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最終回直前、ウルトラマンアーク第1話を振り返る

 先日、第24話「舞い降りる夢幻」が放送され、最終回に向けて勢いをつけているウルトラマンアーク。これまでは最終回後の劇場版の情報を得ているぶん、「ウルトラマンが勝つこと」が暗黙のうちに約束されていたが、今回は劇場版が本編中に起こっている(と思わせる描写がある)関係で、独特の緊張感が走る展開となっている。

 想像力で夢の翼を広げてきた主人公ユウマに対し、夢を操る怪獣ギルバグ。無敵だチートだと言われてきたギャラクシーアーマーも、ゼ・ズーの汚染物質の影響かアークを執拗に攻撃し追い詰める。決死の覚悟で撃とうとしたアークファイナライズも、ギルバグの夢幻光線でかき消され、アークの目から光が消え…
歴代最高の感動を生んだ正体バレのあととは思えない、ウルトラマンが負けた絶望がたっぷり味わえる展開に、視聴後は声を失った。

今回は、そんな危機的状況に陥っているウルトラマンアークについて、第一話について、第24話までを視聴し、かつウルトラヒーローズEXPO2025千秋楽を見終えた私が、改めて振り返っていくコーナーである。「なぜ今?」と思われるかもしれないが、たまたまチケットが取れた1月6日(月)の千秋楽でARCANA PROJECTさんの歌声を聴いてウルトラマンアーク熱が燃え上がった影響で、自宅にて後夜祭なる鑑賞会を行った結果である。

はじめに

ウルトラマンアーク第一話「未来へ駆ける円弧(アーク)」辻本貴則監督の挑戦と愛がたっぷり盛り込まれており、非常に完成度が高い。初めてウルトラマンに触れる人はもちろん、これまでのウルトラマンシリーズを観てきたファンにとっても、所謂”お約束展開”を良い意味で裏切り続け、期待と興奮をもたらせてくれる。

ウルトラマンアークとの出会いは、私にしては早いタイミングであった。
全国のイオンで開催された、放送前のウルトラマンアーク撮影会にはもちろん参加したが、特に大きかったのが、TSUBURAYA IMAGINATIONのプレミア発表会に当選したことだろう。

イオンで実施された撮影会
ウルトラマンアークプレミア発表会 撮影タイム

抽選で50名の会員に、宣伝隊員として第一話の先行上映を行うプレミア発表会。「当たれば嬉しいな」くらいの気持ちで応募してみたのだが、何の運命か見事当選し、都内某所の会場に足を運ぶときにはすでにウッキウッキな自分がいた。
新しいウルトラマンが見られる!という嬉しさと、秘密の場所に招待される特別感がたまらなかった。

メディアの撮影が入る中、監督やキャスト、テーマソングを担当するアーティスト(今回のOPはaccess、EDは前後期ともARCANA PROJECT)が発表され、最高潮の熱気に包まれる劇場内で、第一話は上映された。

①ウルトラマンアークの世界

 ウルトラマンアーク、一番最初に出現する怪獣は、なんとディゲロスである。
ある程度前情報を仕入れている人であれば、ディゲロスはウルトラ怪獣アドバンスで発売され、第一話怪獣でないことはわかっていた。つまり、ギミック付きソフビでの発売だし、中ボスみたいな活躍をするんだろーな、という程度の認識だ。なんとなくゼットンに似てるし。
しかしそんな視聴者の予想を全て裏切り、街中で大暴れするディゲロス。倒壊するビルを支え、人々を助ける巨人の姿……ウ、ウルトラマン…?

「あ、これあれね。プロローグ的なやつね😒」とまずは一旦自分自身を落ち着かせる。ある程度ウルトラシリーズを観ていると、ついつい展開を予測してしまうが、こうも簡単に予想を超えられると悔しいので、若干自分をごまかすような感想だ。

 画面が切り替わり、テレビ中継をしているレポーターが登場。そこで紹介されている映像にはなんとゴモラやレッドキングと戦うウルトラマンアークの姿。きっと多くの視聴者はこう思ったであろう。

「何?!これ一話じゃないの🤯」

 これまでのウルトラシリーズではいくつかの例外はあったものの、おおよそ第一話では変身するウルトラマンとの出会いを強調して描いていた。しかし、今回は既にウルトラマンアークが活躍している世界線。このあたりからぐっと引き込まれたのを覚えている。

②飛世ユウマとSKIP星元市分所

 ところ変わってSKIP星元市分所。どこぞの防衛組織と違って大きな秘密基地等ではなく、雑居ビルの3階に本拠地をかまえるこじんまりしたチームである。AIロボットであるユピー、一見現実味のないマスコットキャラのように見えるが、可愛らしい声と仕草に一発で好きになった。

ユピーのソフビ。可愛いうえに再現度高くてお気に入り

 16年前の怪獣災害における怪獣の落とし物モノホーン。平和そうな日常の中にそびえたつ巨大な怪獣の気配…おそらく男子みんなが好きなやつ。 当然主人公はウルトラマンアークに変身する飛世ユウマなのだが、地球防衛隊の石堂シュウがこのSKIP星元市分所にやってくるところから物語がスタートするため、メンバーの紹介や、SKIPの業務内容がとてもスムーズに入ってくる。もちろん普段は冷静に対処しつつ、「コーヒーがない職場が存在するなんて!」と大暴れする石堂シュウの愛されキャラもバッチリ認識できる。プレミア発表会にて、ユウマ役の戸塚有輝くんが、「見ると心が温かくなる」と言っていたが、その展開を作っていくに相応しいメンバーと空気感であった。にしても、モノホーンから飛び出してきた宇宙寄生生物ウーズ、こいつはきもい。

③宇宙寄生生物ウーズと鎧甲殻獣シャゴン

 モノホーンから飛び出してきたウーズが、鎧甲殻獣シャゴンに寄生し活動を再開するという怪獣パート。シュウによるウーズの前例紹介や、ユウマによるシャゴンの生態分析など、それぞれの得意分野を生かして考察していく展開は非常にリアリティがあって見応えがあった。怪獣をただの大きな化け物ではなく、人間と同じように生活している生物であると捉え、立体的に魅せてくれるのはウルトラシリーズの長所であるが、今回はその中でも特に解像度が高い。戦車・戦闘機・地上からの銃撃などの攻撃に全くひるまないシャゴンに対し、「あんなに攻撃を受けても倒れないなんて」と驚くユウマの顔に、こちらの緊張感も高まってくる。…とともに、「早くウルトラマン来てくれ!」とついつい願ってしまう。
 シャゴンを巨大化させるだけではなく、体内で増殖したウーズは、ついに人間たちにも襲い掛かる。殺傷能力の低い装備でも迷いなく人助けを選ぶユウマに対し、「そんな装備で無茶です!」と加勢するシュウ。
 直後、落ちてきた瓦礫からユウマをかばおうとして、身代わりになるシュウ。シュウはそのまま意識を失って…
※最終回直前にも感じているが、シュウのヒロイン力は凄まじい。24話の正体バレシーンでは押し上げる感情の波に胸が爆発しそうだった。シュウ素敵すぎる。

④ついに変身!ウルトラマンアーク

ユウマ「また、力を貸してくれるのか…」

鏡の破片に映る謎の宇宙人、神秘的に変わるBGM、ユウマの胸から飛び出した変身アイテム…

くどいようだが第一話であるが初変身ではない。既にユウマとルティオンは繋がっており、変身するプロセスに迷いがない。

アークアライザーから放たれる眩い光から実体化する光の巨人。ユウマを両手で優しく包み込むその挙動が表現するのは、間違いなく「愛情」。

これまで変身者とウルトラマンの間には、「仲間」「バディ」「相棒」といった関係性が強調されることが多かったが、アークはそれに加え、ユウマへの愛を思わせる表現があった。対等ではない、包み込むような愛の温かさ。この真相は第3話と第15話で明かされることになるのだが、この変身シーンだけでも一見の価値あり。

ウルサマにて展示された"ウルトラハグ"

なお、この時はルティオンの名前は明かされておらず、ソフビ情報でのみ知りえなかったことや、声優の萩原聖人さん(ユウマの父役で登場)繋がりで様々な考察がされていたこともあり、多くのファンの想像力を解き放った。

⑤未来へ駆ける円弧(アーク)

石堂シュウは、突如現れたウルトラマンアークのよって救われ、目を覚ます。

シュウ「謎の、巨人…」

シュウはスマホを取り出し、アークを画角に収める。左上にはタイマー。
驚いた。こんな方法があったのか。シュウの目線で話を進めつつ、ウルトラマンにとっての3分間をこんなに綺麗に表現できる方法があったとは。

アークのデザインについて言及するのならば、頭部や目のラインに煩雑さと新しさがある一方、首から下は割とシンプルにまとまっていると感じる。シルバーと赤を基調としていることもあり、おそらく誰が見てもウルトラマンだと気付けるようになっている。古いようで現代的、伝統的であり挑戦的である。動きはいうと、ところどころに溢れるジャック兄さんの気配。構えやチョップ、キックのモーションもそうだが、無骨にも見える立ち回り。監督の好きなウルトラマン像がまさに我々にぶっ刺さっている。たまらん。敵怪獣シャゴンが割と多彩な能力を持っているのに対し、既視感のある格闘技で応戦するアークの姿は昭和ウルトラ好きにはたまらない。

ウルトラマンアーク VS 鎧甲殻獣シャゴン

後に登場するソリスアーマーの豪快さ、ルーナアーマーの神秘性、ギャラクシーアーマーの無敵な戦い方も派手だったり見応えがあって好きだが、「ウルトラマンを観てる」感は一話の戦闘でたっぷり堪能できる。

ルティオン「ユウマ、想像力を解き放て!」

苦戦するアーク(=ユウマ)に響く声。しばらくシャゴンを見つめて首を傾げたのち、「ハア!」とひらめくアーク。
笑った。本当に笑った。プレミア発表会で会場が一体になった。まさか自分で作ったバリアを頭でかち割り、シャゴンに突き刺すとは…!
そもそもバリア片手にグーで殴る、そのあとやっぱりバリアそのもので殴る。そんなのアリ?!考えた人天才だろとも思った。

とどめのアークファイナライズ。めちゃくちゃにカッコいい演出なのはわかっているが、実際初見ではバリアの衝撃(笑撃?)から抜け出せなかった。驚きの連続、新しいヒーロー像への期待、わくわく感。新しい!新しすぎて誰かに言いたい!でも放送日まで言えない!と苦悩した。

そんなこんなでシャゴンが爆散。タイムは00:03:00:00を過ぎる。
3分、タイムリミット。終わると思うじゃん?
終わらないんですよウルトラマンアークは!!!!!!!

直後、母体の巨大ウーズがシャゴンの体内から飛び出し、アークに襲い掛かる。

しかし、アークはアークアイソードを取り出し、ウーズに強烈な一閃!!
まさに一撃必殺。あのカメラワーク最高。

これはウルサマステージ。強大な敵も一刀両断!

平和とともに訪れた静寂を認識したと同時に、空に飛び立つアーク。
巨人の飛び立った後に残る、光の輪…

シュウ「いつかお礼を言わなきゃですね。ウルトラマン、アークに。」
ユウマ「ウル…トラ?」
シュウ「いつまでも謎の巨人、では失礼です。美しい円弧(アーク)だ…」

ユウマ「アーク……ウルトラマン、アーク!」


何度でも観たくなる最高の第一話

たまらない、本当にたまらないよウルトラマンアーク。
本文にも触れているが、玩具をはじめとした前情報で何となく考察させておきながら、その期待を上回ってくる。驚きとワクワクの連続。第一話としてこれほどまで完成されたものはない。
前期EDのメラメラも良い。プレミア発表会にて、ARCANAPROJECTさんから土曜日の朝を楽しく始められる曲だという紹介があったが、まさにそのコンセプトに相応しい、思わず歌い出してしまう一曲だ!CD買いました!

さてさて、楽しく自由に第一話を語っていたのだけど、もう少しで最終回である第25話が放送される。
絶望的な展開であるけれど、きっと明るいエンディングが待っていると信じてます!
今回は書ききれないけれど、ルティオンとユウマの関係、SKIPのみんなとの友情、そしてスーパーヒロインのシュウ…全てを想って視聴したいと思います。


当たり前じゃないな

ここにいられるのは

君がいてくれたから

後期ED ARCANA PROJECTさんの「ミチカケ」
最終回で流れたとき、このフレーズだけで想いが溢れそう…

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!なんとなく書き留めて置きたかったnoteは、なんと約5000文字の大作になってしまいました😅後悔はしてません!

ウルトラマンアークよ、永遠なれ!
そして円谷様!どうか今年もソラマチのイベントやってくださ〜い🤣

おわり

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