のぞき魔の犯人が兄だった
中学生の頃、お風呂に入っていると、スッと窓が開いた。
びっくりして、母を呼んで外を見てみると誰もいなかったが木箱があり、そこに登って覗かれていたようだ。
母が言うには、近所の中年のおじさんがいつも、いやらしい目で見てくるので、犯人はその人だろうという事になった。
それからは窓を閉めて、風呂に入るようにしていたので、その事は忘れていたのだが、先日、兄の同級生に道でばったり会って、話を
していたら、なんとその犯人が兄で、その事を自慢げに学校で話していたらしい。兄はとても暗く、友人はあまりいなかったがその少ない友人に話していたみたいだ。
兄は根暗で性格も悪いので、私はとても嫌いである。でも、まさか自分の兄弟がそんな事をしていて、それを他人におもしろおかしく話していたなんて、信じられない思いしかない。思い返せば、兄は身長が低かったので、木箱を持ってきて覗いていたのだろう。母が疑った、近所のおじさんは、身長が高いので木箱がなくても、覗けたはずだ。そして、家に一緒に生活していれば、私がいつ風呂に入るかわかるので、その時に外に回って覗いていたのだろう。
そういえば、近所の家が窓を全部、外から見えないように、コンクリートで塗り固めた事があった。あれは、たぶん兄が覗いていて、気持ち悪くなったので、塗り固めたのだろう。
自分の兄弟がそんな気持ち悪い事をしていたなんて思いたくもないが、兄はいい年をして、いまだに引きこもりである。
私は実家を出ているので、今は安心だが、何か犯罪を起こすのではないかと不安でたまらない。
もし、引きこもりとか、ちょっと暗い子供がいるお母さんがいたら、気をつけた方がいいと思います。ちなみに兄は、とても勉強はできて、一流大学卒です。勉強ができるので、親や先生は安心してたし、疑う事もありませんでした。人間として、成長する過程でどこか間違ったのでしょう。