僕はこの瞳で嘘をつく

精神疾患を持っている。
住まいは障害者グループホーム、仕事はB型作業所だ。
そんなわたしは、日々いろいろな支援員さんに支えられて生活している。

わたしは重症患者だから、入院中は何度も隔離室に入れられてきた。
入院中は、何度も厳しく叱られてきた。
そんなこんなで、わたしは医療、福祉の人が怖い。
今でも怖い。

ほんとうは、グループホームの社長をカッコいいと思っているわけじゃない。
ほんとうは、相談員さんのことをきれいな人だと思っているわけじゃない。
けれど、わたしはしつこいほどに言う。
「カッコいいですね」
「おきれいですね。」
その言葉の裏側には、
「あなたのことが怖いんです」
という本音がひそんでいる。

過度に従順なふるまい。
大げさなほどのお世辞。
わたしは、嘘と演技とをフルに取り混ぜながら、支援員さんたちとのコミュニケーションをはかる。

そんな日々に、もう疲れてきたのかも知れない。
今は、ひたすら、リセットしたい。
なにをリセットするのだろう。
けれど確かになにかをリセットしたい。
そんな考えに取りつかれている。

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