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上手な「並」の先生は子どもの主体性を育んだからこそ、この時期は「先生の話」を大切にする


1年間の学級経営が実を結ぶ時期に思うこと

1年間、学級を運営していると、上手な先生のクラスは夏前にはある程度の形が決まってきます。学級のルールや生活のリズムが整い、授業の流れもスムーズになっていることでしょう。特に、子どもの主体性を大切にしながら学級をつくってきた先生であれば、この時期までに子どもたちは自主的に学び、生活する力をしっかりと身につけているはずです。
こうしたクラスでは、子どもたちが日々の活動に主体的に取り組み、教室は活気に満ちた雰囲気になっています。気を抜く子も少なく、授業にも生活にも前向きに取り組む姿が見られることでしょう。
ここで、「このまま子どもたちの自主性をさらに伸ばすのか?」と思うかもしれません。しかし、優れた指導力をもつ先生ほど、この時期に意外と「先生が話す時間」を大切にしていると感じます。一斉指示の時間を増やし、改めて学級の方針を確認する機会をつくっているのです。
では、なぜこの時期に先生が話す時間を大切にするのか、その理由を4つにまとめてみます。




1.子どもが落ち着いているので話をしやすい

学級が安定してくると、子どもたちの聞く力も大きく成長します。1学期の頃と比べると、話のポイントを理解する力や、話の意図を考えながら聞く姿勢が格段に向上しています。
例えば、1学期の始めに「静かに話を聞きましょう」と伝えても、手遊びをしていたり、周りの友達と目を合わせたりして、集中して聞くことが難しい子が多かったかもしれません。しかし、2学期を経て3学期に入る頃には、話を聞くことが習慣になり、先生の言葉をしっかり受け止められるようになります。
このタイミングで改めて話をすることで、子どもたちに伝えたいことがより深く届きやすくなります。




2.もう一度、学級や学校のルールを確認する

3学期は、次の学年に向けた準備の時期でもあります。だからこそ、このタイミングで学級や学校のルールをもう一度確認することが大切です。
例えば、「休み時間の過ごし方」や「廊下の歩き方」、「授業中の態度」など、日常生活の基本的なルールを振り返る機会をつくります。特に、年度末が近づくと「もうすぐ学年が終わる」という気持ちから、気の緩みが出る子もいます。そうした状況を防ぐためにも、「最後までしっかりやり遂げることが大事だよ」と伝える時間をつくるのです。
また、ルールの確認をすることで、「自分たちの学級はこういうクラスだったんだ」という意識が生まれます。これは、次の学年に進む際の大きな財産になります。




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