ちょっとダサいと安心する

肌寒くなってきた。
去年、激安通販ヒラキで買った858円のフリースジャケットの出番がやってきた。

先月ふとお買い物依存症になり、買いこんだ秋冬物が何着もある。
ほぼ、実用性は無視したおしゃれ着だ。
寒い時期は苦手だ、でもお気に入りの衣類があれば冬を楽しく乗り切れるかも知れない、そう思って買いこんだおしゃれ着たちだ。
けれどそれは計算違いだった。

秋が訪れ、わたしは不安定になっている。
(秋に限らず常に不安定な気もするが)
肌寒い、衣類のぬくもりがほしい、と思ったとき、手に取るのは、とにかく着ていて楽な衣類だ。
汚しても気にならない、着たまま眠ってしまってもいい、そんな気楽な衣類だ。
そう、ヒラキの858円のフリースジャケットだ。

フリースジャケットを着た自分を鏡で見る。
うん、ダサい。
けれど、とってもあったかい。
肌触りも、フカフカだ。

ヒラキのフリースジャケットのような恋人がほしい。
ちょっとダサくて、けれどとってもあったかい恋人がほしい。
そして思い出す。
ああ、そうだった。
6年前の入院仲間だったAさんが言ってた。
「ちょっとダサいと安心する」
わたしもそう思う。
「ちょっとダサいと安心する」
名言だと思う。

ダサくて暖かいフリースジャケット。
しかもユニクロですらない、ヒラキ。
それが、今の自分にとって、いちばん安心できる衣類だ。
今年のぶんが売り切れる前に、洗い替えも買っとこう。

ビシッと決めたいときは、おしゃれ着に身を包む。
ほんわかと安らぎたいときは、このフリースジャケットに身を包む。
そうして苦手な冬場を乗り切っていこう。

問題の858円のフリースジャケット





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