《アストログラフ・マジシャン》もそうですが、この効果は自分フィールドのカードが破壊されたチェーン処理の後に発動する効果です。
つまりチェーン処理後に手札にあれば効果が発動できます。もっとわかりやすく言うと、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の効果で手札に戻した後に効果が発動できます。
フィールドのカードを破壊して手札に戻した場合、チェーン処理後には手札にあるため、破壊されたタイミングで持ってました、と言い張ることがルール上可能なわけですね。
なお手札が公開されていても発動できます。
かつて《光天使スローネ》で見られた裁定ですが、およそ8年前に活躍したカードであるため知らない人も多いと思うので書いておきました。
この処理は遊戯王にしてはわかりにくく直感的でないため不親切な処理ですが、覚えておくと今後登場するカードにも応用できるかもしれないので忘れないようにしましょう。
このカード単体でも優秀で、フィールドに残したまま《水晶機巧-ハリファイバー》と共にターンを返すと、レベル5のモンスターを落とした《シューティング・ライザー・ドラゴン》か《フォーミュラ・シンクロン》と共に《覇王眷竜クリアウィング》のシンクロ召喚を狙うことができます。
またこのカード自体も《シューティング・ライザー・ドラゴン》によって墓地へ送られることであちらのレベルを1にし、《アストログラフ・マジシャン》や《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》などと一緒に《覇王眷竜クリアウィング》になることができます。
このデッキにおけるレベル6のモンスターはこのカードのみであるため引いてしまうとその用法はできませんが、引いても十二分に強いカードです。
後者の効果は無視してください。
発動コストのモンスター群が軒並み不採用のため発動できません。
明確に手札が減るため《アストログラフ・マジシャン》より弱いとはいえ、非常に強力なカードであることに変わりありません。
制限カードなのが惜しいですが、複数枚積めたらそれはそれで構築段階から見直す必要が出てくるので制限カードでよかったかもしれません。
《時読みの魔術師》
初めて登場したペンデュラムモンスターの片割れであり、アニメ『遊戯王ARC-V』の主人公である榊遊矢を支えたカードです。
最初の頃のペンデュラムモンスターはペンデュラムスケールが1と8以上のカードにデメリットがよく付随していました。
このカードのデメリット要素としては、このカードは自分フィールドにモンスターがいると発動できず、相方のペンデュラムゾーンに「オッドアイズ」「魔術師」カードが無い場合はペンデュラムスケールが4になるという二重の枷があります。
後者はデッキ構築次第でなんとでもなりますが、前者は割と致命的なデメリットです。なんでこんなのつけたんですか。
その代わり、ペンデュラムモンスターの戦闘時には相手の罠カードの発動を封じる効果を持っています。
特に戦闘ダメージを2倍にできる《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》とは攻撃を通しやすいことで相性が良いですね。
攻撃力も1200なのであちらの効果でサーチすることもできます。
しかしこのデッキではペンデュラムゾーンに置くことはほぼありません。《EMドクロバット・ジョーカー》と同様に仕方なく置くことがあるかどうか、といったところです。
先述した《クロノグラフ・マジシャン》の効果でセッティングする場合はデメリットを無視できるので、そちらの効果で置くことはあります。
モンスター効果は、ペンデュラムモンスターを相手の効果破壊から1ターンに1度守る永続効果です。
このステータスでは戦闘破壊されるため心許ないですが、《激流葬》や《奈落の落とし穴》といったペンデュラム召喚に対して強い破壊カードから守れる点は評価できます。《神の宣告》?知りません。
このカードの一番の使い道は、先述した通り《クロノグラフ・マジシャン》によるリクルートから各種素材やフィニッシャーになることです。
《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》と同様にレベル3であるため、《シューティング・ライザー・ドラゴン》のために墓地へ送ることもあります。
単体の性能には難がありますが、使い切りのカードとしては適当な性能でもあるため、必要に応じて使う1枚のみの採用です。というかこんなカード2枚も3枚も入れられません。
《アストログラフ・マジシャン》
「ストラクチャーデッキ-ペンデュラム・エボリューション-」の看板モンスターであり、アニメで使われたものとは全くの別物と化したカードです。
ペンデュラム効果は《クロノグラフ・マジシャン》とほぼ同じで、こちらは《星読みの魔術師》に対応しています。
使い道もあちらとほぼ同じであり、こちらは下スケールになります。
モンスター効果も《クロノグラフ・マジシャン》みたいなものですが、こちらの追加効果は手札からの特殊召喚ではなく、このターンに破壊されたモンスターと同名モンスターをサーチする効果です。
破壊されたモンスターが破壊された後に置かれた場所にいるかどうかを参照するため墓地から離れるなどするとサーチ対象にすることができません。
エクストラデッキに送られたモンスターも同様で、その破壊されたモンスターがエクストラデッキからいなくなるとサーチできないため注意しましょう。
現在は制限カードになっていますが、かつては無制限カードであり異次元のアドバンテージを生み出す元凶になっていました。
海外でも長らく禁止カードにされており、日本でもいつ死ぬかわからないとずっと噂になっていました(海外では2017年に制限カードに戻りました)。
このターンに破壊されたモンスターと同名モンスターをサーチする効果の都合上《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》と非常に相性が良く、ペンデュラムゾーンのカードを破壊しながらこのカードを手札に戻し、破壊したカードと同名カードをサーチするというシンプルながら強力な動きができます。
そのままこのカードを利用して《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》を特殊召喚し、そちらで《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の効果をコピーすることでエクストラデッキと手札とフィールドを何度も往復することができます。そのため制限カードのくせに1度のデュエルで3〜4回召喚演出を見ることも少なくありません。
なお《覇王龍ズァーク》を統合召喚する効果は《クロノグラフ・マジシャン》と同様に使えません。
【オッドアイズ】における先攻展開を支える重要なカードであり、これを失うことでデッキの回転力を大幅に削がれます。
状況次第では《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》を止められる以上に痛いので妨害しないでくださいお願いします。
手札から特殊召喚する効果も後半の追加効果のせいで《灰流うらら》に止められます。止めないでください。
《星読みの魔術師》
初めて登場したペンデュラムモンスターのもう片方のカードです。こちらもデメリットを背負って生まれました。
元々のペンデュラムスケールは1で、抱えているデメリットは《時読みの魔術師》と同じスケールの変動のみです。こちらはモンスターがいても発動できます。
あちらが罠カードを止めるのに対して、こちらは魔法カードの発動を妨害します。
戦闘時に発動できる魔法カードは速攻魔法しかないので、事実上それを封じる効果ですね。特に「禁じられた」速攻魔法はそれなりに見かけるカードなのであって困る効果ではないですが、ほとんど役に立たない効果とも言えます。
モンスター効果はもっと役に立ちません。
自分フィールドの他のペンデュラムモンスター1体のみが手札に戻った時、そのモンスターを手札から特殊召喚するというものです。
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》などのエクストラデッキに戻るモンスターには反応せず、このカード自身がバウンスされても効果は使えません。何より最大の仮想敵である《強制脱出装置》であってもチェーン2以降に発動されると、タイミングを逃してしまい発動すらままなりません。何だこの効果!?
このカードの存在意義は《アストログラフ・マジシャン》の効果で特殊召喚できるという一点のみにほぼ集約されています。
《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》と比較しても単体性能は劣るため、《シューティング・ライザー・ドラゴン》の効果で墓地へ送ってもいいでしょう。そちらが出る状況であればほぼ間違いなく《アストログラフ・マジシャン》を使っているため、デッキからいなくなっても誰も困りません。
レベル5であることから単体性能はデッキの中でもダントツで低く、引いてはいけないカードの筆頭となります。
それでも《アストログラフ・マジシャン》を起点とする展開やフィニッシャーになるカードでもあるため、1枚だけ採用しています。
言い換えると、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》や《ドラゴン・目覚めの旋律》のコストとして捨ててもあまり痛くないカードなのでその点は悪くないのではないでしょうか。
《灰流うらら》
説明いる?
一応《水晶機巧-ハリファイバー》の素材になれる点や相手の《増殖するG》を止められることから3積みです。
ただしこのカードの存在から、過去のデッキと比べても勝ちにこだわっているデッキであることは理解できると思います。
過去のデッキはやりたいことをやるだけのデッキであるいわゆるファンデッキと呼ばれる部類でしたが、こちらは勝ちを追求したデッキです。
なお当初はデッキを回すことに専念したため不採用でしたが、入れた方が勝率が高くなったため投入することになりました。
《増殖するG》
説明いる?
こちらが2枚の理由としては、相手がこのカードを無視して展開した場合、その手札を持て余すことになるからです。サーチをしながら展開するデッキであるためサーチ先が無くなると機能不全になります。
加えてペンデュラム主体のデッキに不純物が混じると展開に支障が出るという点もマイナスでした。
《灰流うらら》はチューナーであることから展開に利用できましたが、このカードは手札コストか《天空の虹彩》で破壊するくらいしか役に立ちません。そしてフリーチェーンであることから何度も発動するかどうかのポップアップが出てきて鬱陶しいです。
このため採用枚数は2枚としました。
無理して入れても困るけど、無いと勝てないという矛盾に対する折衷案です。
《ハーピィの羽根帚》
説明いらないでしょ。
手札コストの要らない伏せ除去です。
ワンショットキルのお供なので必須です。
《螺旋のストライクバースト》
遊戯王恒例の「攻撃名と同じ名前のカード」のひとつです。このカード名は《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》の攻撃名ですね。しかし発動条件に《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》は要求しません。
効果は2種類あり、どちらかを選択して発動する形式となっています。
前者は発動条件があり、「オッドアイズ」カードが自分フィールドに存在している場合にフィールドのカード1枚を選択して破壊する効果です。
「オッドアイズ」カードの存在を指定しているため、ペンデュラムゾーンに置かれていても発動できます。
破壊対象も裏表を問わず自分フィールドでもいいため伏せカードの露払いや《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》の効果のトリガーにすることもでき、汎用性の高い効果となっています。
後者は発動条件が存在せず、デッキかエクストラデッキにあるレベル7の「オッドアイズ」モンスターを手札に加える効果です。
《オッドアイズ・セイバー・ドラゴン》や《オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン》などもサーチできますが今回そちらは不採用となっています。
このデッキでは《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》しかサーチできませんが、このカードのおかげで後者が事実上9枚体制となっているので安定性の確保に一役買っています。
総じて癖の少ないシンプルなカードです。
1ターンに1枚しか発動できない、などの誓約も存在しないため3枚積み確定でしょう。
《天空の虹彩》
フィールド魔法っぽくないフィールド魔法です。
ペンデュラムゾーンの「魔術師」「EM」「オッドアイズ」を相手の効果対象にされなくする効果と、フィールドの表側表示のカードを破壊することで「オッドアイズ」カードをサーチする効果があります。
前者は対象にされなくするだけで対象を取らない効果は受けるため気休め程度の効果ですが、知らない人は《バージェストマ・ディノミスクス》などで対象を取ろうとしてくるのでそれなりに役に立ちます。
後者は同名カードの効果が1ターンに1度という誓約がありますが、破壊をトリガーとする《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》の補助にもなります。
サーチ先は「オッドアイズ」カードであるため《オッドアイズ・フュージョン》や《オッドアイズ・アドベント》などもサーチできますが、このデッキではいずれも不採用なのでモンスターしかサーチできません。
フィールドのカードを破壊してサーチする都合上、サーチという行為自体に対しては2:1交換となるため基本的にはディスアドバンテージです。
《EMドクロバット・ジョーカー》でしかサーチできない《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》や《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》などもサーチできるため、その後の展開を考えてサーチ先を選びましょう。
先述した通りこのデッキは《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》によるワンショットキルを狙うため、そのパーツである《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》をサーチできるカードは貴重です。
単体ではあまり役に立たないこのカードを採用している最たる理由でもあります。
しかし同一ターン内における同名カードの複数発動ができないため、2枚のみの採用としました。
《ドラゴン・目覚めの旋律》
漫画『遊戯王R』で海馬瀬人が使用した、手札1枚を捨てて攻撃力3000以上かつ守備力2500以下のドラゴン族を2枚までサーチできる強力な魔法カードです。
ただし漫画版では《ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-》の存在が必須でしたが、サーチ先のステータスに制限はありませんでした。
このデッキでは《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》と《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》がサーチ可能です。
特に前者は《螺旋のストライクバースト》でサーチできない分こちらでサーチできるため、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》が全然引けない!なんてことにはなりにくいです。
手札コストを要求するカードであり、2:2交換であるため《灰流うらら》には非常に弱いです。そのため《覇王眷竜ダーク・ヴルム》(制限カード)や2枚目の《天空の虹彩》をコストにするなどディスアドバンテージを軽減できるようなプレイングを心掛けましょう。
デッキ内にサーチできるカードが4枚しかないため、2枚の採用としました。
ただし2枚も引いたら基本的には即座に捨てるため2枚も発動することはほぼありません。
《デュエリスト・アドベント》
お互いのペンデュラムゾーンのどこか1箇所にでもカードがあれば発動できる魔法カードで、《クラスター・ペンデュラム》以外の「ペンデュラム」カードをサーチできます。
非常に緩い発動条件であるため、場合によっては相手が発動条件を満たしてくれていることもあるでしょう。
このデッキでは《螺旋のストライクバースト》によってサーチできる2体に加えて、後述する《ペンデュラム・トレジャー》もサーチできます。
1ターンに複数枚の発動ができない誓約があるため2枚の採用としていますが、なぜかよく2枚引きます。邪魔です。
《ペンデュラム・トレジャー》
デッキのペンデュラムモンスターをエクストラデッキに加えるだけの魔法カードです。
やっていることは《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のリンク召喚に成功した時の効果と同じです。
ペンデュラム版おろかな埋葬と言っても過言ではなくドラゴンならば《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》のペンデュラム効果を利用することで手札に加えることもできます。
1ターンに1度の誓約があり《デュエリスト・アドベント》でサーチすることもできるため1枚のみの採用ですが、引けたら強いカードです。
デッキから手札に加える行為ではないため《灰流うらら》による妨害も受けない点は魅力的ですね。
《無限泡影》
罠カード版《エフェクト・ヴェーラー》とも呼べるカードで、自分フィールドにカードが無ければ手札から発動できます。
また伏せたこのカードを発動した場合、同じ縦列の相手の魔法罠カードゾーンのカード効果は無効になります。
罠カードであるため、相手ターンに手札から発動できる奇襲性の高さが売りのカードですね。
競合する《エフェクト・ヴェーラー》と比較すると、自分のターンでも発動できる点や《墓穴の指名者》や《マクロコスモス》の存在を考慮しなくても良い点が利点です。しかしモンスターではないことから困った時の壁役にもできず、《水晶機巧-ハリファイバー》から《神聖魔皇后セレーネ》を経由して《アクセスコード・トーカー》などになれないといった欠点もあるため、デッキに合わせた採用をすべきでしょう。
このデッキは先攻である程度妨害を作ることもできるだけの後攻ワンキルデッキです。
そのためマスターデュエル内で流行している《真竜皇V.F.D.》や《十二獣ドランシア》といったモンスターの効果を止められるこちらに軍配が上がりました。
魔法カードの採用枚数も少なく《神聖魔皇后セレーネ》に必要な魔力カウンターを確保できるかどうかも怪しかった点も理由のひとつです。
また魔法罠カードの効果を無効にするおまけ効果も、永続カードである《スキルドレイン》や《王宮の勅命》はもちろん、《鉄獣の抗戦》や《強欲で貪欲な壺》といったカードを止められることから有用なものとなっています。
先攻でも後攻でも使える罠カードということで採用に至ったカードです。
しかしこちらも複数枚引きすぎると展開に支障が出るため、2枚のみの採用としました。
《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》
何度も名前の挙がっている、このデッキの核となるカードです。
融合素材は闇属性ペンデュラムモンスター2体ですがフィールドの闇属性ペンデュラムモンスター2体をリリースすることでも特殊召喚できるため、融合召喚するためのカードは不要です。
このカードが持つ効果は1つだけですが、中身が複雑なので分けて説明していきます。
まず起動効果としてお互いのフィールドか墓地にいるモンスター1体を対象として発動します。
そのモンスターの元々のカード名と効果をコピーし、ターン終了時までそのカード名と効果を得ることになります。
ここで得られる元々のカード名とは、例えば《竜騎士ブラック・マジシャン》をコピーした場合、カード名が《ブラック・マジシャン》ではなく《竜騎士ブラック・マジシャン》になるということであり、このカードの元々のカード名が《ブラック・マジシャン》になるということではありません。
なお《獣装合体 ライオ・ホープレイ》などを対象とした場合は《CNo.39 希望皇ホープレイ》になります。
得る効果に関しては効果外テキストを除く全ての効果をコピーするため、フィールド魔法が無い時に「Sin」モンスターや「地縛神」モンスターをコピーした場合は効果解決時に自壊することになります。
このデッキではこれを利用して《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》の効果をコピーするわけですね。
なお効果解決時に対象のモンスターがその場所からいなくなっていた場合、カード名と効果のコピーはされません。《墓穴の指名者》などには注意しましょう。
そしてカード名と効果をコピーした後、自分のモンスター全ては貫通効果を得ることになります。
この貫通効果の付与は、効果解決時に対象のモンスターがその場所からいなくなっていた場合でも、効果解決時にこのカードがフィールドから離れていても適用されます。なんで?
そのためとりあえず適当に発動しておくだけでも全体に貫通効果の付与ができ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》などの効果を活かせるようになります。
またこの貫通効果の付与は効果の発動後に新たにフィールドに出たモンスターにも適用されます。なんで?
召喚権が残っていれば、このカードをリリースして《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》をアドバンス召喚した上で、その高い攻撃力を活かした貫通効果まで適用できるため非常に有用な効果ですね。
ちなみに同名カードによる1ターンに1度の誓約が無いので、複数体を並べることでそれぞれがコピー効果を発動できます。
おかげで海外では禁止カードになりました。
このカードの使い道としては、先攻では《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のコピーによる展開の補助とこのカード2体を素材とした《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》のエクシーズ召喚、後攻では《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》のコピーによるワンショットキルが基本となります。
融合素材モンスターをリリースするだけで場に出るそのお手軽さと《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》と《アストログラフ・マジシャン》のコンボのおかげで2体並べることは苦ではありません。
デッキの《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》を除くペンデュラムモンスター全てがこのカードの融合素材となるため、融合素材に困る場面もほとんどありません。
欠点としては融合召喚および自身の効果以外による特殊召喚が一切できないことです。
《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》の効果で蘇生することも、《覇王門零》の効果で特殊召喚することもできません。
見方を変えると相手に利用されにくいということなので、使い切りのカードとして見てもいいでしょう。
先攻展開で2枚使用するため元々2枚積みでしたが、返しのターンで相手のライフポイントを削り切るために欲しい場面が多かったため3枚積みにしました。
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》
こちらも非常に緩い融合素材で出すことができる融合モンスターです。
このデッキにおけるお手軽に出せる妨害手段でもあります。
このカードの融合召喚には《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》が必須ですが、《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》を利用することで簡単に出せるため見た目ほど重いカードではありません。
特殊召喚に成功した時に相手の攻撃表示モンスターをバウンスする効果と、1ターンに1度エクストラデッキのモンスターをデッキに戻すことでカードの発動を無効にして破壊する効果を持ちます。
バウンス効果は先攻ではあまり役に立ちませんが、《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》や《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》によって特殊召喚された場合でも発動するため、あって損する効果ではありません。
むしろ適当に攻撃表示で置かれた相手の大型モンスターを雑に処理できる効果なので結構便利な効果です。
先攻で出した場合は発動エフェクトすら出ないためこの効果の存在を知らず、《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》がいる時にこのカードを破壊して、蘇生からバウンスまでされて思考が止まるデュエリストも多いです。
ただし時の任意効果であるため、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のドロー効果にチェーンして《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》の効果を発動して蘇生させた場合はタイミングを逃してしまいます。
このカードの最大の欠点であるため留意しましょう。
もう一つの効果である発動無効効果の方が本命です。
エクストラデッキのモンスターをデッキに戻すというコストがコストになっていないカードですね。ただし発動コストではなく効果でデッキに戻すため、効果が無効になった場合はデッキに戻すことはありません。
このカードを出す場合、ほとんどのケースでエクストラデッキにカードがあるのでまず間違いなく使える効果でしょう。
エクストラデッキにカードが無いのは、手札のカードだけを素材に《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》のペンデュラム効果で融合召喚した場合くらいでしょう。
効果解決時にエクストラデッキにモンスターがいなくても不発となりますが、そんな状況は滅多に無いので気にしなくていいです。
魔法罠カードの効果の発動以外に対応できることに加えて守備力が3000もあるため、相手からすると突破が面倒なカードです。
壊獣には弱いですが、それでも1:1交換にはなっているのでアドバンテージの面では問題ありません。いや普通に大問題ですけどね。
一応《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》の墓地へ送られた場合の効果で特殊召喚することもできますが、蘇生制限を満たせないため再利用できないため筆者は緊急時以外では出しません。
このデッキ自体が長期戦に向かないデッキであるため1枚あれば十分ということで1枚のみの採用です。
エクストラデッキには自由枠となるカードが何枚かあるため、ピン挿しが気になる人は2枚入れてもいいでしょう。
《フォーミュラ・シンクロン》
OCG史上初となるシンクロモンスターのチューナーです。
シンクロ召喚に成功した時に1枚ドローできる効果と、相手のメインフェイズ中にこのカードを含めてシンクロ召喚できる効果を持ちます。
ドロー効果は時の任意効果であるため、《水晶機巧-ハリファイバー》の効果でチェーン2以降に特殊召喚すると発動できません。
強制効果である《TG-ワンダー・マジシャン》や場合の任意効果である《シューティング・ライザー・ドラゴン》とは異なるため注意しましょう。
相手ターンにシンクロ召喚できる効果は、多くのシンクロチューナーに見られる効果です。
基本的には《クロノグラフ・マジシャン》と共に《覇王眷竜クリアウィング》のシンクロ召喚を狙います。
あちらの効果がシンクロ召喚に成功した場合の任意効果であるため、チェーン2以降に出しても問題無く発動できます。
ただしマスタールール(11期)に移行したことで、効果を発動したいタイミングでいるべき場所にいない場合は効果を発動できない、というルールが追加されてしまいました。
相手の《サンダー・ボルト》にチェーンして《覇王眷竜クリアウィング》をシンクロ召喚すると、チェーン処理後にフィールドに《覇王眷竜クリアウィング》が存在しないため効果を発動できない、ということです。
これは強制効果も例外ではありません。
そのためどのタイミングで《水晶機巧-ハリファイバー》の効果でこのカードを出すか、どのタイミングでシンクロ召喚する効果を発動するかを見極める必要があります。
少々扱いが難しいですが、手札が1枚増えることは大事なことであり《灰流うらら》などをドローできると嬉しいです。
なおこのカード自体は自由枠であるため、他のシンクロモンスターやエクシーズモンスター、2枚目の《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》などに変えてもいいでしょう。
《シューティング・ライザー・ドラゴン》
ほぼ全てのシンクロチューナーを過去のものにしたとんでもないシンクロチューナーです。
シンクロ召喚に成功した場合にデッキのモンスターを墓地へ送ることでそのモンスターのレベル分自身のレベルを下げる効果と、相手メインフェイズ中にこのカードを含めてシンクロ召喚できる効果を持ちます。
このカードの最大の特徴は前者のレベル変動効果であり、デッキにモンスターがいればレベル1〜7のシンクロチューナーとして使用することができます。
なお墓地へ送れなかった場合はレベルが下がらないため、効果にチェーンして《マクロコスモス》などを使われると非常に困ったことになります。
《覇王眷竜クリアウィング》を出すためにはレベル調整が必要ですが、《増殖するG》が採用されているため《EMオッドアイズ・シンクロン》を使い切っていてもあらゆる闇属性ペンデュラムモンスターと共にシンクロできます。
またレベル5のペンデュラムモンスターを対象とした《EMオッドアイズ・シンクロン》の効果でもシンクロ召喚できるため、場合によっては普通にシンクロ召喚することも視野に入れておきましょう。
珍しく必須枠であるため抜けないカードです。
《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》
「ストラクチャーデッキ-マスター・オブ・ペンデュラム-」の看板モンスターの片割れです。
特殊召喚に成功した時にペンデュラムゾーンのモンスターを特殊召喚できる効果と、モンスターゾーンにいる限り相手のバトルフェイズ中のモンスター効果の発動を封じる効果を持ちます。
前者の効果は、発動後に自身が攻撃できなくなるデメリットがあります。ただし出すモンスターに制限は無いため、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》あたりを特殊召喚できればこのカード以上の攻撃力で戦えるためさしたるデメリットではないでしょう。
シンクロ召喚以外でも発動できるため、一度正規召喚しておけば《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》の効果で蘇生させた場合などでも発動できます。
あちらの効果による特殊召喚は守備表示に限定されているため攻撃できないデメリットも気にならずにペンデュラムゾーンのモンスターを攻撃に参加させることができます。
後半の効果も優秀で、攻撃に反応するモンスター効果やリクルーターの効果も全て封じられます。
《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》によるワンショットキルを除けばモンスターを戦闘破壊しながらダメージを与えるデッキであるため、《オネスト》などを気にせずに攻撃できる点は非常に優秀です。
《ドリル・ウォリアー》と《速攻のかかし》によるコンボを打ち破る手段でもあります。相手に来たことはありませんが。
一応自由枠のカードですが、《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》の墓地へ送られた場合の効果で特殊召喚することができるため1枚採用しています。
《覇王眷竜クリアウィング》
こいつが噂の《覇王眷竜クリアウィング》です。
シンクロ召喚に成功した場合に《ライトニング・ボルテックス》の効果を発動できる効果、1ターンに1度相手モンスターとのダメージ計算前にそのモンスターを破壊してその攻撃力分のダメージを与える効果、「覇王眷竜」2体をリリースすることで自己再生する効果があります。
シンクロチューナーの効果で相手ターンにシンクロ召喚することで、自由なタイミングで相手のモンスターを壊滅させることができます。
バトルフェイズへの移行前や大型モンスターの素材が揃ったタイミングで発動することで、相手の展開を一から再スタートさせることができます。
ただしあくまで破壊する効果であるため、破壊耐性のあるモンスターには効きません。【時械神】には相性が最悪なので注意しましょう。
真ん中の効果によって、1ターンに1度ですが戦闘を行う相手モンスターを破壊しつつその攻撃力分のダメージを与えることができます。
わざと攻撃力2500未満のモンスターで攻撃してくる相手は少ないと思うので、ダメージは2500以上を期待できるでしょう。《N・グラン・モール》などの厄介なモンスターでも破壊できる点は評価点ですね。
なおこの効果で相手モンスターを破壊できなかった場合はそのままダメージ計算を行うことになります。
《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》のように破壊されない大型モンスターを前にすると無力なので過信は禁物ですね。
自己再生効果は使いません。
なんで《覇王眷竜ダーク・ヴルム》制限カードなの?
相手ターンに動くカードなので《シューティング・ライザー・ドラゴン》と共に必須カードです。
ですがシンクロ召喚しやすいからといって2枚入れる必要は無いでしょう。
《神樹の守護獣-牙王》
なんだこのライオン!?
縛りの無いレベル10のシンクロモンスターです。
《EMオッドアイズ・シンクロン》の効果で《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》か《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を特殊召喚することでシンクロ召喚できます。
つまり事故が起きた場合の保険ですね。自由枠です。
効果としては自分のメインフェイズ2以外で相手の効果の対象にならないというシンプルな耐性があるだけです。
しかし攻撃力が3100あり対象耐性を持つことからそれなりに場持ちが良いカードです。
ただしそれ以外には何も無く、打点で負けるとただの猫になります。昨今では対象を取らない除去も多いため気休め程度にしかならないでしょう。
近日のアップデートにより、非常に強力な制圧効果を持つ《フルール・ド・バロネス》の実装が確定しています。アップデート後はそちらに変わると思います。
《No.11 ビッグ・アイ》
かつて【征竜】でぽんぽん現れては相手とキャッチボールをして遊んでいたランク7のエクシーズモンスターです。
エクシーズ素材を1つ使うことで相手のモンスターのコントロールを永続的に得るという、《No.34 電算機獣テラ・バイト》もびっくりのとんでもない効果を持っています。
あの《No.39 希望皇ホープ》に頼り切りだったアニメ『遊戯王ZEXAL』の主人公である九十九遊馬ですらもナッシュとの最終決戦で出し、視聴者を驚かせました。
効果の発動後はこのカードの攻撃が封じられますが、デメリットが気にならないくらい強力な効果です。
じゃあどのくらい出すの?と聞かれると、びっくりさるほど全然出ません。
後述する《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》共々、出さないのではなく出すまでもなくデュエルが終わるのです。
というのも対象を取れる相手は基本的に《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》でバウンス可能であり、そもそも後攻ワンショットキルにおいては全てのカードがデッキに戻るため、相手モンスターを奪う利点が無いのです。
【オッドアイズ】を組んでから現在に至るまで一度も抜いたことはありませんが、使う機会は全く訪れませんでした。
一応《FNo.0 未来龍皇ホープ》や《アクセスコード・トーカー》など奪ってメリットのあるモンスターもいますが、他の効果で相手の妨害を使わせた上で《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》の効果を通すため、このカードを使うことはありませんでした。
それでも保険として用意しておきたいカードではあります。
同じく【征竜】で活躍した《幻獣機ドラゴサック》と比較すると、自分のフィールドを無闇矢鱈に埋めない点が評価を上げます。
ただしあちらはあちらでアドバンス召喚のためのリリースを確保できるため、一長一短でしょう。
《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》
「ストラクチャーデッキ-マスター・オブ・ペンデュラム-」の看板モンスターの片割れです。
《No.39 希望皇ホープ》のような攻撃無効効果と、墓地へ送られた場合に「オッドアイズ」モンスターを特殊召喚する効果があります。
攻撃無効効果だけを聞くとあまり強そうに聞こえませんが、攻撃を無効にした後に手札か墓地の「オッドアイズ」モンスターを特殊召喚することができます。
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》や《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》を特殊召喚できれば妨害が増えるため強力であり、そうでなくとも《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》や《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》を出すことで強力なモンスターを横に並べることができます。
加えて特殊召喚する追加効果を使った場合は《ダブル・アップ・チャンス》の発動タイミングを逃すため【希望皇ホープ】を相手にしても強気に出ることができます。
墓地へ送られた場合の効果はエクシーズ召喚されている場合のみですが、わざわざこのカードを蘇生させることは少ないので気にする必要はないでしょう。
特殊召喚する「オッドアイズ」モンスターはペンデュラムモンスターでも良く、エクストラデッキから《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》や《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を出す珍しい機会となります。
無論融合モンスターやシンクロモンスターでも良いため、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》や《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》などを出した上でその効果に繋ぐこともできます。
フィールドから墓地に送られればいいため、リンク素材などで能動的に墓地へ送ってもいいでしょう。
こちらも出せる機会はある程度ありましたが、結局出したのは2回か3回くらいしかありません。
先攻では素材が揃わないため、やむを得ず長期戦にもつれ込んだ時に使ったくらいですね。
言ってしまえばランク7もほとんど自由枠に等しいですが、こちらは「オッドアイズ」モンスターであることから《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》の効果のトリガーになれるなどちょっとだけ優位性があります。
ただ他に入れたいカードがある場合は抜いてしまってもいいでしょう。
《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》
漫画『遊戯王ZEXAL』で天城カイトが開眼させた「No.」です。
レベル8モンスター2体を素材とする大型モンスターですが、その分効果は強力で数多のデッキに採用されています。
何やらごちゃごちゃ書いてありますが、要するに魔法カードの効果を無効にして吸収する効果と、味方モンスターを戦闘から庇う効果、そして他のエクシーズモンスターが破壊された場合に自分のエクシーズモンスターをそのステータス分強化する効果があります。
このカードの目玉となる効果は魔法カードを吸収する効果でしょう。
フィールドで発動した魔法カードの効果の発動を無効にしてこのカードのエクシーズ素材にします。
この効果の発動にはエクシーズ素材を要求せず、《No.99 希望皇ホープ・ドラグナー》などの効果で特殊召喚される姿が散見されます。
カードの発動ではなく効果の発動に反応するため、永続魔法の効果の発動に対しても発動でき、エクシーズ素材にすることができます。
一方で墓地で発動する効果には無力であり、そちらは通してしまうことになります。
ただしこのカードの効果で吸収さえできれば相手の墓地へ送られるまでのタイムラグを発生させることができるため、デッキ次第では強く刺さる効果と言えるでしょう。
制圧効果に加えて、攻撃対象をこのカードに移す効果も持ちます。エクシーズ素材を使うのはこちらの効果です。
そもそも効果で処理されることが多いためあまり目立ちませんが、この効果のおかげで攻撃力3000未満のモンスターの攻撃はシャットアウトできます。
1ターンに1度の制限もないため、少なくとも2回までなら発動できますね。
この効果は相手の攻撃宣言時に発動でき、効果でダメージ計算を行います。
つまりダメージステップ開始時からダメージ計算前までに発動しなければならないカードの効果は発動するタイミングが無いのです。
このデッキでいえば《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》や《覇王眷竜クリアウィング》が該当するため、敵対した時は注意しましょう。
そして自分の他のエクシーズモンスターが破壊された場合にそのモンスターの攻撃力分の数値を他のエクシーズモンスターの攻撃力に加算する効果があります。
戦闘または効果で破壊されることで発動でき、自分の効果でもトリガーにできるため、《天空の虹彩》などで破壊することでステータス上昇を狙うことができます。
なんとこの効果によるステータス上昇は永続であり、後出しの《スキルドレイン》などでもリセットされません。
あえて他のエクシーズモンスターを見殺しにすることで、盾となるこのカードのステータスを補強するといった動きもできるでしょう。
なおこのカード自身が破壊された時には何も起きません。残念。
という強力な効果はありますが、他のエクシーズモンスターと並ぶことはほぼ無いため、インクの滲み同然です。
少々勿体無い気もしますが、ペンデュラム召喚が主体のデッキでエクシーズ召喚するのは諸刃の剣であるため仕方ないのです。
レベル8モンスター2体で出す必要がありますが、このデッキでは《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》2体を素材に使います。豪華ですね。
相手ターンにはバニラ同然となるモンスターなので、残ることを期待して放置するよりは制圧効果を持つモンスターに変換した方がいいよね、っていう考えです。
そのため必須カードではありますが、完全耐性を得られる《神竜騎士フェルグラント》や対象を取る効果から守れる《聖刻天龍-エネアード》など他の候補もいるので、自分の環境に合ったモンスターをチョイスするといいでしょう。
《水晶機巧-ハリファイバー》
親の顔より見たリンクモンスターです。
チューナーを含むモンスター2体により出すことができ、リンク召喚に成功した場合に手札かデッキのレベル3以下のチューナーを特殊召喚できる効果と、相手のメインフェイズ中およびバトルフェイズ中に自身を除外することでエクストラデッキのシンクロチューナー1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚できる効果を持ちます。
チューナーを含めばエクシーズモンスターであろうとチューナー同士であろうとリンク素材にできるため、とてつもなく緩い条件で場に出ます。
チューナーなんて採用しないし……と思う人でも《灰流うらら》を採用していれば出すことはできます。
リンク召喚に成功した場合に手札かデッキのチューナーを特殊召喚できる効果も強力で、このカード自身をリンク素材にする際の誓約が一切無いことから、純粋にリンク数を伸ばすことに使えます。
シンクロ召喚を行わない【閃刀姫】ですらも採用し、《エフェクト・ヴェーラー》をリクルートすることで《神聖魔皇后セレーネ》に繋げる動きを取り入れるほどです。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン中、効果を発動できません。
でもそんなのは基本的に無視できます。
まず墓地で発動する効果にこの誓約は及ばないため、《幻獣機オライオン》や《ジェット・シンクロン》は効果が発動できます。このせいで《グローアップ・バルブ》や《BF-隠れ蓑のスチーム》は禁止カードになりました。
また効果を発動できないのは出したターンだけなので《幽鬼うさぎ》などの相手ターンにも効果を使えるモンスターはターンを跨げば効果を発動できます。
そしてそもそも発動しない効果は適用されっぱなしなので《エキセントリック・ボーイ》によるシンクロ召喚や《幻影王 ハイド・ライド》の非チューナー化は問題無く行えます。
このようにリクルートしたカードの利用方法に関してガバガバすぎたため、このカードを起点としたリンク召喚主体のデッキが増え、制限カードとなりました。
いつ禁止になるか、と常に騒がれているカードでもありますね。
そんなトンデモカードですが、このデッキでは1体目の《EMオッドアイズ・シンクロン》を利用してリンク召喚され、2枚目の《EMオッドアイズ・シンクロン》をリクルートし、相手ターンにシンクロチューナーになるというごくごく普通の動きしかしません。
言い換えると《EMオッドアイズ・シンクロン》を絡めない限り出てこない珍しいモンスターでもあります。
展開力に長けたこのデッキにおけるこのカードの登場は事実上《覇王眷竜クリアウィング》の降臨を意味するため、相手の除去を優先的に使わせる役目も担います。
何も知らない相手なら《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》から処理してくるため、それならそれで安心して《覇王眷竜クリアウィング》を出せるためどちらに転んでも良いですね。
シンクロモンスターを絡めた展開を考えた場合は必須カードとなりますが、シンクロモンスターを全てリストラしてエクシーズモンスターを揃えたり後攻ワンショットキルに特化させる場合は、一転して要らないカードとなります。
リンク召喚を主体にする場合は一考の余地がありますが、その場合はなるべく召喚権を使わず、ペンデュラム召喚もしないで展開する手段が求められます。
このカード1枚からリンク3や4のモンスターを出しメインモンスターゾーンに大量にペンデュラム召喚する戦術は強力ですが、少々安定性に欠けます。
筆者の先攻展開ではたまに使うため必須枠扱いしていますが、《EMオッドアイズ・シンクロン》や各種シンクロモンスター共々まとめてリストラするの視野に入れてもいいかもしれませんね。
《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》
ペンデュラム召喚主体のデッキでは必須カード扱いされ、《アストログラフ・マジシャン》と共に無限のアドバンテージを稼いでいたリンク召喚黎明期の傑物です。
ペンデュラムモンスター2体を素材とし、リンク召喚に成功した場合に発動できる《ペンデュラム・トレジャー》と同じ誘発効果、自分フィールドの表側表示のカードを破壊することでエクストラデッキの表側表示のカードを手札に加える起動効果、ペンデュラムゾーンのカードがフィールドを離れた場合に1枚ドローする強制発動の誘発効果を持ちます。
《ペンデュラム・トレジャー》の効果では《アストログラフ・マジシャン》をエクストラデッキに加えることが基本となります。
場合によっては《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》などのカードを加えることもありますが、状況に合わせて考えてください。
起動効果では《アストログラフ・マジシャン》を回収して、あちらの効果に繋げることが基本です。《アストログラフ・マジシャン》とはズブズブの関係です。
破壊する効果であるため《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》の効果のトリガーにもなり、展開の基本となるシナジーを形成します。
ドローする強制効果は地味に優秀で、このドロー1枚でワンショットキルを狙えたり先攻の制圧の層を厚くできたりします。
サーチできない汎用札なんかも引けるので、「相手の手札に加わった謎の1枚」として見えない圧力をかけることもできます。
なおこの効果だけ同名で1ターンに1度の誓約がかかっているため、《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》でコピーしても大量ドローはできません(《アストログラフ・マジシャン》の連打はできます)。
制限カードに相応しい効果を揃えており、その強力な効果のために相手はあらゆる妨害札をこのカードに飛ばしてきます。つまりこのカードがあらゆる妨害札に対するデコイと化すため、それを視野に入れた展開も狙えるとより勝ちが見えるでしょう。
《デコード・トーカー・エクステンド》
効果モンスター2体以上で出すことができる、より攻撃的な効果を持った《デコード・トーカー》です。
フィールドで《デコード・トーカー》として扱う効果、攻撃力がリンク先のモンスターの数×500アップする効果、バトルフェイズ中にこのカードのリンク先のモンスターが戦闘破壊された場合か墓地へ送られた場合に2回攻撃を得る効果を持ちます。
カード名の変わる効果はどうでもいいです。このデッキでは役に立ちません。
攻撃力の上がる効果は最大で1500の上昇値になり、下方向に向いたリンクマーカーはペンデュラムと相性が良いです。
リンク先のモンスターが2体いるとこのデッキで超えにくい攻撃力3000ラインを超えられるため、使いやすい高火力として役に立ちます。
そしてバトルフェイズ中にリンク先のモンスターが墓地へ送られるか戦闘破壊されると2回攻撃を得る効果は純粋に殴り勝つ際の引導火力として役に立ちます。
正面のモンスターを戦闘破壊すると条件を満たせる他リンク先のモンスターで自爆特攻することでも条件を満たせるため、ライフポイントを削り切れる場面では自爆特攻も視野となるでしょう。
このカードを出すことはあまりありませんが、いるだけで便利な向きのリンクマーカーとフィニッシャー力の高さが魅力的なので、このカードによるゲームエンドも常に念頭に置いています。
正直これも自由枠なので、他のリンクモンスターなどを採用してもいいでしょう。
特に同じリンク素材で同じ攻撃力になる《デコード・トーカー》とは競合するため、自分に合ったものを使うといいですね。
展開パターン
基本的にこのデッキの先攻では《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を立てることが目標です。
あわよくば《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》か《水晶機巧-ハリファイバー》+闇属性ペンデュラムモンスターを立てたいなーくらいですね。
遊戯王ニューロンで組まれたこのデッキからお試しで5枚ドローしたものが画像の手札です。
《星読みの魔術師》も《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》も展開に直接寄与する存在ではないため少々苦しい手札ですね。
まず《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を出すためには《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》にアクセスする必要があります。
《EMドクロバット・ジョーカー》と《天空の虹彩》で直接的に、《デュエリスト・アドベント》でサーチした《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》を経由することで間接的にアクセスできるため、《エフェクト・ヴェーラー》《PSYフレームギア・δ》《灰流うらら》を全て受けるようなことがなければまあ大丈夫でしょう。
とりあえず《EMドクロバット・ジョーカー》で《灰流うらら》の有無をチェックしましょう。持ってたら十中八九使ってきます。
あらゆる妨害を想定するのはまず無理なので、ここに《灰流うらら》を使ってくることだけを想定して展開を考えます。
あと《》がついていると見にくいので今だけ外して表記します。
1.EMドクロバット・ジョーカー召喚
2.EMドクロバット・ジョーカー効果発動
↑ここに灰流うららが使われる
3.オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン発動
4.デュエリスト・アドベント発動
⇒オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン
5.オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン発動
6.天空の虹彩発動
7.天空の虹彩の効果発動
→オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン破壊
⇒EMオッドアイズ・シンクロン
8.オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴンの効果
⇒EMオッドアイズ・ディゾルヴァー特殊召喚
9.星読みの魔術師発動
10.ペンデュラム召喚
⇒オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン(EXゾーン)
⇒EMオッドアイズシンクロン
11.オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
+ EMドクロバット・ジョーカー
⇒ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム リンク召喚
12.ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムの効果
⇒アストログラフ・マジシャンをエクストラデッキへ
13.ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムの効果
→オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン破壊
⇒アストログラフ・マジシャン手札
14.ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムの効果
にチェーンしてアストログラフ・マジシャンの効果
⇒アストログラフ・マジシャン特殊召喚
&オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン手札
⇒1枚ドロー(ドローしたカードは今後考慮しない)
15.ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム
+ EMオッドアイズ・シンクロン
⇒水晶機巧-ハリファイバー リンク召喚
16.水晶機巧-ハリファイバーの効果
⇒EMオッドアイズ・シンクロン(2体目)特殊召喚
17.EMオッドアイズ・ディゾルヴァーの効果
→EMオッドアイズ・ディゾルヴァー
+ EMオッドアイズ・シンクロン
⇒オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン
この状態でフィールドのモンスターには《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《水晶機巧-ハリファイバー》《アストログラフ・マジシャン》がおり、フィールドカードゾーンに《天空の虹彩》、ペンデュラムゾーンに《星読みの魔術師》、手札に《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》と1枚ドローしたカードがあります。
とりあえず意地でも《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を立てることを目標にして展開しましょう。
もし《EMドクロバット・ジョーカー》に《灰流うらら》を当てられなければもう少し展開できたはずです。
この展開はあくまで一例であり、その場の思いつきで展開を変えることもあります。
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を立てること以外に先攻でやらなければならないことはないのでアドリブで展開をしていきましょう。
まとめ
友人のデッキを真似して組んだデッキでしたが、非常に扱いやすく強いデッキでした。
遊戯王OCGの方でも未だに新規が増え続けているテーマなので、人によって構築も変わり十人十色の【オッドアイズ】になるでしょう。
ペンデュラムスケールも優秀なため他のテーマと混合してもいいでしょう。筆者は【セフィラオッドアイズ】なんかを組んだこともあります。
皆さんも自分なりの【オッドアイズ】を組み上げてデュエルしてみましょう。かっこいいドラゴンがたくさん出せるので見栄えもいいですよ。
いつも通り、おまけに不採用カードについての項を書いておきます。
暇な人は読んでみてください。
それでは、良いデュエルライフを!
おまけ(不採用カード)
《オッドアイズ・ファントム・ドラゴン》
漫画版『遊戯王ARC-V』の榊遊矢が使う彼のエースモンスターです。そのため漫画版に《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》は登場しません。
レベル7の「オッドアイズ」でありペンデュラムモンスターでもあることから《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》や《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》とサポートカードの大半を共有できます。
ペンデュラム効果は、もう片方のペンデュラムゾーンに「オッドアイズ」カードがあれば、相手モンスターとの戦闘の攻撃宣言時に自分のモンスターの攻撃力を1200アップさせるという効果です。
相手からの攻撃にも反応するため、相手からすると全てのモンスターの攻撃力が1200アップしているような状態と言えるでしょう。
モンスター効果はペンデュラム召喚されている場合に相手へ戦闘ダメージを与えると、ペンデュラムゾーンの「オッドアイズ」カードの数×1200のダメージを与える効果です。
このデッキで採用したならばほとんどのケースで2400のダメージを与えられるでしょう。
戦闘ダメージも合わせれば3000を超えるダメージを出すことも不可能ではありません。
単体性能で見ると《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》よりも優秀に見えますが、あちらと異なり「ペンデュラム」カードではありません。
つまり《デュエリスト・アドベント》でサーチできないのです。
また《アストログラフ・マジシャン》との兼ね合いから複数枚積みたい存在であるため、より多くのサーチカードに対応する《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》に軍配が上がりました。
決して弱いカードではなく、レアリティもSRであることからSR以下の限定戦などを開催する場合はエースモンスターとして活躍できるカードです。
ダメージ効率の観点でも《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》より優れているため、ペンデュラム召喚を積極的に狙えるデッキであればフィニッシャーとして活躍してくれるでしょう。
《EMオッドアイズ・ミノタウロス》
「EM」でもあり「オッドアイズ」でもあるペンデュラムモンスターです。
アニメでは何度もフィールドに出され、目に見えて疲労している姿がコミカルに描かれました。
ペンデュラム効果は「EM」と「オッドアイズ」全てに貫通能力を付与する効果です。
《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》でも全体に貫通能力を付与できますが、こちらは置くだけで適用されるため《エフェクト・ヴェーラー》や《神の通告》に止められません。
その代わり《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》などのモンスターには貫通能力を付与できないため一長一短でしょう。
モンスター効果は、ペンデュラムモンスターの攻撃するダメージ計算時に、相手のモンスターの攻撃力を自分の「EM」カードおよび「オッドアイズ」カードの数×100ダウンさせる効果です。
自身もカウントするため実質的な攻撃力は1300であり、他のモンスターを並べると弱体値はさらに上がります。また魔法罠カードもカウントするため、ペンデュラムゾーンに適当にカードを置くだけでも弱体に貢献します。
1ターンに1度の誓約もないため、ペンデュラムモンスターを並べて殴るだけでも十分に強力な戦術となります。
ではなぜ不採用なのかというと、中途半端なペンデュラムスケールを持つためです。
全体に貫通能力を付与するためペンデュラムゾーンに置くことも多いのですが、ペンデュラムスケールが8のカードを置くとレベル7しか出せず、下スケールを置くと貫通能力を活かせる最上級モンスターを出せません。
どうせならスケール8くらいにしてもらえたら採用したかったですね。
ただし【EM】ではそんな高スケールは不要でありこのカードのペンデュラムスケールでも役に立つため悪くはない設定とも言えます。
本体はレベル4の闇属性ペンデュラムモンスターであるため1枚くらいなら入れてもいいかもしれませんね。
《EMペンデュラム・マジシャン》
元制限カードの「EM」専用サーチカードです。
ペンデュラム効果は「EM」のペンデュラム召喚に反応して、自分の「EM」の攻撃力を全て1000アップさせる効果です。
非常に高い上昇値のため、【EM】ではエンドカードになり得ます。
ただしこのデッキでは役に立ちません。
モンスター効果は特殊召喚に成功した場合に、自分フィールドのカードを2枚まで破壊してその数だけ「EM」モンスターをサーチする効果です。
破壊してサーチすることから《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》のトリガーとなり、《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》や《EMオッドアイズ・シンクロン》をサーチすることができます。
無論《EMドクロバット・ジョーカー》もサーチできるので、間接的に「オッドアイズ」や「魔術師」ペンデュラムモンスターもサーチできます。
特に《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》をサーチできる点は強力で、ペンデュラムゾーンをこのカードの効果で空けつつ《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》の発動に繋げることができます。
このカード自身も「ペンデュラム」カードなので《デュエリスト・アドベント》のサーチに対応している点も大きな強みです。
ではなぜそんなカードが不採用なのかというと、闇属性ではない点が非常に弱いからです。
闇属性のペンデュラムモンスターは《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》の召喚コストになる権利が与えられますが、このカードは地属性であるため《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》の素材になれません。
【EMEm】では地属性である点を活かして《グローアップ・バルブ》と共に《ナチュル・ビースト》になるという役割も担っていましたが、今回はそれがマイナスポイントになってしまいました。
ただしモンスター効果は非常に優秀であり《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のリンク素材には使えるため、採用しても役に立つでしょう。
《貴竜の魔術師》
友人が採用しており筆者が採用していない、最も大きな差となるカードです。
ペンデュラム効果はもう片方のペンデュラムゾーンに「魔術師」カードが無いと自壊するデメリット効果しかありません。
しかし《アストログラフ・マジシャン》や《クロノグラフ・マジシャン》の効果のトリガーとなるので、たまには使うかもしれません。
モンスター効果はドラゴン族のシンクロ素材にしか使えず、「オッドアイズ」以外のモンスターとシンクロした場合にデッキボトムへ戻るデメリットと、手札・墓地にいる時にフィールドのレベル7以上の「オッドアイズ」のレベルを3下げることで特殊召喚できる効果です。
デメリットは全て効果外テキストであり、何があっても踏み倒せません。
しかし実態としてはリンク素材にされることの方が多いので普通に無視されます。
自身を特殊召喚する効果は墓地からでも発動でき、《ドラゴン・目覚めの旋律》などのコストで捨てても機能する優秀な効果です。
このカードがチューナーであることから《EMオッドアイズ・シンクロン》に頼らずとも《水晶機巧-ハリファイバー》を出すことができます。
レベルの下がった「オッドアイズ」も《覇王眷竜クリアウィング》のシンクロ素材にできるため無駄がありません。
ではなぜ筆者が不採用にしたのかというと、謎です。
書いてて強いカードだなと再認識しています。
でも多分デッキ内のどこを変えるべきか悩んだ挙句やっぱ入れなくていいや、となりそうでもあります。
あると便利だけど無くても困らないカード、という立ち位置でしょうか。
《ヴァレルロード・S・ドラゴン》
リンクモンスターとシンクロモンスターを採用するデッキであれば採用できる、制圧型のシンクロモンスターです。
シンクロ召喚に成功した場合に墓地のリンクモンスターを装備し、その攻撃力の半分の数値分攻撃力がアップし、そのリンクマーカーの数だけヴァレルカウンターを乗せます。
そして1ターンに1度ヴァレルカウンターを取り除くことで、相手のカード効果の発動を無効にします。
このデッキでは《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》が墓地にいることが多いため、攻撃3900のモンスターとして扱うことができ、制圧札として君臨します。
十二分に強いカードですが、このデッキでは《水晶機巧-ハリファイバー》を経由することで相手ターンにシンクロすることが中心となります。
つまり最初から制圧札として用意することができないということです。
《覇王眷竜クリアウィング》とレベルが同じため、どちらを立てるか選択式になりますが、どちらか片方しか立てられないということでもあります。
結局このカードを不採用した理由は、相手ターンに立てる1妨害に強みを見出せなかったからです。
先攻で5妨害ほど用意した上で立てるのであれば非常に強いのですが、このデッキではどんなに多くても《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》にレベル8シンクロと手札誘発があるか無いか、といった妨害になります。
そのことを考えた場合、1枚で複数枚のカードを処理できる《覇王眷竜クリアウィング》の方が相手ターンに立てる妨害として優秀だという結論に辿り着きました。
ついでにあちらの方がアニメ『遊戯王ARC-V』にも登場した上、使用者(の体)が同じということでファンデッキ感も生まれます。
友人のように他のチューナーも採用しており安定して出せるようなデッキであれば採用してもいいのではないでしょうか。
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が合体した正当進化モンスターです。
ペンデュラム効果はもう片方のペンデュラムゾーンが空いている場合にデッキのペンデュラムモンスターをセッティングできる効果です。
適当に《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》なんかを置けるといいんじゃないでしょうか。
モンスター効果はレベル7をペンデュラム召喚できる時にペンデュラム召喚できる効果外テキストと、エクシーズモンスターを素材にエクシーズ召喚した場合に全体除去とバーンダメージと3回攻撃を得る効果と、破壊されるとペンデュラムゾーンのカードを全て破壊してペンデュラムゾーンに移動できる効果があります。
レベルを持たないペンデュラムモンスターであるため、例外的にペンデュラム召喚できるテキストが記されています。
現状《DDD超死偉王ダークネス・ヘル・アーマゲドン》以外のエクシーズペンデュラムモンスターには類似したテキストがあります。
エクシーズモンスターを素材にエクシーズ召喚した時の効果は、《相克の魔術師》や《レイダーズ・ナイト》など一部のモンスターの効果か「RUM」を使わない限り発動できないでしょう。
このデッキでは発動できないため割愛します。
破壊されるとペンデュラムゾーンに移動できる効果は先に破壊する効果があるためペンデュラムゾーンにカードが無ければ発動すらできません。
類似する《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》は破壊せずに移動するだけなので、逆にペンデュラムゾーンが空いていなければ発動できません。
しかしこのカードの真価は《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード》のエクシーズ素材になることにあります。
あちらはこのカードに重ねてエクシーズ召喚でき、毎ターン3回攻撃ができます。
ではなぜあちら共々不採用なのか?
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード》がマスターデュエル未実装だからだよ!
そのせいでランク7を立てる理由がほとんど消えました。こいつためにエクストラデッキを2枠割いていいほどのパワーがありますが、実装していないカードは使えません。禁止カードとして《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》が実装済みなのになんでこいついないねん。
そういうわけで不採用です。
実装した瞬間採用します。
《覇王眷竜ダーク・リベリオン》
エクストラデッキに入る最後の「覇王眷竜」です。
闇属性レベル4ペンデュラムモンスター2体という少々重い素材縛りですが、このデッキのエクシーズ素材は墓地へ送られた方が強い《覇王眷竜ダーク・ヴルム》や召喚後は特に役に立たない《EMドクロバット・ジョーカー》がいるためあまり気にせず出すことができます。
効果も1ターンに1度相手モンスターと戦闘するダメージ計算前にエクシーズ素材を1つ使うことで相手モンスターの攻撃力を0にしてその分の攻撃力をアップするという狂った効果です。
攻撃力2500未満のモンスターで攻撃してくることは少ないと思われるので、事実上5000以上のダメージを叩き出すバケモンです。
効果で破壊してバーンダメージを与える《覇王眷竜クリアウィング》が可愛く見えるレベルですね。
このため戦闘を中心とする相手には滅法強い反面、《覇王眷竜クリアウイング》と同様に効果で処理されやすいので相手との相性に大きく左右されます。
ついでにお互いのバトルフェイズ中にエクストラデッキへ戻ることでエクストラデッキの表側表示の「覇王眷竜」か「覇王門」を2体まで特殊召喚できる効果もありますが、墓地からも出せるようにしてほしかったです。
ルールも敵になっているのでだいたい出せる数は1体だけであり使うことはほぼありません。
強いことは強いのですが、やはりエクシーズ素材を安定供給できなかったため不採用となりました。
出す意味の薄い《EMドクロバット・ジョーカー》などをわざわざペンデュラム召喚したくなかったということと、先攻で出せても強くないことが理由です。
どちらかといえば返し札としての要素が強いカードですし、そのような状況は想定していません。
レベル4の「EM」を多めに採用するような構築であれば入れてもいいかもしれません。
《EMオッドアイズ・ミノタウロス》や《貴竜の魔術師》でレベルの下がった《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》などもエクシーズ素材になれるので出す機会も増えるでしょう。
決闘者の数だけデッキの可能性は広がります。
筆者が採用しなかったカードにも可能性を見出し、皆さんだけのオリジナルのデッキを是非組み上げてください。
数多の変t……奇抜なデッキが世に放たれるのを楽しみにしています。