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神田川の秘密32の(4) 高速道路と並走する神田川、これぞ都市型河川なのか

三十二の4 神田川の変身、これぞ都市型河川だ

 さて、神田川が江戸川橋で姿を変えたと言ったが、最大の要素は高速道路と並行することになったことだろう。雨の後だったからか、水も心なしか濁って見えた。神田川はここから高速道路と共に下流に向かう。隅田川に注ぐまで高速道路が頭にかぶさっているのだろうか。何となく憂鬱な気分となる。それでも、江戸川橋の下には大きな真鯉の姿が見え、ひとときの安堵があった。両岸を染井吉野の桜に覆われていた上・中流域が懐かしい。

川は人々から忘れられている
高速道路の柱を支え、覆い被さる道路が屋根になっている

今や、鉄とコンクリートの分厚い塊が神田川と天空とを遮り、川に陽は差し込むことがない。遊歩道もない。真上にあるのは首都高速道路5号線。
 神田川右岸は目白通りで、その歩道を川に沿って下って行くことになった。と言っても、神田川の側道を歩くのではなく、実際は目白通りの歩道を歩くという感覚になる。通行量が多いし、信号も多いから、歩道といっても油断はならない。左岸の道路だと神田川は全く見えない。川から離れてもいる。

白鳥橋
橋の由来を表示する看板
背後の住宅に注目。高速道路はない

 神田川が南へ大きく曲がるところが白鳥橋でここは別名「大曲」オオマガリ。江戸川橋から白鳥橋までの間に、華水橋、掃部橋、古川橋、石切橋、西江戸川橋、小桜橋、中之橋、新白鳥橋とほぼ30メートルおきに橋が架かっている。西江戸川橋の鉄の欄干は派手なピンク色に塗られていて、小桜橋の丸い手すりは桜色、新白鳥橋はブルーで、新白鳥橋は神田川を斜めに横断していた。

この界隈は橋が多い
狭い橋ですが車が通ります

人道橋ではなく車道になっているから橋を通る車は多い。この辺り、橋の名前が橋そのものに書かれていなかった。高速道路の鉄柱・コンクリート柱に書かれていた。橋自体が高速道路の付属物になりきっていて、川を渡る機能は影を潜めているのだった。飯田橋まで行くとそのことがいっそう際立って理解できる構造になっていた。

神田川は高速道路の付属物になっている


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