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神田川の秘密 二十四の2 善福寺川と神田川の合流地点

二十四の2 善福寺川と神田川の合流地点
 神田橋まで来ると両岸の車道は広い通りと交差して、その角にサミットストアが店を開いていた。正面入り口の高いところに「夜11時まで営業」と看板が見えた。土曜日の昼頃の時間だからか、店の入り口にはたくさんの自転車が停められていた。店内はさぞ密だろうと思う。

神田川左岸の土手は遊歩道ではなく車道になっている
サミット脇の神田川は水路としか見えない

 角田橋ツノダ、睦橋を過ぎると川は方南通りと交差する。右手は地下鉄丸の内線の車庫、交差点の角には最近ニトリによる株式公開買い付けで吸収合併されたホームセンター。その先はずっと続く高層のマンション。川の両岸の車道と方南通りの交差はそこに川が流れていることを気づかせない。

右手は地下鉄丸の内線の車庫

車道となった護岸の道も栄橋からは左岸だけとなり、それもしばらく行くと善福寺川との合流のため神田川に沿った道は一旦なくなる。川を離れ、道なりに30mも進むとそこには和田広橋。ここでスチュワーデスの死体が浮かんだ善福寺川を渡ることになった。

土手道は行き止まりになっている

 3面コンクリート張りの合流地点から神田川はさらに無機質な姿となる。護岸の上の側道には1m以上の高さがある分厚いセメントの壁があって、川を見ることさえできない。これも洪水対策なのだろうか。この辺りから、張り紙や標識がやたらに目立つようになってきた。

右の流れが神田川、左が善福寺川
 善福寺川はここで終点
セメント塀が高すぎて川を覗き見ることができない
人間の生活範囲から隔離されている
隔離された川は人々から慈しみの心を奪っていく
禁止項目が増えていく

警告 「川に物を 投げ入れないでください」
自転車撤去 放置自転車を撤去しました」
「自転車放置禁止区域」
これも都市型河川の特徴なのだろう。川に物を投げ捨てる人、禁止を命ずる行政。人と人とが川を挟んでいがみ合っている。

 本郷通りと交差する富士見橋は地下鉄富士見町駅の直ぐ脇にある橋だが、橋も川も行き交う人々に全く関心をもたれていない。いや存在すら眼中にない感じだった。その先はさらに悲惨な状態だった。川に沿った道は遊歩道は言うに及ばず、富士見橋から柳橋まで3本連続で車道さえも存在しなかった。本郷橋に至っては「本郷橋通行止めのお知らせ」という看板があって、「規制期間令和2年7月20日から」とあるが、規制期間の終わりは表示されていなかった。しかも橋の前に2mを越す鉄板が張られていて、橋がどういう処遇を受けているのかも見えなかった。途中の橋を一般道から行きつ、戻りつして、一つ一つ確認してみたが、今まではどの橋も二車線の広い橋になっていた。


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