
RISE173の雑な感想
一昨日(2023年11月18日)、後楽園ホールで開催されたRISE173を観戦しに行ってきました。
僕と妻は土日祝日は基本的に休めない業界で働いているのですが(会社は別々)、今大会はどうしても観に行かなければいけないと思い有給を使いました。
満足度の高い神興行だったんですが、その中でも特に印象に残った
澤谷大樹 vs 安本晴翔
RISE QUEENミニフライ級(-49kg)タイトルマッチRISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメント
の計5試合について雑な感想を。
独断と偏見と暴言と戯言と妄想です。
悪しからず。
澤谷大樹 vs 安本晴翔

妻は旧KNOCKOUTを観て以来、橋本会長の大ファンなので、大会開始前にたまたま誰もいなかった近くの席に橋本会長がいらっしゃって、ほんの一瞬だけお話が出来たらしくかなりご機嫌でした。
それはさておき。
安本の再起戦が澤谷ってのは中々ハードなマッチメイクだなと思っていました。澤谷は安本が直近で敗北した魁斗に勝っていますし。
ただ、この試合前のRISEフェザー級ランキングは下記のようになっていて

王者門口は1位~4位全てに勝利しています。
過去の実績とかを一旦忘れて、いちランカーとして1つずつランキングを上げていけば、何故か安本に辛口の王者門口も認めざるを得ないでしょうし、普通にいいカードだなとも思っていました。
勝ち続ける中でRISEルールにどんどんアジャストしていけばいいし。
安本はRISE復帰後に6戦していますが、その内1試合はSBルール、1試合はK-1ルール、1試合は純キックルール(肘有)と、半分はRISEルールで試合をしていませんからね。
澤谷は17勝1KOとKO勝利が少ないですがKO負けは一度もないです。
そして、負けた試合も完敗というものではなく微妙な判定負けが多く、勝利した試合でも僅差の判定勝利が少なくはない、いわゆる実力は折紙付きながら、もう一皮むけ切れていない、逆に言えばあと何か1つが加わると突き抜けそうなそんなイメージの選手です(あくまで僕の勝手なイメージ。大変失礼ながら)
ですが、今大会の澤谷は会見時から闘志剝き出しで非常に良かった。
試合も3分3R一瞬たりとも気を抜くことなく、喰ってやろうという気迫と覚悟が凄まじかったです。
僕は30-29で安本でしたが、ラウンドマストシステムで5人ジャッジがいたら1人くらいは澤谷につけていてもおかしくはない、そんな試合内容だったと思います。
近年では石月祐作が、先月には松本天志が挑戦して果たせなかったRISEのベルトを北陸に持ち帰る偉業を目指して澤谷も頑張って欲しいと思います。
今大会、現DEEP☆KICK−65kg王者の石田迅から圧巻の1RKO勝利を収めた澤谷と同門の田中佑樹も是非狙って欲しいですね。特にRISEスーパーライト級は現在王者が空位の上、あまり稼働していないし。
どーでもいい話ですが、1年前のRISE王者はこんな感じでした(世界王者、OFG王者除く)
東京が4人(田丸、直樹、宮﨑小雪、小林愛三)
大阪が3人 (鈴木真彦、門口、中野)
愛知が1人(大﨑一貴)
愛媛が1人(山田洸誓)
沖縄が1人 (erika♡)
韓国が2人(チャンヒョン、ソンヒョン)
それが1年後
大阪が7人(数島、鈴木真彦、門口、中村、中野、海人、聖愛)
東京が2人(南原、宮﨑小雪)
愛知が1人(大﨑一貴)
韓国が1人(チャンヒョン)
オランダが1人(テッサ)
兵庫が1人(小林愛理奈)←new
たった1年間でRISEは関西に征服されました(笑)
来月には関西の城を奪いに中部地方の戦士がリングに上がりますが、元々ある中部地方の堅牢な城を、近い将来奪いに行くことが確定しているのはこれまた関西の戦士です。
僕は特に関東に思い入れがあるわけではないですが、バランス的にもう少し東も頑張って欲しいと思います。
来年一発目には東京の戦士が隣国の城を奪いに行きますけれど。
勢力をひっくり返すためには安本の更なる覚醒は必須です。
安本の次戦は順当に行けば

↑の勝者とですかね(あくまで順当に行けば。ちなみにこの試合も超楽しみです。両者ともにタイトルマッチ経験者)
そこをクリアすると梅井とかになるんでしょうかね。
階段を一歩ずつ駆け上がった先には完全体の安本が見られるかもしれません。

RISE QUEENミニフライ級(-49kg)タイトルマッチ erika♡ vs 小林愛理奈

erikaが過去に喫した黒星(2敗)はどちらもRISEでついたものですが、2試合とも試合内容では負けていなかったと思います。
王座決定トーナメントの大倉戦、AKARI戦を観たあとには、この階級でerikaに勝てる日本人女子選手は現状いないなとさえ思っていました。
erikaはディフェンスにやや難はあるものの、とにかく打たれ強いし、スタミナもある。体は頑丈でおそらく脛も硬い。
小林愛理奈はずっと応援している選手だけど、当日の体重に差があり過ぎるし、3Rならまだしもタイトルマッチ5Rなのでさすがに勝つのは難しいかなっていう予想でした。
1R開始早々に小林がラッシュを仕掛けたとき、それだと5R持たんぞ!と一瞬思いましたが、その後すぐに、伊藤代表が大会前の会見で「5Rやらなきゃいけないと思っている選手が多い。持っている者を出し尽くした選手に結果がついてくる」と仰っていたことが脳裏によぎりました。
たしかに最近のタイトルマッチは5Rを意識しすぎている選手が多いかなとも思います。勿論、当たり前のことですし否定する気も全くないんですけれど、鈴木真彦や一馬(チャンヒョン戦)のようにタイトルマッチでも1Rから倒しにいった試合って結構長いこと記憶に残っていたりします。
なので途中からやはり小林愛理奈はこれだよなって思い直し

に変わりました。
実際はわめき散らしていただけですけれど(笑)
それでもerikaがあんな風に倒れるとは想像できなかったです。
erikaの今後はわかりませんが、ゆっくり休んで回復したらまた復活して欲しいですね。宮﨑若菜との再戦も見たいですし。
ただでさえ相手が探しづらい小林は宮﨑小雪と同じくいよいよ海外選手とかな。小林はまだ日本人以外と試合をしていないし、見てみたいですよね。
皆様ご存じのこととは思いますが、小林愛理奈が過去に負けた相手は宮﨑小雪だけです。普通、4度目の対戦なんてお腹いっぱいで見たくない人が大半だと思うんですけれど、僕はまた見たくなっちゃいました。
直近5試合全てでダウンを奪い、今ならって思わせる小林はやっぱり女子では唯一無二のキックボクサーだと思います。
来るそのときまで、2人とも存分に実績を積み重ねて欲しいですね。
女子キック最強決定戦をいつの日かまた。

RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメント

僕が今まで書いてきたnoteの中で1番ビュー数が多かったのは下記の記事です(かなりささやかな数字ですが)
中身は至って幼稚なものですが、森井洋介と旧KNOCKOUTに思い入れがあった人が少なからずいたのでしょう。森井が引退発表した次の日に公開したこともあり、この記事のビュー数が抜かれることは暫く無かったんですが、2カ月ほど前にRISEが行った記者会見についての感想記事を公開したところ、あっという間に上記のビュー数を大幅に上回りました(今は非公開)
内容はNEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメントはじめRISE運営のマッチメイクに対してひたすら文句を書いたものでした。
SNSでは怒りを発信したときの方が反響がデカいというのはわかっていましたが、身を持って体験することになるとはね。
ただ今大会が終わった今でもこの当時の考えが間違っていたとは特に思っていません。
トーナメント無しで政所が挑戦者で、次期挑戦者候補の決定戦的な意味合いを含めた花岡竜vs長谷川海翔をすべきだったと今でも思っています。
スーパーフライ級トーナメントは終わってみればめちゃくちゃ面白かったし、大﨑一貴vs政所仁のタイトルマッチはこのトーナメントをやる前よりは遥かに価値が上がったとは思いますけれどね。
でも、タイトルマッチ組んだ後どうすんねんと。
しばらくはペンペン草も生えませんよこれは。
花岡vs長谷川はいずれやるんでしょうけれど、この試合の旬は過ぎてしまいました。そもそもどちらも政所に負けちゃったわけだしね(勿論組まれれば楽しみだし、間違いなく見るけれど)
田丸辰がタイトルマッチに再び挑戦するくらいしか目玉がないでしょう。
なのでK-1から池田幸司が参戦するのは非常に面白いんじゃないかなと。
実際、石井一成は大﨑一貴、政所仁、花岡竜と対戦済みだし、王者黒田もTHEMATCHで風音と対戦済なので、この2人よりもRISEスーパーフライ級ランカーの誰とも絡んだことのない池田は非常に貴重なスパイスだと思います。
タイミング的に上位ランカーは皆試合が決まっていた為、54kg契約での松下武蔵戦になりましたが、ここで勝利すれば勿論、仮に負けても本来の階級は53kgなのでってことで継続参戦してもらいたいので、僕はキャッチウエイトがあまり好きじゃないけれど今回に関してはアリかなと。

まあ今後どうなるかはわからないけれど、池田としてもK-1でタイトルマッチが出来ない以上、タイ人とかとやるよりRISEのランカーに勝利した方が遥かに評価が上がるしメリットもあるでしょう。
池田幸司vs花岡竜
池田幸司vs長谷川海翔
とか面白そうじゃないですか。
参加選手に関して

僕はこのトーナメント参加選手は4人共全員好きです。
引退までにやりたかった2人のうち早くも1人決定か
— 桑吉氏 (@kuwayoshi0619) July 27, 2022
全てを出し切って欲しいし
イ・ソンヒョンは出し切るに相応しい相手
加藤→緑川→あれ、HIROYUKIまだ? https://t.co/E9U2wzAhsN
HIROYUKIにはもっと早くRISEに本格参戦して欲しかったです。
この修羅の国でやっていける数少ない選手の1人だと前から思っていました。華もあるしね。
花岡竜も大好きです。クソ生意気なところも全部(笑)
とにかく試合が面白いし、肘有で石井一成を完封して、オープンフィンガーや肘無しルールでも結果を出してきた真の実力がある選手のトラッシュトーク(トラッシュトークていう感じでもないけれど)は僕は全然嫌いじゃないです(インタビュー記事とかいつも面白い)
長谷川海翔なんてみんな好きでしょ。この子嫌いな人なんているの?って思うし、応援する理由しかないです。
ただこのトーナメントはあまりにも政所にとって理不尽過ぎたために、ひどく政所に感情移入することになりました。
政所がこの理不尽なトーナメントを優勝するところはさすがに生で観なければいけないと思い、本来取ることの許されない土日祝日の有給を申請することにしました(妻はさすがに無理で半休でしたけれど)
試合感想
事前予想としては、全3試合全て判定決着だろうなと。4人共レベルが高いし、僕の勝手な印象では花岡と長谷川は打たれ強い。
まあいきなり外れるわけですが(笑)

1 回戦で花岡が政所を返り討ちにしたらそのまま花岡が優勝するんじゃないかなと思っていました。
ただ何となく(応援しているとか抜きにして)政所が勝つんじゃないかと、戦力分析とか試合展開とか全く考えずに思っていました。政所がリベンジマッチに滅法強いとかもあるけど、本当に何となくふわっと。
試合が始まると、政所の距離が非常にいいなと思いました。前戦のルベン・セオアネ戦よりも更に調子がよさそうだなとも。
そしてこれは毎回思うんですけれど、花岡のスピードと体幹の良さ。
とか思っている内に飛び膝が炸裂して、その後左フックで試合が決まってしまいました。
ただ政所の強烈な左フックを貰っても花岡はすぐに立ってきたので、やはり打たれ強いなとは思いましたね。それにしても2ノックダウン制とは言え、まさかあの花岡がKO負けするとは。暫く震えが止まらなかったです。
帰宅後にABEMAの映像で、花岡が泣き崩れているシーンを見たときは胸が締め付けられました。
本当に残酷な決闘ですよね。

1回戦、長谷川海翔のKO勝利予想って結構いたんじゃないかな。
僕は流石にそれはないと思っていました(まあ外れるわけですが笑)
長谷川海翔は直近の翼がキャリア最強の相手で、HIROYUKIタイプの選手とは対戦経験がない。
逆にHIROYUKIは花岡竜、風音、佐藤執斗との対戦経験がある。
なので苦戦は間違いない。それでも、長谷川がどこかのRを取って判定で勝つかなという予想でした。
これはHIROYUKIに大変失礼なんだけれども、格闘技・スポーツに限らずあらゆる分野で運・ツキの要素ってのはそれなりに重要で、HIROYUKIは風音戦を見る限り、そんなに持っているタイプの選手ではないと思っていたので。
逆に風音は持っている(いた)選手だと思っています。
最近で持っている選手といえば、アゼルバイジャンでベルトを奪取したあの男でしょう。
勿論、ツキは突然枯渇することもあるし、突然湧き出すこともあるのでどんな選手でも今後どうなるかわからないですけどね。
てかそもそも何の根拠もない話だけど(笑)
僕は政所応援ではあったけれど、長谷川も同時に応援していました。
理由としては、RISE初参戦で滉大、その約2ヶ月後には政所、その約一ヶ月半後には翼(ワールドシリーズ)と短期間でランカー3人と対戦出来た花岡と比べると、RISE初参戦で金子梓、そこから約4ヶ月後に黒田直也、そこから約5ヶ月後に翼(ナンバーシリーズ)だと扱いに差があるなあと思っていたからです。
まあ花岡の実績と比べると仕方のないことではあるんですけど、より応援する理由にはなります。
それにしてもHIROYUKIが強かったですね。蹴りの音を聞いてるだけで骨が折れそうでした。
僕は難しい判定だなぁと思って見てたら、ご存じの通り3Rに長谷川が飛び膝2発を決めてKO勝利。
この試合1,2Rの採点が知りたいです。RISEもジャッジペーパー公開してくれないかな。

決勝に関しては、1回戦の勝ち方だけを比較すれば政所が有利なのは間違いないんですけれど、如何せん政所はリベンジマッチには鬼強だけれど、初対戦時に本領発揮出来ないときがたまにあるので、そこは懸念材料でした。
いくら練習したことがあるといっても実戦は全く違うし、1日でオーソドックスとサウスポーと対戦するのは大変だしね。
決勝は泣きましたね。
長谷川海翔の打たれ強さと精神力には驚きました。
ダウンした以外にも何発かハイキックをマトモに貰っていたし、他にもいい攻撃を貰ってるんですけれど、効いた素振り一切見せない。
唯一、ボディのときだけ若干効いたように見えました(顔には全く出しませんでしたが)
それとダウンしてからですよね。あのときの表情の変化が凄くいい。
効いた顔からの、冷静に回復に努めて、その後ファイターの顔になる。
僕は好きな選手からいわゆる推しの選手に変わるための要素がいくつかあるんですけど、その中の一つに試合中逆境に立たされてから(後半ダウンを奪われたり、明らかにポイントで負けていたりするとき)の戦い方があります。
ここは様々な部分のメンタルが試されます。
当然、アグレッシブにいかなければいけないのですが、ただガムシャラに攻めればいいってもんでもないです。
そういった意味で長谷川の動きは僕にとっては満点でした。
この長谷川の3R後半の攻めとそれを迎え撃つ政所を見て涙が出てきました。それでいて、政所に頼むから付き合わないでポイントアウトしてくれと拝んでもいましたけれど(笑)

こんなん泣くっしょ。
最後に
政所仁はこのトーナメント参加選手の中ではRISE最古参です。現王者大﨑一貴や前王者田丸辰よりもRISEデビューは早いです(RISEスーパーフライ級ランカー最古参は遠山翔太)
僕が政所の試合を初めてリアタイしたのは2017年10月に開催されたRIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 1st ROUND -秋の陣-です。
メインはRENAvsアンディ・ウィン。セミは那須川天心vs藤田大和。この2試合はテレビでも生中継されました(記念すべき天心の初地上波生中継試合はMMA)
何だか懐かしいですね。
ジモキック枠の3試合目。政所の相手は西の神童こと石井一成(石井一成vs政所仁がジモキックとは何て豪華な!)
当時既にKNOCKOUTに参戦していた売出し中の石井一成地元の福岡での開催。言い方が悪いですが、政所はかませ扱いだったとも言えます(当時の戦績は3勝3敗。しかも連敗中。何故かRIZINでは5勝2敗になっていた)
でもここで政所は盛大に噛みつきます。ここでの勝利がきっかけになったのかどうかはわかりませんが、次の試合からRISEに参戦することになります。
RISEスーパーフライ級の上位ランカーは皆輝かしい連勝記録を持っています。
王者大﨑一貴は19連勝
田丸辰はデビューから無傷の9連勝
長谷川海翔はデビューから11連勝(1NC挟む)
翼はデビューから7連勝(1DRAW挟む)
花岡竜は11連勝
政所にはそういった記録は特にないです(今までで最高が4連勝。今回の優勝で過去最高の5連勝)
無敗や連勝記録や輝かしいレコードなんて相手選べばいくらでも作れるんですよ。
極端な話、長谷川海翔だってRISEに参戦していなければいくらでも無敗記録更新できていたでしょ。
花岡竜だってRISEに参戦していなければ1敗のまま、無双しまくってひたすら連勝記録伸ばせていたでしょ。
翼だって以前の団体にそのままいれば今頃、18戦16勝1敗1分みたいなレコードになっていたかもしれない。
でもみんなRISEに来ました。ここには強い人たちが沢山いるから。
僕らファンはそこでの尊い1敗に対して心からリスペクトしています。
そして今回のトーナメントで敗北した3選手皆、必ず逆襲してくれると信じています。
何故なら何度も負けて、負けるたびにどんどん強くなって、とうとう化け物地味た強さを身につけた人間がこのトーナメントを優勝したから。

あ、間違えた。顔写ってねえやつだこれ。

(了)