税金雑学シリーズ〜税務署の誤指導①〜
今年の所得税の確定も終わり、私たち税理士はひと段落ついたところです。
毎年確定申告を自宅のパソコンやスマホから行う方も多いはないかと思いますが、どのように処理すれば良いか不明な点がある場合には、税務署へ申告の相談に行かざるをえない場合もあるかと思います。
税理士に相談するのではなく税務署へ相談しに行く理由としては、まず第一に無料であることが挙げられることは言うまでもありませんが、それだけでなく税務署に相談すれば間違い無いだろうという思いを抱く方も多いのではないかと思います。
しかし、税務署に相談したとおりに申告したら3年後に税務調査で「3年前の所得税の申告書に間違いがあるので修正申告してください。つきましては追加で○○○万円と過少申告加算税○○万円延滞税○万円支払ってください」と指摘されてしまったなんてことは良くある話です。
「税務署に相談したとおりに計算したのに何で間違えてるんだ!?誰が払うか!ふざけんな!!」と興奮される方もちらほらいると元同僚からは聞きますが、このような場合でも本来納めるべき本税と呼ばれる部分については必ず納める必要があります。これについては、”その年にこれだけの所得があった人であればこの金額を払わなければならない”ということが法律で決められているものなので「そりゃそうだな〜」と思われるかと思いますが、税金が不足したことに対してペナルティーとして課される「過少申告加算税」と「延滞税」についてまで支払わなければならないというのはなんだかおかしな話に思えますよね。
税務署の誤指導なら加算税も延滞税も支払い不要!
この点、税務署の誤指導によって追加で納付税額が生じた場合には、国税通則法で延滞税と加算税についてそれぞれ以下のとおり免除される旨が定められています。
1)延滞税
延滞税の免除根拠について法律上「火薬類の爆発、交通事故その他の人為による異常な災害又は事故」にあたると国税庁はHPでその考えを明示しています(国税通則法63条、同施行令26条の2③)。
「火薬類の爆発、交通事故と並ぶ人災!?!?笑笑」・・・・とその根拠規定が少し笑えたのでわざわざこの部分をピックアップしてみましたが、やはり税金事務を取り扱う税務署の誤指導はあってはならないことなので仮にあったならばそれはこのような偶然の事故と同じレベルだ!という考えなのでしょうか笑
2)加算税
これに対して加算税の免除根拠については特に笑いの要素はなく、「(過少な税額になっていたことについて)正当な理由があると認められるものがある場合・・」(国税通則法65条)と規定されており、裁判例等では「税務職員の誤指導」がこれに含まれるものと判断されています。
では、どのような場合に”誤指導があった”と認められるのでしょうか。
税務署への相談について全て音声付きで録画されているならいつどのようなことを指導されたかが明らかですが、当然そんなことはありません。
相談する際に録音しておけばいいのではと思うかもしれませんが、税務署の職員は「公務員の守秘義務違反になる恐れがあるからやめてください」と言って録音を拒みます。
そこで、次回はこの税務署による誤指導が認められた過去の裁判例等をご紹介したいと思いますので、またご覧いただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございまいた^ ^
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