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学生起業家育成プログラム「STAPS」を紐解く
皆さん、こんにちは。
世界一の教育者を志す片岡です。
今回は30歳までの人生で初めて0から立ち上げたプログラムでもあり、自分が直接的間接的双方で世の中に最も大きなインパクトを残せている自負のある学生起業家育成プログラム「STAPS」について紐解いていきたいと思います。
1.STAPSとは
1-1.どんなプログラムなのか
STAPSをPerplexityで調べると下記のような回答が返ってきます。
STATION Aiが提供する学生向けの起業家育成プログラムです。このプログラムは、起業やスタートアップに関心のある学生を対象に、約1.5か月間にわたって実施されます。
プログラムの内容には、事業開発や仮説検証の講座、メンタリング、先輩起業家による講演、ピッチコンテストなどが含まれています。これにより、学生起業家を育成することを目指しています。また、プログラムを通じて、学生はアイデアの深掘りや仮説検証を行い、自分たちの事業を進化させる機会を得ます。
STAPSは、愛知県のスタートアップ・エコシステム形成の一環として、STATION Aiプロジェクトの一部として実施されています。このプロジェクトは、スタートアップの創出・育成・展開・誘致を図ることを目的としています。
上記の通りの内容を様々な仕組みと多様な人々に関わっていただくことで唯一無二の価値を生み出しているのがこのプログラムになります。
そしてここから20名近い起業or STATION Aiへの加入者(重複は除いて)が生まれており、5期が9/14に終わった今さらなる飛躍が期待されます。
1-2.なぜ立ち上げたのか
愛知県スタートアップ支援拠点「STATION Ai」において、そもそもの起業家の数を増やす裾野の取り組みとして立ち上がったのがSTAPSです!
STATION Aiは愛知県庁からソフトバンクが委託を受けて運営していることもあり、ソフトバンクとして起業家を生み出してきたナレッジなども活かせるということで立ち上げたいという意思自体はありました。
そこに教育に並々ならぬ想いを持っていた私が、PRE-STATION Aiの運営をSTATION Ai株式会社として正式に始めた2022年4月と同時にJOINしたこと、当時Tongaliの運営をされていた小西さんとの出会い、SBイノベンチャーとして様々な社内起業について指導してきた山内さんの3人で初めてのMTGを行い、その中でやることを決めたのでした。このお二人には今でも感謝しても仕切れません。その後愛知県庁からの支援も決まり、正式に立ち上がったのでした。
同年5月頃に話して、7月に応募→審査、DAY1を8/9に始めたので、かなりのスピード感で右も左もわからないまま始まったのを今でも覚えています。山内さんが作っていたペライチの実施流れの叩き、これを受け継ぎ、ほぼ0から全て立ち上げていくという形で始まりました。
1-3.立ち上げの色々
立ち上げは控えめに言ってもめちゃくちゃ難しかったです。まずソフトバンクで営業部門にいた私にとって、社内での新規事業立ち上げの案にJOINして検証を少し行っていた以外はなんの経験もありませんでした。まず起業への解像度が粗い、大阪出身でそれまでは仕事も広島岡山と中国エリアで行っていたので愛知県に対して地の利もなければ、人脈もありません。
立ち上げに関する知識や考え方は毎週のように山内さんと深夜まで飲んではそのナレッジを吸収し、小西さんに紹介をお願いしては東海圏の大学さんに話をしまくる、学生が参加するであろうイベントには片っ端から行くという泥臭さ満載のやり方でとにかくやれることを死ぬ気で全部やりました。書籍なども読み漁り、学生と対話しては自分もそれよりも早いスピードで成長しなければいけない。でないと偉そうに学生に講釈を垂れるだけの本質的でない大人に優秀な学生はついてきません。本気で四六時中考えてやってました。(今もそうしてます。学生たちにこいつなら少しは自分の時間を使っても良いかなと本気で思わせられなくてはこういったプログラムは中長期的にはうまくいかないと思っています。)
それでもなお社内で話せば厳しいフィードバックを受け、絶望しまくりでした。ある意味この立ち上げのプロセスを踏めたことが、学生たちにSTAPSの中で本質的な課題にたどり着くためにかなり泥臭く仮説検証を回す意義を本気で伝えられる礎になっているのかもしれません。
それでもなんとか1期目が開始し、もちろんやるごとに問題が出るのですぐにリカバリーする、それでも様々な助けを得て、なんとかやり切りました。その時の1期生の最終ピッチで1番に発表をしてもらった田場小さんは今年株式会社Trey Linkを創業、最優秀賞を獲得したEbitechも株式会社FAIとして今年創業、他にも多数の学生が起業家になり、第1回の大事なトリを任せた小田くんは谷口さんと併せて当時建て付けてもいなかったソフトバンク内定者でもない人材のSTATION Ai学生インターンとして採用し、このプログラムを今でも強くしてくれる最高の仲間になっています。
2.目指す未来
STAPSを通して実現したいことは「起業を当たり前の選択肢に」することです。これはプログラムのテーマとしても定義しています。
私は大学院まで教育大学におり、就職ではソフトバンクに入りましたが一貫して教育的アプローチで人々を幸せにする事にこだわっています。なぜならそれが自分にとっても最も幸せだから。
そして人生を考える上で就職以外の選択肢に乏しいことは個人的に人の成長を阻害している要素があると考えています。
就職が悪い訳ではなく、起業という選択肢が当たり前に出てこない構造が悪いと思っています。
だからこそ「起業を当たり前の選択肢に」です。
またこの流れは全国でうねりのように巻き起こす必要があると考えています。いや確信しています。なので個人的に今後目指したい未来は下記の3つです。
1.起業が当たり前の選択肢になるよう、全国でSTAPSに近いモデルのプログラムが走ること
2.学校教員になる人たちがアンドレプレナーシップ教育を学び、日本中の子どもたちにとって起業が当たり前の選択肢になること
3.大人も子どももフラットに、起業が当たり前の選択肢になること
それぞれの想いについて少し詳細を記します。
2-1.起業が当たり前の選択肢になるよう、全国でSTAPSに近いモデルのプログラムが走ること
愛知県さんの力を借りながらやっているこのプログラムですが、実は全国の学生を対象にしています。それはまだまだ日本中の学生にとって起業を本気で考えたり、本気の仲間に出会える機会が十分ではないから。(もちろん愛知から離れた学生に将来戻ってきてほしいという想いもありますが)
毎回愛知や東海圏ではない学生たちが、国内海外から応募してきてくれることがその証明な気がします。そしてそれはすごく嬉しいことである一方、今後はやはり各地域に根差した近いプログラムが走り、どこにいる学生にとっても起業を考える機会がある方が良いと考えています。
ただやればやるほど簡単ではないのです。運営はかなりの負荷とどれだけ学生と向き合えるかを試されます。中途半端に起業だけを煽ることも決して学生のためになりません。人によって最適解は違い答えはないのです。STAPS期間中、かなりの時間参加学生や運営のことが頭から離れません。素晴らしいことである一方生半可な気持ちではできません。
ただこういう想いを持った人は時折出てくるものです。その人を中心として、ある種STAPSを参考にしてもらい、いろんな地域でSTAPSの半分でも1/3でも1/10でもいいので実行してもらうことで次の世代が育つ環境が創られると思います。これは学生でも大人でも関係ありません。実際STAPSも私が目立つかもしれませんが、学生インターン生たちによって強くなっています。もはや運営の多くを任せてさえいます。そしてHow toの基礎はSTAPSによって既に構築されています。後はやるだけなのです。
STAPSはその源流、総本山として常に最高のバリューを発揮できるようそのプログラムを磨き続ける。少しでも各地域でそういったものを実現したいと想う人はぜひ話しましょう。これは私1人ではできないことです。
2-2.学校教員になる人たちがアンドレプレナーシップ教育を学び、日本中の子どもたちにとって起業が当たり前の選択肢になること
私は教育大学出身なのである程度教育現場を見てきましたし、GIGAスクール構想や国の動きにより随分状況は変わってきている前提で、今後より起業が当たり前になるためには「教員&教員志望者がアントレプレナーシップ教育を知り、学び、アントレプレナーマインドを持つこと」がとても重要だと考えています。
特に教育大学や教員養成過程においてアントレプレナーシップ教育が当たり前になること、これが非常に重要だと考えています。自分はまだ未熟かもしれませんが、ここの波及に貢献できるならしたいと考えています。教員を目指す人は本当に素晴らしいマインドセットを持った方が多いと思います。一方でビジネスや起業からは離れた世界観であることも事実かと思います。自分自身もそこに悩みを抱えていました。
ただ教育が次の世代を変えていくという現実がある以上これは絶対にやるべきことだと思っています。起業を強制するとかそういうことではありません。起業も当たり前の選択肢にするのです。多様な生き方をそのHow toも含めて知っておくことがとても重要ですし、1クラス30人としても、多くの教員がアントレプレナーシップ精神を持ち、教えられることは大きなインパクトを生むと思っています。少しでも関心を持った人は連絡してください。
2-3.大人も子どももフラットに、起業が当たり前の選択肢になること
起業を考えるのに若いも若くないもありません。挑戦するかどうかを年齢のせいにするのは言い訳です。たた自分の実現したい世界が起業という手段が最適で、他の人生における責任/リスクと併せて許容できるのであれば起業すれば良いし、それが企業の中でできるのであればやれば良いと思います。
先程話してある1つ目、2つ目の未来が実現すれば起業は当たり前の選択肢になるでしょう。またSTATION Aiでは社会人向けの起業家新規事業化育成プログラム「Activation Lab」も運営しています。
その環境下ではもう個人の判断次第なのです。その状況下で起業をフラットに選択できるかは個人の覚悟でしょうし、私も現時点で起業をしている訳でもないので強要もしません。ただ自由に選べることにすごく意義があります。そしてそれが学生であればなおさらまだ時間の融通が利きやすいし、もし失敗しても、許容できるレベルの失敗であればもはや就職にすら役立つと思います。
私は日々失敗しまくりです。メンバーと言い合いになることもあれば、自分に失望することも毎週のようにあります。それでも本当の仲間や本当に実現したい未来のために走るのです。なんの躊躇もなくその未来のために走り続ける事に本当に意味があると思います。その時に全力でぶつかり、全力でついてきてくれる人が本当の仲間です。
おかげさまでこの2年半で本当の仲間がたくさんできました。自分に今少しでも影響力が出てきているとしたら、それはこの仲間達によるものが大きい。ただその未来を示すのは常に自分の責任です。その実現のために死んでも折れない心を持ち、周囲を巻き込むこと。実現のために走り続けていきます。
3.なぜこれだけの熱狂が生まれるのか
まだまだ未熟なプログラムですが、卒業生たちを中心に熱狂が生まれつつあると思います。また今回の最終ピッチも観覧応募だけで170を超えました。1.5ヶ月も半拘束される、かつ起業という簡単ではない選択肢に毎回100名近い応募があるのは事実として、そこに熱狂が生まれつつある証拠かと思います。
この状況をどう創るのか。自分の中で描いていた仮説と事実を交えて話します。
3-1.圧倒的に魅力的な未来を示す事
「起業を当たり前の選択肢に」というテーマを掲げ、STAPS HPには「君の挑戦が、未来を変える」というテーマを掲げています。
こういった言語化も含め、起業に関心のある学生たちにこのプログラムを通してどんな成長ができるのかをなるべく明確に伝えます。
そしてその要素の中ですごく重要なことが「卒業生たちがすごく魅力的なこと」だと考えています。
STAPSの卒業生たちはこのプログラムへの愛がかなり強いと思います。未だに卒業生達の多くがSNSなどでこのプログラムを伝えてくれますし、プログラムの一部では先輩として壁打ちなど協力してくれます。そして様々な活動の中でSTAPSに行った方が良いと伝えてくれるのです。
我々にできることはそれだけの環境を整えて、アップデートし続けること。それが一丁目一番地の超重要な熱狂の要因の一つです。
3-2.卒業生が運営として躍動すること
STAPSは9/14に5期を終えたのですが、過去5回全てで1名(4期だけ2名)卒業生をSTATION Aiのインターン生として採用しています。
私は立ち上げた者としてこのプログラムへの底無しの想いがありますが、彼ら彼女らもそうで、皆このプログラムで人生が変わったとか、このプログラムが大好きだとか語ってくれるのです。
心からの愛を持って取り組む人にそうじゃない人は基本的に敵いません。実際にSTAPSで苦しみもがき、それでも楽しんでやってきたメンバーだからこそこのプログラムをもっと良くするんだ、なんとしても日本一のプログラムにするんだ、絶対に起業を当たり前の選択肢にするんだと全力で取り組んでくれます。
これは意外とやられていないことが多いような気がします。アルムナイがさらにプログラムを伸ばすというマネジメントの仕方はあらゆるプログラムでぜひ実行してほしいと思います。
そしてそのポートフォリオも重要です。
例えばSTAPSの卒業生の5名は下記のような能力を持ちます。(もう1名は11月入社予定のため未記載)
・ミスや漏れを防ぎ、やるべき事を示し、無駄を仕組み化で省き、チーム全体の生産性を最大化してくれる小田君(1期生)
・デザイナーとしてより多くの人にとって魅力的なクリエイティブを作成したり、プログラムが拡張するためのアイデアをたくさん出し実行するみなり(2期生)
・圧倒的な巻き込み力とSTAPS愛で色んな人を巻き込み、気づけばファンを増やしまくっている唯一無二な存在愛子ちゃん(3期生)
・圧倒的なリーダー力と責任感、エンジニアとしての細部にも拘る力でチームを牽引する河辺くん(4期生)
・持ち前の気づき力、調整力でイベント中のリスクを最小限に抑える堀君(4期生)
攻めと守りの両面をアルムナイだけで網羅しており、僕は向かうべき道を示しモチベートする役割を持てば自ずとSTAPSがレベルアップするようにしています。そして圧倒的当事者たる彼ら彼女らの言葉行動は凄まじく学生たちに刺さります。
僕だけ残っても、このプログラムは大した価値はないでしょう。間違いなくこのメンバーを中心として熱狂が生まれているのです。
そして何より大事なのはこの全員がこのプログラムの成功と日本一のプログラムになることを信じて疑わないのです。一瞬も。だから確実に日本一のプログラムになります。
小さな失敗は死ぬほどしてます。ただ成功するまで進み続けます。そこに学生たちは巻き込まれ、熱狂が生まれます。そしてその渦は広がり大人たちにも火がつきます。
これは一定再現性があります。各地にきっとそういう学生はいます。眠っているだけです。各地で取組を起こす人たちはその学生たちの巻き込み方をぜひ本気で考えてみてください。
小田君愛子ちゃんはnoteも書いてるので参考までに掲載しておきます👇
3-3.とにかく色んな人を巻き込む事
シンプルなようで十分できてないことが多いのがこれです。
私は道半ばではありつつ、STAPSの価値に関しては1000%自信があります。
だからこそ色んな人に話すし、色んな学生に参加を促すし、色んな大人に協力を仰いでいます。
時にはご迷惑をおかけしていることもあるでしょうし、本当に申し訳ない部分もありつつ、すごく感謝しています。
数がわからないぐらい相当多くの人を巻き込ませてもらってます。その代わりその人たちのためになれることがあればやれることをやりまくっています。
学生が起業をするというアウトプットまでには多くの関わりが必要なので、その環境がSTAPS周辺にできていることも非常に重要です。
先輩起業家、学校関係者、VC金融機関、自治体、士業、企業の人たちなどあらゆる人に声をかけまくりました。そして多くの人が力を貸してくれます。未来の起業家に時間を割いてくれています。だからこそそこに熱狂が生まれます。
これを絶対にさぼらない。仲間を増やし続けること。次の世代を育てるために誠実に、真っ直ぐに関わってくれる全員が仲間なのです。私は心からそう思っています。
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださり共感いただいた皆さんはぜひこれから色々な形でSTAPSに関わってもらえたら嬉しいです。
日本一になるプログラムに関われるって素敵じゃないですか?最高な学生たちが素晴らしい起業家になるその道程に少しでも自分がいる世界線はとても魅力的ではないですか?そして各地域でこういったことを実現したいと考えている人はぜひ話しませんか?
まずは日本一になれるよう皆さんと様々な関わりが生まれる事を楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします!!
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