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訪問美容とは。

初めての投稿です。

文章力など無い私が気持ちだけで書きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


多くの美容師、理容師がいる中

超高齢社会を迎える日本では

訪問美容を視野に入れる方々も増加傾向にあります。

実際に訪問美容に携わり、その深さを思い知らされたのは

サロン美容師時代の自分には到底想像もつきませんでした。

経験談も踏まえながら、私なりの訪問美容を記してみようと思いました。

訪問美容に1番大切で、

そしてずっとずっと忘れずにいてもらいたい内容だからです。


髪を整えられる。

接客はできる。

じゃあ、訪問美容を初めよう。


これだけではきっと

ロボットの様に接する美容師になるのではないだろうか。

そう考えています。


大手訪問美容会社に勤めて、

スタッフ研修をする中で、現場同行する中で

少なからずロボット美容師を目にしてきました。

新人の頃の自分も間違いなくそうでした。


性格が悪いのではありません。

やり方がわからない。

触れ合い方がわからない。

例えばベッドで寝たきりの方をどうカットするのか。

認知症の方、知的障害の方とどう触れ合うのか。

まずはぶち当たる大きな壁です。


技術や知識を学び

これでできる!と自信をつけていざ出陣。

おそらくまだロボット美容師のまま。

何が足りない、何ができない?

これは恥ずかしながら多くのご利用者様から学び

育てていただいたな。。と顔を赤くしながら思い返しています。


私は美容師ですが、美容室に行きます。

お客様としてです。

接客の勉強になるからです。

ちなみに私は人見知りな方で想いを伝えるのが苦手です。

あまり細かく言うと面倒がられるかなと

熱くても、痒くても、痛くても

我慢できるなら「大丈夫」というタイプです。

時々、そんな私に気付く美容師さんがいます。

そう、時々なんです。

時々しかないのです。

私に合わせて接客をしてくださる方が。


おそらく美容師さんは接客には力を入れているはず。

丁寧な言葉遣い。

細やかな心遣い。

競争激しい業界です。

さすがは皆さん、素晴らしいご対応をしてくださいます。

ただ、それが私に合えば。

なのです。。。

マナー研修やマニュアル。

そのままが万人向けではないのですが

もちろん否定はしません。

むしろ重要です。

その引き出しを多く知ることが大前提で重要と言う事です。


ではどの引き出しを目の前のお客様に使うのか。

これは、マニュアルにはない接客だと思っています。

どの引き出しを使うかは

相手を理解する事から。

理解する為に知る事から。

知る為に聞く事から。

聞く為に聞き出す事から。

聞き出した事を理解、共感する事から。

理解、共感する為には知識、経験が必要。

そこからどの引き出しを使うか。

その引き出しが本当に適切なものか。

やっとここに辿り着くわけですが。


私は美容室へ行き、不満はありません。

ただなかなか満足もありません。


「1、2回会っただけじゃわかるわけない」

そう聞こえてきそうです。

もちろん、そうです。

しかし実際に初対面の接客で感動する美容師さんはいます。

1回で信頼関係を築く事ができる。

こんな人なかなかいない。と感動さえ覚えます。


それくらい、信頼関係を築くのは容易ではないという事で

信頼関係を築く能力こそ美容師の腕の見せ所だと思っています。

そしてそれがいかに難しいか。

自分はできていると勘違いしていないだろうか?

お客様の笑顔の裏まで考えられているだろうか。


「自分流」


になっていないだろうか。。




訪問美容のご利用者様の多くは

日頃から介護などで周囲へ色々とお世話になっていると

思っておられる方ばかりです。

わがままを言うと良くしてもらえなくなるかもしれない。と

おっしゃっるかたも多いです。

「思い」=「わがまま」と思っている方が多い印象でした。

つまり、自らの思いを遠慮しがちだということ。

スタートラインが

「結構な遠慮状況」「元の性格は関係なく遠慮している」

ということ。

「私、結構なんでもハッキリ言う方だから」という方でさえ

気を使う環境にある方が多いです。

「でも、我慢しているの。」なんてお話はよく聞きます。

お金を払っているんだから!という方はあまり出会ったことがありません。

私は一人も出会った事がありません。

いるとすれば、家族や職員様です。

何かを感じ取り代わりに聞き出し、本音を代理で伝える役割になっています。

信頼関係があるからこそ聞き出せる事。

本来、施術者である美容師本人がすべき役割なのですが。


入門ではありますが介護資格を取るときに

1番印象に残ったのが

介護の意義、尊厳の保持、人権、傾聴、コミュニケーション。

これがあって技術や介護知識か。。。と面食らいました。

人対人に非常に重点を置いた学びでした。


美容師にも

人に触れる仕事ですので無視できない内容。


ここだ!訪問美容に必要なのは。とビビっときたわけです。


カット前にブラシで髪をとかしただけで

嬉しさから泣いてうずくまる方もいます。

「いや、まだこれから切るので😅」と初めの頃は思っていました。

自分の当たり前が相手の特別だなんてことが頻繁におきます。

介護を受ける方々は当たり前が激減している状況。


特別を沢山届けられる!!!

また当たり前として前向きになってもらいたい!!!

ウキウキするのは簡単ですが。。。

自分の当たり前の固定概念をどれだけぶち壊して

相手の特別領域を感じ取れるか。

まさか、髪をとかしただけで嬉し泣きするなんて

考えにも及ばなかったですから。。

だったらもっともっと喜んでもらえるように

声をかけながら丁寧にとかしたらよかった。。。と後悔するわけです。


訪問美容師としての1番の転機がありました。

目を見ながらにっこり笑って

「こんにちは」と言っても返答なし、目も合わない。

こんなお客様がいました。

訪問美容を始めたばかりの頃です。

当時の私は、

「あ、聞こえていないか意思疎通ができないかそんな感じかな。」と

思いました。

そして今考えると自分を恨む様な接客をしていました。

もう、声かけはしなくていいか〜。

「クロスつけま〜す。乾かしま〜す。」

それらは、癖のように出るただの言葉なだけ。

「声かけ」ではなくただの「発声」です。

最後に「終わりました、ありがとうございま〜す」

という「発声」をしました。

もちろん正面に回りご挨拶などしません。

やりとりはできないと思っていたからです。

必要ではないと勝手に思っていたからです。

見事なロボット美容師です。

車椅子を動かそうとした時にお客様が、

「ありがとう。。。」と初めて声を発したのです。

慌てて正面に回り、丁寧に御礼をしましたが今更感しかなく。


私は泣きました。

愚かな自分の考えと行動に強い怒りが湧き

皆さんに喜んで貰える訪問美容師になりたいなど偉そうに言って

情け無く、綺麗事だけじゃないかと自分を責めました。

正直、結構寄り添うタイプの美容師だと思っていましたが

大きな勘違いでした。

寄り添える人にだけ寄り添っていただけ。

わからなかったり、難しい人には寄り添えてなかった。

気付いてもいなかったわけです。

それからはどのような状況のお客様でも

丁寧に「声かけ」を行いました。

一切の返答が無くても、目が合うことがなくても

一つ一つ問いかけをしながら、なるべく同意を得られるように

得られなくとも、だったらこれが良いかなと言うように

まるで声が聞こえているかのように相手をよく考えて接しました。

するとある日のご利用者様から。

全く意思疎通のできない車椅子の女性でした。

最後にいただいた言葉に私は涙しました。

「ちゃんと向き合ってくれて本当にありがとう」

髪の毛の感想でもなんでもありませんでした。

びっくりした顔を私がしていたのでしょう。

続けてこうおっしゃいました。

「ごめんね、試してたのよ。私をちゃんと人として扱ってくれるか」

ちょっと待ってくださいよ。。。とさらに涙が溢れました。

どんな次元で理美容をさせてもらってるのさ。。と。

私に転機を与えてくれたあの方もこういう事だったのか。

自分らしくどころか、人としてというところまで

遠慮していらっしゃったのかと思うと苦しくてたまりませんでした。

人工呼吸器をつけている方をカットした時も

看護師さんからは「聞こえていないので大丈夫ですよ」と言われましたが

そんな事は私には関係のない話でありコミュニケーションを大切に

慎重に施術しました。

最後に「また髪の毛が伸びたら切らせてくださいね」とお伝えすると

一筋の涙が患者様から流れました。

偶然かもしれない、看護師さんは聞こえていないと言っていたし。

でも、もしも聞こえていたならば。そして会話を理解していたならば

看護師さんの言葉も聞こえていて、どれだけ傷ついただろう。

色々な会話をしながら、どれだけ喜んでもらえただろう。

どちらの涙なのだろうか。

前の車椅子の女性の言葉の通り、人としての当たり前の事。

いや、その方にとっては人として特別な事になってしまっている。


絶対にこの仕事で大切にしなければいけない。

人として当たり前の事を。

当たり前とは気が付きにくい事。

だから改めてその当たり前とは何なのかを洗い出すこと。


笑顔

挨拶

気遣い

思いやり

簡単そうだけれど、状況で自分たちは省いてしまってはいないか。

これらをまたお相手に合わせたものにアレンジしていくことも必要。


私はどちらかと言うと、損得で生きてきた。

人の為にと見せかけた自分のために生きてきた。

優しい気持ちではなく、優しい態度で自分のためにと。

今でもこれが完全に無くなったかというと嘘になる。


ただ、訪問美容を初めて

綺麗な心で人と接する素晴らしさを知った。

教えてもらった。

そして、その綺麗な心が誰かの幸福にもなるんだと知った。

その誰かの幸福が私の本当の幸福でもあると悟った。

自分の為に生きるより、他人の為に生きる方が

自分は幸せになれるものなのだと悟った。


そして自己満足に溺れてはいけないことも知った。

勘違いはいつも隣り合わせ。

心はすぐに汚染される。

誰のせいでもなく、自分自身で。


やや訪問美容から話が逸れつつあったけれど

自分の心をも変えてくれるほどの仕事ということ。

一旦はビジネスという視点は無視しています。

ボランティア精神のようなお話にもなりつつありましたが。


顧客満足を叶える事とビジネスを成功させる事は矛盾もあるかもしれない。

でも、お客様あってのお仕事。


笑顔をお届けしようという考えではなく

何よりも、

お客様に悲しい思いをさせない様に考える。

お客様に苦しみを与えない様に考える。

それがお客様目線で寄り添った接客ができるのかなと

40歳美容師は考えております。

もちろん色々な美容師さんの考えも柔軟に吸収したい。

色々な業種の方々の考えも柔軟に吸収したい。

美容以外にも介護や医療業界にも興味深々。

接遇関係の業界にも興味津々。

訪問美容に必要だと思う事だから。


広い広い世界に目を向ける事で

自分の信じる訪問美容の形を作って行けたらいいなと思います。


また、記事は更新していきます。

・訪問美容を始める為にに必要な道具や準備

・シチュエーション毎の必須技術と詳細

・営業に関する施設の特徴

など、細かく分類しながら更新できればと思います。

未経験というものは些細なことがもはや疑問です。


ご利用者様、家族様、職員様から

すごい!と思っていただける訪問美容師って

なんだろう。

実際営業に伺い、契約を頂けた時

なぜ当方を選んでいただけたかを聞いてきました。

とても色々な視点がありましたね。

そういう所がツボだったのか。。ふむふむ。

さて、

ビジネスマンとしての視点なのか。

美容業界としての視点なのか。

介護業界としての視点なのか。

どこに安心、信頼頂けたのか。決め手は何だったのか。

為になるかは分かりませんが小話も踏まえてまたご紹介できればと思います。

約8年、寝る間も惜しんで携わった訪問美容。

生活の全てを捧げすぎたかもしれませんが、今は一旦小休憩。

自分の知識や経験を整理する意味でも。


あ、コンサル的なそういうのは私はよくわかっていません。。

ただ、素敵な訪問美容が普及したらいいなと思っているだけです🥰


またお時間ございましたら

覗きにきていただけると嬉しいです。


皆さん、よろしくお願いいたします。



以上、訪問美容 モダンでした♪

大阪市北部、吹田市・豊中市・箕面市・池田市・摂津市・茨木市などの
個人宅へ出張してカットやカラー・パーマ等。また福祉ネイルのサービスを提供しています。

高齢者の方や障害をお持ちの方で美容室へ出向くことが困難な方のご自宅・施設・病院などがご利用対象者となります。

介護資格を持ち、訪問美容業界での実務経験豊富な美容師がお伺いします。
ただ髪を切る。ではなく、いかに感動を感じてもらえるか。を大切にして
日々のサービス向上に取り組みます♪

今後ともよろしくお願いいたします♪♪


サービスの詳細はホームページへ
https://h-modern.com

日々の色々はインスタグラムへ
https://www.instagram.com/modern.beauty.welfare/














訪問美容とはなんだろう。を考え抜いた先に見えたのが接客業でした。当たり前ですが、そうでもない状況も見てきました。低単価ゆえ生産性重視で置き去りの接遇。1番大切な接遇の為にまだまだ勉強に励みます。その為の美容スキルの習得。福祉スキルの習得。心の余裕。