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センスと贈り物

今朝、布団から出てリビングのカーテンを開け、ふとテーブルの上を見たら母の日に買ってきたバラが花瓶に生けられていた。

まるであの『美女と野獣』に出てくるバラのように可憐に咲く姿に、おもわず「貴方たちは本当に美しいね」と声をかけたくなる。

さて、私の母は昔から持ち物や着る服にこだわりがあって、センスも素敵だなぁと私は常々思っているのだけど、だからこそ、母の日に何を贈ればいいか毎年すごく悩む。

下手な物は買えないし、「これはどう?」「じゃあ、あれは?」と前もって聞いても、どれも必要なさそうな反応。プレゼントを贈る事でここまで頭を使わされる人は、私にとって母しかいない。

最終的にいつも、母の大好きなバラを数本買って帰る事に落ち着く。まぁ今年に関しては、ちょうど母と買い物をしていた時に花屋さんがあったから、一緒に入って購入したのだけど。

今回の花屋さんは初めて行った所だったもので、「どの色にします?」なんてラッピングの色を聞かれて、センスのない私はどぎまぎしてしまった。

お花の色と合わせても何となく全体がぼやけちゃうし、だからって奇抜な色でラッピングしたらキツく見えちゃうし。花束とラッピングの色の組み合わせって、なんであんなに難しいのかしらね。

笑顔で私の返答を待っている店員さんの前で困り果てていると、店の奥から紳士なおじさまが出てきて「この色、可愛いと思う」と素敵な色をチョイスしてくださった。あとで店員さんに聞いたら、その花屋さんの社長さんだったらしい。なんと…!

助け舟に安堵した私は、その色と自分の好きな淡いピンク色を組み合わせた2色でお花たちを巻いていただいて事なきを得た。おじさま、ありがとう。

母も喜んでくれて私も大満足だったけど、もう少しセンスを磨かなくては、と思わされた一日だった。

そういえば、バラの花言葉は「愛」と「美」らしい。凛として愛らしく、いつまでも美しさを忘れない母にとてもよく似合うお花だ。

私もいつかそんな素敵な人になりたいと、これを書きながら思っていた。



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