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さようなら、ハリファイバー
皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。
2022年7月1日、ついに《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止カードになることになりました。
環境デッキではあまり見なくなりましたが、ファンデッキでは大きな活躍を見せ、サーチ・リクルート手段の乏しいチューナーを調達するのみならず、《幻獣機アウローラドン》を絡めた展開によって様々なカードを支えてきました。
かく言う筆者もこのカードとはズブズブの関係であり禁止カードの発表時にはあまりの衝撃に何も考えられなくなりました。
このカードの禁止カードに伴い、構想中だったデッキや記事にしていないだけでよく使っていたデッキは軒並みお蔵入りとなりました。
そんな《水晶機巧-ハリファイバー》によって支えられてきた、支えられるはずだったデッキの紹介をしていくのがこの記事の主旨です。
どうせあと数日の命です。彼の底力を見せつけて散ってもらいましょう。
【ガスタのつむじ風】
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以前記事にもしたデッキですね。
「ガスタ」とは1ミリも関係ないところで活躍していました。
1.フォーマッドスキッパー召喚
2.フォーマッドスキッパー効果
→スケアクローライトハートになる
3.フォーマッドスキッパー
⇒スケアクローライトハート リンク召喚
4.スケアクローライトハート効果
→肆世壊ライフォビア サーチ
5.フォーマッドスキッパー効果
→パラレルエクシード(A) サーチ
6.肆世壊ライフォビア発動
→ヴィサス=スタフロスト サーチ
7.ヴィサス=スタフロスト効果
→スケアクローライトハート破壊
→自身を特殊召喚
8.スケアクローライトハート効果
→自身を特殊召喚
9.ヴィサス=スタフロスト+スケアクローライトハート
⇒水晶機巧-ハリファイバー リンク召喚
10.水晶機巧-ハリファイバー効果
→D・スコープン特殊召喚
11.パラレルエクシード(A)効果
→自身を特殊召喚
12.パラレルエクシード(A)効果
→パラレルエクシード(B)特殊召喚
13.D・スコープン+パラレルエクシード(A)+(B)
⇒No.10 白輝士イルミネーター エクシーズ召喚
という展開ルートを用意していたのです。
《フォーマッド・スキッパー》にアクセスできれば展開できるため狙いやすく《No.10 白輝士イルミネーター》の救済になるかと考えていましたが、このプランは凍結となりました。
《D・スコープン》も《水晶機巧-ハリファイバー》から直接呼び出せる唯一のレベル4になれるモンスターという優位性が消えたため非常に痛いですね。
【ゲート・ガーディアン】
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こちらは去年の今頃考えて形にした【ゲート・ガーディアン】ですが、実際に使っていた期間はおよそ4ヶ月程度と短命でした。
展開ルートは書くと非常に長くなってしまうので概要だけ書きますが、《聖騎士の追想 イゾルデ》から《水晶機巧-ハリファイバー》、さらに《幻獣機アウローラドン》に繋げ、3体の《永遠の淑女 ベアトリーチェ》を出すことで《ゲート・ガーディアン》を出す準備を整えようというデッキです。
見ての通り《デスカイザー・ドラゴン/バスター》による三魔神の蘇生から《ゲート・ガーディアン》を出そうという考えなので、無差別にカードを墓地へ送る《隣の芝刈り》のようなカードが採用できなかったことからこのような展開を考えました。
実際には展開していくのが物理的にめんどくさいという点が非常に困った部分であり、また《ゲート・ガーディアン》を出すことに意識を割きすぎてそこから先のプランが皆無という極めて重大な問題を抱えていました。
結果としてこのデッキはお蔵入りとなったのですが、《水晶機巧-ハリファイバー》から《永遠の淑女 ベアトリーチェ》を出す展開自体は使い所をずっと探していました。
特に《幻獣機ハムストラット》を活用したルートには《水晶機巧-ハリファイバー》によってリクルートされた《幻獣機オライオン》が必須だったため、それが頓挫して大きな痛手となっています。
【クラブ・タートル】
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古の儀式モンスターである《クラブ・タートル》をエースに据えたビートダウンデッキです。
このレシピの作成時点で未発売だった《No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲン》のためにエクストラデッキは14枚となっています。
このデッキの初動札として《深海のディーヴァ》と《ジェネクス・ウンディーネ》が用意されていますが、後者の展開には《水晶機巧-ハリファイバー》が必要だったのです。
1.ジェネクスウンディーネ召喚
2.ジェネクスウンディーネ効果
→水晶機巧-ローズニクス墓地
→ジェネクスコントローラー サーチ
3.水晶機巧-ローズニクス効果
→自身を除外
→水晶機巧トークン特殊召喚
4.水晶機巧トークン
⇒リンクスパイダー リンク召喚
5.リンクスパイダー効果
→ジェネクスコントローラー特殊召喚
6.ジェネクスコントローラー+リンクスパイダー
⇒水晶機巧-ハリファイバー リンク召喚
7.水晶機巧-ハリファイバー効果
→エフェクトヴェーラー特殊召喚
8.エフェクトヴェーラー+ジェネクスウンディーネ
⇒虹光の宣告者 シンクロ召喚
現在は《虹光の宣告者》が光属性であることとレベル1のチューナーなら何でも良いことから《エフェクト・ヴェーラー》ではなく《サニー・ピクシー》を採用していますが、基本的な動きは何も変わりません。
むしろ《サニー・ピクシー》にしたことでライフポイントを1000回復できる動きになりました。
《水晶機巧-ハリファイバー》を使いたいというよりは《虹光の宣告者》で《クラブ・タートル》《亀の誓い》をサーチしたいついでに立てられるから出すといった側面が強いですね。
2枚目以降の《ジェネクス・ウンディーネ》も《天威龍-シュターナ》を墓地へ落とせる点も優秀でしたが、《水晶機巧-ハリファイバー》がいなくなることで採用する必要性自体薄くなるでしょう。
割と力作のデッキだったのでこのような形で姿を変えなければならないのは残念です。
【先攻sophia】
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もはやデッキというよりは手間のかかる展開ルートをそのまま搭載した紙束という方が正しいでしょうか。
《宣告者の神巫》か《ブンボーグ003》を引ければ、相手の妨害さえ無ければそのまま《創星神 sophia》を出すことができます。
どちらの展開も文字にすると長くなるため割愛しますが、いずれも《水晶機巧-ハリファイバー》から《幻獣機アウローラドン》に繋げて展開するため、そのルートが絶たれたことでこのデッキも正真正銘の紙束になってしまいました。
【先攻全ハンデスズァーク】
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【先攻sophia】に似た紙束です。
そもそも《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が禁止カードになっているため既に構築不可能ですが、気合いで《ミラクルシンクロフュージョン》を引ければまだ成立できました。
なお成功率は約15%なので実際に組むのはおすすめしません。もう組めなくなるし。
【地縛神Wiraqocha Rasca】
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《バオバブーン》を《肆世壊=ライフォビア》でサーチした《ヴィサス=スタフロスト》で破壊するところから始め、先攻で《地縛神 Wiraqocha Rasca》による3ハンデスを狙うデッキです。
上記2枚が揃わなかった場合の展開を考えなければならず、構築で頭を抱えていたところ《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止カードになったことで展開ルートが一部消滅しました。
実はこのデッキの展開ルートを考えるにあたり、《地縛神 Wiraqocha Rasca》をサーチする手段が確立できなかったため、《地縛神 Wiraqocha Rasca》は素引きしなければならないという重大な欠陥があるのです。
一応《バオバブーン》による3枚分のドローがありますが、それでも引けなかった場合の保険として《水晶機巧-ハリファイバー》を経由して《No.56 ゴールド・ラット》による1枚ドローで引くことを祈ることができるのです。
変な金鼠が出なくなるだけなので擦り傷程度ですが、その変な金鼠も割と使いたかったカードであり、こちらをメインに据えるデッキが難しすぎたためこのような形で採用できて嬉しかった分悲しみが止まりません。
好きなんですよね、こういう割とどうしようもないカードを救済するの。
最後に
突発的な記事であり特に価値の無い文章ですが、丁寧に読んでいただけたなら幸いです。
筆者がいかに《水晶機巧-ハリファイバー》に依存していたかもよくわかるでしょう。
約4年に渡って筆者のみならず多くの決闘者を支えてきた《水晶機巧-ハリファイバー》に敬礼してこの記事を終えましょう。