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上手な「並」の先生は苦手な子の作文指導でも技を持っている
作文が苦手な子を助けるために
今年度も後半に入り、子どもたちが学年の総まとめとして「文集」や「作文」を書く時期になってきました。しかし、作文を書くことが苦手な子も多く、特に「文章が思い浮かばない」「何を書いたらいいのかわからない」といった悩みを抱えている子も少なくありません。このような子は、考えをうまく文章にまとめるのが難しく、特に文章の組み立て方に苦労していることがよくあります。
実は、作文が苦手な子の中には「話すのは得意なのに、文章にするのが苦手」というタイプが多くいます。こうした子どもたちは、文章の基本的な構成や進め方がわからないため、何から書き始めたらいいのか分からなくなってしまうパターンが多いです。なので実はいくつか手立てをしてパターンを持つと得意になるケースも多いです。
今回は、そんな作文が苦手な子どもたちに「文章を書くきっかけ」を与え、少しずつ書く力を引き出していく上手な並の先生の技を5つ紹介します。
どれもが万能ではありませんが、これらの方法を通して、作文のコツをつかみ子どもたちが自信を持って自分の思いを表現できるように上手な「並」の先生はされています。
1.テーマに沿って「何があったか」を箇条書きにさせる
最初のステップとして、子どもにテーマに沿って「何があったのか」を箇条書きで書き出させます。文章が苦手な子どもは、考えを一度にまとめて文章にすることが難しいため、まず出来事や印象に残ったことを簡単に思い出してもらうのです。
たとえば、「遠足についての作文」を書くときは「お弁当を食べた」「友達とゲームをした」「動物園でキリンを見た」といった具合に、出来事を順番に思い出しながら箇条書きにさせましょう。この段階でしっかりと内容を思い出して書き出しておくと、文章にまとめる際にスムーズに進められるようになります。また情報が多いと混乱する子たちにも、箇条書きで整理してあるとどこまでやったのか確認することができたり、教師もアドバイスがしやすくなります。
2.教科書や参考文の「真似」をさせる
作文が苦手な子には、「書き方」がわからない場合が多いため、まずは良いお手本を見せて真似させることも有効です。教科書や他の参考文に載っている短い文章を一緒に読んで、「この文章のように書いてみようか」と促しましょう。
たとえば、季節の出来事について書かせる場合、教科書にある短い日記や感想文を参考に、「この書き方をお手本にしてみよう」とアプローチします。具体的な表現や文章の進め方を真似することで、「こういう風に書けばいいのか」と少しずつ書くイメージを持てるようになるのです。もっとすごい先生の実践だと過去2年分くらいの文集を持ってきて「どの文章が好き?」と子どもに選ばせて、「その形でまねして書いてごらんよ。」とされていた先生もいました。いつか書きましたが「イメージ」を持たせることはとても効果的なようです。
https://note.com/modern_bee754/n/ne2e147903a79
3.出来事と「どう思ったか」をセットで書かせる
作文を苦手とする子どもは、出来事を羅列するだけで終わってしまうことがよくあります。そのため、文章に深みを加えるために「どう思ったか」をセットで書かせることが大切です。これは感想文や日記を書く上で非常に重要なポイントです。
例えば「遠足でキリンを見た」という出来事について、「キリンを見てどう思ったの?」と質問し、「首が長くて面白かった」「実物はとても大きくてびっくりした」といった感想を引き出します。これを一緒に書かせることで、ただの出来事に対して自分の思いや感じたことが加わり、作文全体が生き生きとしたものになります。最初は一つのことに対して1つの思ったことを書くようにして習慣づけて慣れてきたらある程度まとめて感想を書かせます。そういう風にすると不思議と子どもの方から「ここに感想入れたいんですよね。」などと言うようになります。
4.「時系列」に沿って順番に書かせる
文章を書くときの基本は、物事があった順番に沿って書くことです。時系列に沿って並べることで、読んでいる人にもわかりやすく伝えることができます。
たとえば、「遠足で何が一番最初にあったの?」と聞き、「まずバスに乗った」「その後、お弁当を食べた」「次に動物を見た」といった形で、順番に出来事を書き出してもらいます。こうすることで、話の流れが整理され、子どもも書きやすくなると同時に、読み手にも伝わりやすい作文が完成します。また書く題材を探す際にも、「次に何をしたの?」というのは大変効果的で子どもの考えを助けるツールになります。
5.「清書」する時間をしっかりと確保する
最後に、文章を清書する時間をしっかりと確保することも大切です。最初から完璧な文章を書くのは難しいので、まずは自由に下書きをさせて、間違えてもいいから思うままに書かせましょう。
下書きができたら、いくつかの部分を直したり、書き加えたりする時間をとります。清書の段階で一緒に読み直して、「ここをもう少し詳しく書いてみよう」「この部分はもう少し短くできるかな?」とアドバイスを加えていきます。この過程で、文章を修正する大切さや表現の工夫が身につき、子どもは少しずつ作文に対する苦手意識が薄れていくでしょう。
割と多いのがこのパターンで面倒くさがりの子なども含めると半分近くの子が一回で清書のようなものを書こうとして、書き進むことができなくなります。またこういう子に限って間違いを指摘するとたいへん落ち込むので、下書きから清書のルーティーンを習慣化しましょう。
まとめ
作文が苦手な子どもたちにとって、最も大切なことは「書くきっかけ」を見つけることです。今回ご紹介した5つの方法を実践することで、少しずつ書くことに慣れていくと同時に、自分の考えや感じたことを表現する楽しさも感じられるようになるかと思います。またこれだけでは不十分なことも多くあると思うので、またどこかでこの続きは書きたいです。